涙 4
高校を卒業したら、すぐに就職した。特に勉強ができるわけでなく、お金もなかった私に進学という選択肢はなかった。早く社会に出てお金を稼ぎたい。コミュ障だから、もしかすると結婚できない人生なのかもしれない。でもできれば、親が出してくれた学費くらい返してから独身生活を楽しむのが筋よね。そんなことを想いながら、最初の会社でがむしゃらに働いた。
私が入社した会社は中堅の製造メーカー。私は正社員で入社できたけど、同期の中には大学卒が多く、短大卒も数名程度、高卒は私含めて2人しかいなかった。3日間の新入社員研修を合同で受けた後、4日目には配属先に行って挨拶をした。そしてトレーニーと呼ばれる先輩社員に仕事のアレコレを教えてもらった。5日目までは定時退社をさせてもらえた。でも、翌週からは毎日終電ぎりぎりまで残業する生活に変わった。
あとから気づいたけど、私が就職した会社は過労死も出しているブラック企業だったことをネットで知った。仕事は毎日14時間していたのに残業はほとんどつけさせてもらえなかった。朝から晩までパソコンで数字と睨めっこする作業、チェックシートが大量にありそれを一つ一つチェックしていく。チェックの中身や意味は正直よくわからない。けれど作業だけはできるから、一応仕事はできている。そんな単純作業ばかり繰り返して気づくと外は真っ暗になる日々。毎日があっという間に過ぎていく中で、ひたすら興味のない仕事を続けていた。
土日は幸い、下っ端の私は休むことができた。でも、平日の寝不足と過労でとても身体がいうことを聞かない。どこかへ出かけたい、という欲求はあるものの、決してお金に余裕があったわけではないし、一人でどこか出かけてもきっと寂しい思いをするだけだろう、と思ってどこへも出かけなかった。
そんな日々を何か月も過ごしてたときにあるとき先輩から仕事で呼び出された。先輩は私を個室に連れていき、私の仕事の内容や成果について叱咤した。あの人は何を言っていたのか今でもさっぱりわからない。私の作業に落ち度は決してなく、むしろ先輩の判断ミスで起きたトラブルではないかと心の中で勘ぐっていたが、結局先輩のミスの腹いせに私が怒鳴られたのだと悟った。
その翌週もその先輩は私は別室に呼びつけた。一方的にミスをしてもいない仕事の内容で叱られ、そんな日々が数週間続いた。多分このとき、私の中で何かが壊れかけていたのだと思う。
気づくと、私は朝全く起きれなくなっていた。頑張らなきゃ、という思いがあるのにベッドから全く出れない。そのとき、これがいわゆるうつ状態ってやつなのか、と思ったけど本当に何も気力が起きなくなってしまったことで、様々なことに支障をきたすこととなってしまった。




