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侵入者

「エメちゃんただいま! 」


 白虎が病室に勢いよく引き戸を開けて入ってきた。


「おかえり」


 エメラルドは白虎に抱き着いた。


「向こうの様子はどうだった?」


 青龍は白虎にそう質問した。


「何か雀が関雷雨? とか言う人とどっか行ってた」


「雀の事だしすぐ終わりそうだな~」


 青龍は楽観的な態度だった。


「ねぇねぇご飯食べに行こう!」


 ルキナがお腹を擦った。


「ちょうど腹減ってたし行くか~猫都お前もどう?」


「いいよ! ちょうどお腹すいてたし!」


「んじゃ猫ちゃんと先に出とくね!」


 ルキナは白虎とエメラルドを連れて外に出た。


「さ~て俺も行きますか!」


 青龍は嬉しそうに跳び起きた。


 その頃、 朱雀とスダチはコットンを起こす方法を探していた。


「魔素が欲しいから、 肉とかほうれん草とか、 鉄分が含まれとる食べもん無い?」


 彼女の”魔素”と言う非現実的な単語に困惑した。


「魔素? ここはファンタジーの世界じゃないんだよ!? それで回復するの?」


「7大栄養素の1つで、 最も重要な栄養素やぞ!」


「6だろ! 7大栄養素って初耳だよ!」


 朱雀はツッコミを入れる。


「とにかく何でもいいから食べ物頂戴!」


「はぁ~しかたないね~奢ってあげるから」


 朱雀は近くの売店でスポーツドリンクとプロテインを買いそれを混ぜ、 寝ているコットンの口にゆっくり流し込む。 すると、 コットンは飛び上がった。


「コットン復活!」


 コットンは右手を上げると朱雀が頭をポンポンと軽く叩く。


(この子、 何処かで会った事あるような……)


 朱雀は昔の友人を見ている様な感覚だ。


「お腹すいたし一緒に食べに行こ!」


 朱雀は2人を連れて近くにあったラーメン屋に向かった。


「イエーイ! 奢って奢って!」


 コットンは高く飛び跳ねた。


「どんなお店?」


 スダチは朱雀にそう質問した。


「ラーメン屋」


「みんな好きやね」


 スダチが微笑ましい表情を浮かべた。 3人が入店すると偶然、 青龍と白虎とエメラルドとルキナがテーブル席で仲良くラーメンを食べていた。


「雀!」


 白虎は急に来た朱雀に驚いた。


「何であなた達がここにいるの!?」


 朱雀も想定外の事態にアタフタした。


「いや、 こっちのセリフだよ!」


 青龍は朱雀の発言にツッコミを入れた。


「すずちゃんも一緒に食べる? 」


 エメラルドが手招きをすると、 朱雀とスダチは4人が座っているテーブル席に座った。


「すずちゃん?」


 コットンは首を傾げ、 何かを考えながら席に座った。


「お待たせしました! 餃子2人前です!」


 お店の定員が8つの餃子が乗った大きめの平皿を持って来た。


「美味しそう!」


 ルキナは涎を垂らした。


「食べていいよ」


 青龍がそう言うと、 ルキナは箸を使って餃子を取って食べた。


(なんでお前箸使えるんだよ……)


