武闘派の秘密結社現る
青龍が森に行っている間、 白虎はエルフ達を連れて村に帰っていた。 門の近くにいた兵士たちはエルフ達をある所へと連れていった。
「ただいま〜」
白虎はクタクタに疲れていた。
「おかえり~」
麒麟が出迎えにきた。
「あー疲れた……」
白虎は近くにあった木箱に寝転んだ。
「お疲れ~」
朱雀が温かいココアが入ったティーカップを2つ持ってきた。
「ありがとう雀!!」
白虎が起き上がると朱雀は白虎にティーカップを渡した。
「あれ? 蛇之は?」
朱雀は白虎にそう聞いた。
「エメちゃん探しに行った」
白虎は不満げな顔でココアを飲んだ。
「どうしたの?」
朱雀は白虎の隣に座った。
「私も探したかったな~て」
その言葉を聞いて慰めたかったのか朱雀は彼女にくっついた。 すると、 彼女は「キャッ!」と可愛げのある声を上げた。
「もうそんな事言わないで~私1人は寂しいよ~」
(おい嘘つくな)
麒麟は優しく見守った。
「おーい」
玄武が手を振りながらこっちに向かってきた。
「お! 来た来た」
麒麟は玄武に手を振った。
「色々あってな……」
玄武は近くにあった木箱に座った。
「何してた? 」
麒麟は玄武にそう聞くとめんどくさそうな態度で。
「殺害した兵士の事で話し合ってた」
玄武はやれやれと思いながら首を左右に振る。
「玄武さん!!」
アーサーが右手に書類を持ち、 左手にフードを被った男を引きずりながら玄武の所にやってきた。
「どうした!?」
玄武は立ち上がってアーサーの所まで近づいた。
「祖父がまとめた物です」
アーサーは男を離して玄武に書類を渡した。
「その書類、 俺が預かっとく」
麒麟が割り込むと玄武は書類を渡した。
「それとこのような人物を捕らえました」
アーサーはフードを被った男の髪を掴んだ。
「ちょっ!そんな持ち方するな!」
玄武はアーサーを注意した。
「すいま……」
アーサーは玄武に謝ろうとした瞬間、 城壁の上に見慣れない服装の人物が2人いた。 その2人の服装は、 黒地に青色の頭花が時計の様な形をした花が3本描かれている外套と黒いズボンを着服している。 靴は黒いスポーツシューズを履いている。 1人はアホ毛の生えた白髪ショートの女でもう1人は黒髪ノーマルで屈強な男性だ。 それを見たアーサーはその場から動けなかった――奴らはこの世界の裏側の人間のなのだから。
「アーサー! そいつを離せ!」
玄武が叫んだ瞬間、 アーサーは反射的に手を離す。 その刹那、 麒麟はフードを被った男の腹部を蹴り飛ばした。すると、フードを被った男は苦しそうな表情で立ち上がる。 それと同時に、 城壁にいた人間はそこから飛び降り、 ダイナミックに着地した。
(なんだこいつら……)
麒麟は2人の様子を伺う。 その刹那、 屈強な男性がフードを被った男の頭を握り潰し、 強引に引き千切った。
「やれやれ、 思った以上に弱いですね~」
屈強な男は呆れた表情を浮かべる。
「まぁ一般兵にやられるくらいだからね~」
アホ毛が生えた白髪ショートの女は鼻で笑う。
「お前ら何者だ!」
麒麟が腕を組み、 2人にそう問う。
「初めまして、 私はクロコと申します」
屈強な男性は礼儀正しく一礼した。
「私はダイヤよろしくね!」
アホ毛が生えた白髪ショートの女は左手を振りながらそう言った。
「あなた達は一体……」
アーサーは震えながらそう言った。
「私たちは秘密結社:関雷雨」
ダイヤはとても楽しそうなポーズをした。
「関雷雨ってあの!?」
アーサーは固唾を飲み腰を抜かした。
「知ってるの?」
麒麟はアーサーにそう聞いた。
「噂でお聞きしたのですが、 秘密結社:関雷雨、 各国を敵に回した無法者の集まりで全員同じ服装をしていますが、 最高幹部には六芒星の模様が入った物を身に着けており、 そのうち四名はコードネームを名乗っているとの事」
アーサーは麒麟にそう返答した。
秘密結社:関雷雨――各国を敵に回した無法者の集まりと噂されているが、 実際は10代後半の異世界転生者の集まり。 メンバーの大半が女でたった3名だけ男のメンバーがいる。 拠点はパシフィック王国という国に置いている。 基本中立を保っている任侠集団だが関係者や身内が攻撃された場合、 全力で潰しにかかる。 そのうえ、 戦力が異常に高い為各国から警戒されている。
「そうなんだ~」
麒麟は全然興味なさそうに呟いた。
「てか何であんた達ここに来たの? 」
白虎は2人にそう質問した。
