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六芒星現る

 その頃、青龍とエメラルドは――


「エメちゃんお兄ちゃんのコート貸すからこれ着なさい!」


 青龍はエメラルドにベンチコートを渡した。 エメラルドはコートを着るがとてもぶかぶかだった。


「ぶかぶか~」


 エメラルドは笑顔で両手を広げる。


「そりゃそうだろ」


 青龍はエメラルドを抱きかかえる。


「さて……ここにはもう用は無いし帰るか!」


 青龍は帰ろうとしたが。


「もうちょっとここに居たい」


 エメラルドはもじもじしながら甘えると、 青龍はエメラルドの頭を撫でた。


「はぁ……しょうがないなぁ」


 青龍は苦笑いをしながら腰を降ろすとエメラルドは嬉しそうに笑い、 ガイドストーンと注射器を拾う。 その注射器で、 ガイドストーンの液体を吸引し自分の左腕の関節に部分に打ち込み注入した。 すると、 エメラルドはその場で泡を吹きながら気絶した。 まるで感電したかの様に。


 それを見た青龍は気絶したエメラルドを荒い息を吐きながら抱きしめる。 数秒後、 エメラルドは目を覚ました。


「おい!!!大丈夫か!?」


 青龍はエメラルドの身体を揺さぶると、 彼女は頷き青龍の頬にキスをした。


「龍さん大変です! 黒い鎧を着た兵士が襲撃してきました!」


 ベリンが叫びながら青龍の所に戻ってきた。 彼の背後に光る何かが見えた。


「ベリン! 避けろ!」


 青龍はベリンに向かってそう叫んだ。 次の瞬間、 奥の方からナイフがベリン目掛けて飛んできた。 目にも止まらぬ速さでベリンの所へ行き、 掌でナイフを刺し止めた。


「全然痛くない……」


 青龍は呟きながら刺さったナイフを抜いた。


「まぁこんな感じ」


 青龍の傷はグチュグチュと音を立てて再生した。


「”こんな感じ”じゃねぇよ!! どういう人体してんだよ!?」


 青龍の圧倒的な再生速度にベリンは驚いた。


「おいお前……」


 エメラルドの右手に青白い電撃のようなものが集まる。


「やっほー!」


 ベリンの後ろから女が現れた。 女の特徴は関雷雨の服を着ていて、 白地に黒線で六芒星が小さく書かれた、 小さいリボンを左上側に着けたショートボブで薄紫髪の目を持つ女が赤い液体が滴った袋を3つ持っていた。


「びっくりした!」


 ベリンは普通に驚いたが、 青龍とエメラルドは震えていた。 彼女のオーラに怯えたのか電撃を収めた。


「お前!!一体ナニモンだ!」


 青龍は天敵に出会した生き物様に怯えた。


「私は関雷雨のパスト! 未知数(赤ずきん)の方がいいかな?」


 彼女の発言によりベリンは震えあがった。


「関雷雨の最高幹部!?」


 ベリンは震えながら大声を上げた。


「何で君知ってるの?」


 パストはベリンに笑顔で近寄った。


「噂で聞いたことあります!」


 ベリンは死を悟ったかの如く青ざめた。


「なーんだ噂か~有名になったね~うちの組織」


 パストは少しがっかりした。


「関雷雨って何?」


 エメラルドはベリンにそう問う。


「噂で聞いただけですけど……関雷雨はかなりの手練れの集まりと聞きました。」


 ベリンの回答にパストは嬉しそうに頷いた。


(一応あってんだな)