 青龍は欧州出身の彼女が平然と箸を使っている事に違和感を感じている。


「メニュー表見せて」


 朱雀が青龍にそう要望するとスッとメニュー表を渡した。 その瞬間、 店の窓越しの景色に煙を伴う爆発が映った。


「何だ今の……」


 スダチが窓からその光景を目撃した。


「ねぇねぇ君! もしかして()()()?」


 コットンが朱雀にそう聞いた。


「そうだよ、 何で私の名前本名知ってるの?」


「昔お前と遊んだ綿花だよ!! 思いだせ!!」


「え! 綿花!? 久しぶり~」


 朱雀は嬉しそうにコットンに抱き着いた。


 *


 さて、 7人が飲食している少し前、 城壁の西側のまだ建築物が何も無いところでは、紫色のワンピースを着た茶髪ロングの女が太刀を右手に携帯してうろついていた。


「へいへい嬢ちゃん! ここはパーティー会場じゃないぜ!」


 たまたま近くにいた麒麟がノリノリで女に話かけた。 表面上では調子に乗っているが内心は警戒している。


「何だぁテメェ……」


 女は無愛想な態度をとる。


「見ない顔だな……どこから来た? いや……どうやって入ってきた?」


 睨みつける麒麟。 何故なら、 西側には門番を2人配置していて、 彼らが堂々と武器を携帯してる奴をそう簡単に通すはずがない。


「トラウト王国から来たわ、 それと門番2人は眠ってもらったわ……永遠に……」


 女は無愛想に淡々と語った。


「ほんとか? パーティー会場間違えてこっち来たんじゃないの?」


「んなわけあるか!!」


 女は麒麟の失礼な態度に腹を立てる。


「暇だしいいよ、 相手してやる」


 麒麟は少し変わった黒色で長い布のような物で目隠しをする。 その布の端は四本の竜の爪のような形をしていて、 風も吹いて無いのに浮いている。


(何を企んでいる……下手に攻撃したらこちら側が不利になるかもしれない……)


 女は刀を抜き、 鞘を地面に置いた。


「行こうか……」


 麒麟は黒色の槍を【転移】した。


「軽く相手してやるからかかってこい!」


 麒麟は槍を構えた。 刹那、 奴は勢いよく得物を突き刺そうとしたが、 軽くいなされ腹を蹴られ、 上空に舞う。 その際、 女は宙に浮き麒麟は真上に【転移】した。 次の瞬間、 尻尾を生した。 その尻尾はまるでコモドドラゴンのようだった。


「悪いが許せ……『メテオストライク』!」


 麒麟は尻尾で女を叩きつけた。 すると、 煙を伴う爆発を引き起こした。 奴の体は四肢が四方八方に飛び散り、 内臓が破裂していた。


「とりあえずどんな奴なのか調べてみるか……YATIRU起動!」


 麒麟の黒い目隠しは薄緑の電子の様な模様が浮かび上がった。


「こんにちはYATIRUです。 彼女について検索するので少々お待ちください」


 YATIRUは女の死体をスキャンした。


「作った自分が言うのもなんだけどこれいいな!」


「検索結果が出ました。 グラス・コルクボード 2017年に誕生、 アメリカのフロリダ州に平和に暮らしていたが、 ある日突然、 同期の女性数人に刺され死亡」


「遺体の状態はどうなっていた?」


「かなり酷い物です。 身体の所々に痣と複数の刺し傷が残されていました」


 YATIRUは悲しそうだった。


「胸糞悪い事件だな……」


 麒麟は口に手を抑えた。


「因みにこいつ馬鹿だった?」


「失礼ですね! あなたはデリカシーが無いのですか?」


 YATIRUは失礼な発言に不満を漏らした。


「ジョークだよ、 蘇生させる事は可能か? 」


「はい、 まだ死んで無いので可能ですが……大量の魔素を消費します」


 YATIRUの模様がゆっくりと消えた。


「わかってるでもこいつを救った方が()()()()()()()()()()()……」


 麒麟はグラスの遺体に手を当てた。すると、 バラバラになった身体が元に戻った。


「まだ起きないけど……何とか……」


 魔素を使い果たしその場に倒れた麒麟。 すると、 見知らぬ男が2人来た。 1人目は黒い軍服を着て黒い軍帽をかぶっている、 目の色と髪の色が紫色で銀色の十字架の様な形状の十文字槍を持っている若い男。 2人目はスーツを着た白髪のオールバックで細目で大太刀を持っている老人。 この2人は親子の様だ。


「おい! あんた大丈夫か!?」


 紫髪の男は麒麟を揺さぶった。


「智和! 安静に!」


 老人は彼を注意した。 紫髪の男の名は智和と言う。


「わりぃな親父……それよりもあれ」


 智和は見上げるとパストがゆっくりと降りてきた。


(こいつ……敵か味方か!!)


 智和は固唾を飲み冷や汗をかきながら槍を構えた。


「ねぇねぇ私たちと遊ぼうよ~」


 2人の女が【転移】してきた。 2人とも服装は関雷雨の服装で髪型はショートボブだが1人の髪色は白、 もう1人は金髪だった。 因みに、 白の髪の方は胸が無い。


  金髪の方はロングナイフを2本持っていて、 白髪の方は剣を持っていたが刀身がどんなのかわからない。


「フェザー、 クラブお疲れ~」


 パストが下りながらそう言った。 青白の髪の女はフェザー、 金髪の女はクラブ。


「お久しぶりですな……過去君……蠆昭(たつあき)君はお元気ですかな? 」


 老人はとても落ち着いていた。 彼の言う”過去”はパストの本名なのだろう。


「元気だよ~徳川 正勝さん!」


 パストは軽い笑みを浮かべた。 白髪の老人は徳川 正勝といい、 幕末から来た武人だ。


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