表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
証拠(仮題)  作者: 戌山卓
蒲焼裕太郎
2/24

裕太郎 2

 俺は、大学卒業後、大手金融機関に就職をした。銀行に就職したかった、というわけではない。あくまで安定してそれなりに高い給料が貰えそうな就職先を探した結果、メガバンクと呼ばれる大手銀行が選択肢になった、というだけだ。


 銀行員になってみると、バンカーのイメージとは程遠く、恐ろしく退屈な書類作業や社内の根回しが必要なことにうんざりさせられた。しかも非常に形式的な事務作業がこれでもかというほど多く、有給休暇すらまともに取れない。社内の人間関係はそこが村社会だからか、周りの目を常に気にする必要のある場所で、コミュニケーションで良い関係を築ければ良いが、ひとたびトラブルなどで険悪な関係になると一気に仕事がやりづらくなるという職場でもあった。


 そして、過度な残業をしながら、余った時間で役に立つのかわからない資格試験の勉強を毎晩のようにしてきた。プライベートの時間は、ほぼ皆無に等しく、周りの結婚の報告を聞くも仕事があまりに繁忙なために結婚式にも出席できない職場環境を恨んだ。本当辟易する職場だった。


 転職を決意したのは26歳のとき。村社会の閉鎖空間だった大手銀行から、コンサルティング業界に飛び込むこととなった。イメージでは激務の業界という印象が拭えなかったが、入ってみると想像以上に裁量的な側面も多く、なんだかんだ前の職場よりも働きやすかった。職場では、あまりお互いに干渉しない環境だったからかもしれないが、転職をしてから自然と人との接点は希薄となっていった。


 新しい職場で多忙な日々を過ごしていたそんなとき、ある日社員証を自宅に忘れて出社してしまった。仕方なく仮の入館証を申請しに会社受付に行くことに。そのときに出合ったのが涙だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