「調査に来ました!」
ダイヤは狐のような行動をした。
「日本語で喋って!」
ツッコミを入れる白虎。
「日本語?」
アーサーは小声でそう言った。
「え!? 日本語知らないの?」
玄武はとんでもなく驚いてしまった。
「はい初めて聞きました」
アーサーは玄武にそう伝えた。
「マジか~普通に喋ってるから知ってるのかと……」
玄武は上を向いて微妙な表情を浮かべた。
「伝令! 先ほどドワーフの集落が襲われたそうです! 」
1人の兵士が麒麟に向かって跪いた。
「タイミング悪いな……」
麒麟は頭を抱えた。
「まずいですね……私たち先にドワーフの所に行ってきます」
クロコは先に【転移】で跳ぼうとしたが。
「ちょっと待て!! こちらからも2名を送る」
麒麟はクロコを止めた。
「わかりました、 ではお先に……ダイヤ行きましょう」
「オーケー!! お前の鎧はまだ大丈夫か?」
「大丈夫ですよ、 問題ありません」
2人は【転移】で現地へ向かった。
「亀吉!アーサー!頼んだぞ!!」
麒麟は2人の肩に手を当て、 【転移】させた。
「雀は東に行ってくれ何か嫌な予感がする」
麒麟の命令により、 朱雀は肩甲骨辺りから赤い翼を生やして東の方へ向かった。
「猫都、 お前は豪邸に戻ってくれ」
白虎は歩きながら豪邸に戻った。
(頼んだぞ蛇之……)
麒麟は希望を託すように空を見上げた。 その頃、青龍とエメラルドは、
「エメちゃんお兄ちゃんのコート貸すからこれ着なさい!」
青龍はエメラルドにベンチコートを渡した。 エメラルドはコートを着るがとてもぶかぶかだった。
「ぶかぶか~」
エメラルドは笑顔で両手を広げる。
「そりゃそうだろ」
青龍はエメラルドを抱きかかえる。
「さて……ここにはもう用は無いし帰るか!」
青龍は帰ろうとしたが。
「もうちょっとここに居たい」
エメラルドはもじもじしながら甘えると、 青龍はエメラルドの頭を撫でた。
「はぁ……しょうがないなぁ」
青龍は苦笑いをしながら腰を降ろすとエメラルドは嬉しそうに笑い、 ガイドストーンと注射器を拾う。 その注射器で、 ガイドストーンの液体を吸引し自分の左腕の関節に部分に打ち込み注入した。 すると、 エメラルドはその場で泡を吹きながら気絶した。 まるで感電したかの様に。
それを見た青龍は気絶したエメラルドを荒い息を吐きながら抱きしめる。 数秒後、 エメラルドは目を覚ました。
「おい!!!大丈夫か!?」
青龍はエメラルドの身体を揺さぶると、 彼女は頷き青龍の頬にキスをした。
「龍さん大変です! 黒い鎧を着た兵士が襲撃してきました!」
ベリンが叫びながら青龍の所に戻ってきた。 彼の背後に光る何かが見えた。
「ベリン! 避けろ!」
青龍はベリンに向かってそう叫んだ。 次の瞬間、 奥の方からナイフがベリン目掛けて飛んできた。 目にも止まらぬ速さでベリンの所へ行き、 掌でナイフを刺し止めた。
「全然痛くない……」
青龍は呟きながら刺さったナイフを抜いた。
「まぁこんな感じ」
青龍の傷はグチュグチュと音を立てて再生した。
「”こんな感じ”じゃねぇよ!! どういう人体してんだよ!?」
青龍の圧倒的な再生速度にベリンは驚いた。
「おいお前……」
エメラルドの右手に青白い電撃のようなものが集まる。
「やっほー!」
ベリンの後ろから女が現れた。 女の特徴は関雷雨の服を着ていて、 白地に黒線で六芒星が小さく書かれた、 小さいリボンを左上側に着けたショートボブで薄紫髪の目を持つ女が赤い液体が滴った袋を3つ持っていた。
「びっくりした!」
ベリンは普通に驚いたが、 青龍とエメラルドは震えていた。 彼女のオーラに怯えたのか電撃を収めた。
「お前!!一体ナニモンだ!」
青龍は天敵に出会した生き物様に怯えた。
「私は関雷雨のパスト! 未知数の方がいいかな?」
彼女の発言によりベリンは震えあがった。
「関雷雨の最高幹部!?」
ベリンは震えながら大声を上げた。
「何で君知ってるの?」
パストはベリンに笑顔で近寄った。
「噂で聞いたことあります!」
ベリンは死を悟ったかの如く青ざめた。
「なーんだ噂か~有名になったね~うちの組織」
パストは少しがっかりした。
「関雷雨って何?」
エメラルドはベリンにそう問う。
「噂で聞いただけですけど……関雷雨はかなりの手練れの集まりと聞きました。」
ベリンの回答にパストは嬉しそうに頷いた。
(一応あってんだな)
青龍はとても興味なさそうだった。
「どうして関雷雨の方々がここに?」