 青龍はとても興味なさそうだった。


「どうして関雷雨の方々がここに?」


 青龍がパストにそう問うとパストはその場に座った。


「じゃあ話すから全員座って!」


 青龍以外は座ったが、 逆に彼は立ってしまった。


「おい座れよ」


 パストの圧に負けた青龍は震えながら正座した。


「うちの組織に粉かけて来たトラウト王国を滅ぼすから何人か連れて遊びに来たの!」


 パストは人差し指を立てながら右目をウインクした。 可愛らしいのにオーラが強い為、 相殺されてしまった。


「ここ……何かあったのか?」


 青龍の発言を聞き、 パストは深刻な表情を浮かべた。


「簡単に言うと戦争を起こそうとしてる輩がいるからじっくりとぶち殺す事になってね!」


 パストはうっかり殺気を漏らしてしまい3人は青ざめた。 中でもベリンは気絶しかけた。


「どうやって滅ぼすんだよ……」


「え? 私が滅ぼすに決まってんじゃん!!」


 パストは目をキラキラさせた。


「てかそんな事より、 あいつらどうにかしないと!」


 ベリンと青龍が立ち上がってチェイン達の所に行こうとしたがパストが静止した。


「大丈夫だよ~」


 パストは袋からに生首を取り出した。


「何で持ってるの? 」


 エメラルドは首を傾げた。


「非常食!」


 パストは生首を掴んだまま上下に振った。


「それだと腐るから意味なくなるよ!!」


 青龍がツッコミを入れた。


「てかあいつら大丈夫ですか?」


 ベリンがパストにそう聞くとパストはキメ顔で親指を立てた。


(大丈夫てっ事ですね…)


 ベリンは少し安心したのかホッと息をつく。


「どんな感じだったの?」


 青龍が2人にそう聞くと、 パストは普通に話した。


 *


 少し前の事、 ベリン達は森の近くに誰かいないか散策していた時、 偶然兵士と鉢合わせてしまった。


「お前ら! 反乱軍だな! 我が剣の錆にしてくれようぞ! 」


 5人の兵士たちがベリン達に襲い掛かってきた。 すると、 彼らも戦闘態勢に入り攻撃を開始した。


「遅いな……」


 ベリンはそう呟くと1人の兵士を鎌で心臓を貫いて殺害し、 エリスは死角から入り兵士の首を得物で刎ね飛ばした。 そして、 チェインは兵士の攻撃をかわし剣で腕を切り落としてからの腹を裂いて殺した。


「トーゴ行くぞ!」


 オルキデアはトーゴに合図を送ると鎌を振り回し、 兵士が射程範囲に入った刹那、 鎌で喉を搔っ切る。 隣の兵士の視界をトーゴから逸らし、 恐ろしい速さで視界を逸らした兵士の後ろに回り込み、 真っ二つの切り裂いた。殺害後、 ベリン達は深呼吸をして落ち着いた。


 奥の方から、 槍を持ち黒い鎧を纏った重騎士が1人と剣を持った男の冒険者が2人現れた。


「ベリン、 早く龍さんの所に行け!」


 チェインはベリンを青龍の所に行くよう促した。 するとベリンは「死ぬなよお前ら」と叫んで森の中に入って行った。


「行くぞお前ら!」


 チェインが叫ぶと同時に全員一斉に飛び掛かった。 エリスとチェインは黒い鎧を着た騎士に攻撃を仕掛けたが鎧が硬かったので弾かれてしまった。 重騎士は思いっきり槍を振るい、 チェインの腹を切りつけたが内臓は出なかった次に、 エリスの顔を切りつけた。


((こいつらを死なせるわけにはいかない! ))


 トーゴはチェインをオルキデアはエリスを回収して少し離れた場所に置いた。


「終わりだ小僧共……」


 騎士は止めを刺そうとするが、 背後にパストが現れた。


「何だお前?」


 1人の冒険者がパストにそう聞きながら、 パストに襲い掛かった。 次の刹那、 襲い掛かった冒険者の首が捻じ切られたのだ。 その光景を目撃した冒険者はやけくそになりパストに襲い掛かるが腹を貫かれそこから内臓を引き出された。


「貴様……()()()の……」


 騎士は慎重にパストを攻撃をしたが目にも止まらぬ速さで騎士の頭を掴みゆっくりと捻じ切る。


「大丈夫?」


 パストはチェイン達に近づき回復薬を飲ませ、 チェインとエリスを回復した後、 城壁に囲まれた村に【転移】させた。


 *


「という感じ」


 パストの説明後、 青龍は「うちの仲間がお世話になりました!!」と感謝を伝えて土下座した。


「じゃあ2人に頼みたい事があるんだけどいい? 」


 パストは青龍とエメラルドに頼みごとをした。


()()()ていう廃村があるんだけどそこに行ってくれない?」


 それを聞いて2人はお互いの顔を見て頷いた。


「私はこの子と城壁に囲まれた村に戻っとくね!」


 パストはベリンの肩に手を当て【転移】した。 そして2人は巨頭ォへ向かった――最悪な事に、 そこは足を踏み入れてはいけない禁足地だった。


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