青龍がパストにそう問うとパストはその場に座った。
「じゃあ話すから全員座って!」
青龍以外は座ったが、 逆に彼は立ってしまった。
「おい座れよ」
パストの圧に負けた青龍は震えながら正座した。
「うちの組織に粉かけて来たトラウト王国を滅ぼすから何人か連れて遊びに来たの!」
パストは人差し指を立てながら右目をウインクした。 可愛らしいのにオーラが強い為、 相殺されてしまった。
「ここ……何かあったのか?」
青龍の発言を聞き、 パストは深刻な表情を浮かべた。
「簡単に言うと戦争を起こそうとしてる輩がいるからじっくりとぶち殺す事になってね!」
パストはうっかり殺気を漏らしてしまい3人は青ざめた。 中でもベリンは気絶しかけた。
「どうやって滅ぼすんだよ……」
「え? 私が滅ぼすに決まってんじゃん!!」
パストは目をキラキラさせた。
「てかそんな事より、 あいつらどうにかしないと!」
ベリンと青龍が立ち上がってチェイン達の所に行こうとしたがパストが静止した。
「大丈夫だよ~」
パストは袋からに生首を取り出した。
「何で持ってるの? 」
エメラルドは首を傾げた。
「非常食!」
パストは生首を掴んだまま上下に振った。
「それだと腐るから意味なくなるよ!!」
青龍がツッコミを入れた。
「てかあいつら大丈夫ですか?」
ベリンがパストにそう聞くとパストはキメ顔で親指を立てた。
(大丈夫てっ事ですね…)
ベリンは少し安心したのかホッと息をつく。
「どんな感じだったの?」
青龍が2人にそう聞くと、 パストは普通に話した。
*
少し前の事、 ベリン達は森の近くに誰かいないか散策していた時、 偶然兵士と鉢合わせてしまった。
「お前ら! 反乱軍だな! 我が剣の錆にしてくれようぞ! 」
5人の兵士たちがベリン達に襲い掛かってきた。 すると、 彼らも戦闘態勢に入り攻撃を開始した。
「遅いな……」
ベリンはそう呟くと1人の兵士を鎌で心臓を貫いて殺害し、 エリスは死角から入り兵士の首を得物で刎ね飛ばした。 そして、 チェインは兵士の攻撃をかわし剣で腕を切り落としてからの腹を裂いて殺した。
「トーゴ行くぞ!」
オルキデアはトーゴに合図を送ると鎌を振り回し、 兵士が射程範囲に入った刹那、 鎌で喉を搔っ切る。 隣の兵士の視界をトーゴから逸らし、 恐ろしい速さで視界を逸らした兵士の後ろに回り込み、 真っ二つの切り裂いた。殺害後、 ベリン達は深呼吸をして落ち着いた。
奥の方から、 槍を持ち黒い鎧を纏った重騎士が1人と剣を持った男の冒険者が2人現れた。
「ベリン、 早く龍さんの所に行け!」
チェインはベリンを青龍の所に行くよう促した。 するとベリンは「死ぬなよお前ら」と叫んで森の中に入って行った。
「行くぞお前ら!」
チェインが叫ぶと同時に全員一斉に飛び掛かった。 エリスとチェインは黒い鎧を着た騎士に攻撃を仕掛けたが鎧が硬かったので弾かれてしまった。 重騎士は思いっきり槍を振るい、 チェインの腹を切りつけたが内臓は出なかった次に、 エリスの顔を切りつけた。
((こいつらを死なせるわけにはいかない! ))
トーゴはチェインをオルキデアはエリスを回収して少し離れた場所に置いた。
「終わりだ小僧共……」
騎士は止めを刺そうとするが、 背後にパストが現れた。
「何だお前?」
1人の冒険者がパストにそう聞きながら、 パストに襲い掛かった。 次の刹那、 襲い掛かった冒険者の首が捻じ切られたのだ。 その光景を目撃した冒険者はやけくそになりパストに襲い掛かるが腹を貫かれそこから内臓を引き出された。
「貴様……関雷雨の……」
騎士は慎重にパストを攻撃をしたが目にも止まらぬ速さで騎士の頭を掴みゆっくりと捻じ切る。
「大丈夫?」
パストはチェイン達に近づき回復薬を飲ませ、 チェインとエリスを回復した後、 城壁に囲まれた村に【転移】させた。
*
「という感じ」
パストの説明後、 青龍は「うちの仲間がお世話になりました!!」と感謝を伝えて土下座した。
「じゃあ2人に頼みたい事があるんだけどいい? 」
パストは青龍とエメラルドに頼みごとをした。
「巨頭ォていう廃村があるんだけどそこに行ってくれない?」
それを聞いて2人はお互いの顔を見て頷いた。
「私はこの子と城壁に囲まれた村に戻っとくね!」
パストはベリンの肩に手を当て【転移】した。 そして2人は巨頭ォへ向かった――彼らはまだ知らない、 その場所は洒落にならない所だと。




