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気分転換

 どうもシファニーです。最近思っているのは本気で二作品同時更新を頑張ってみようかな、と言うことです。なんかかなりの作家さんはそうやって何作品も並行して更新しているらしいんですよね。私は要領が悪いのでやってきませんでしたが、挑戦してみるのもいいかも? と思っているところです。


 第二百四十七部、第七章第三十八話『気分転換』です。どうぞ!

 ルナの言葉に言葉を詰まらせ、それでも何か言いたいことが頭の中を渦巻いて。結局、何を聞くことも出来ずに口を噤んでしまった。


「先程の言葉は何の確証もないもの。そう気負うことはないかの。邪神、とは悪魔で捉え方の一つ。決して司殿が憎まれるべき存在である、と言うわけではないかの。しかし、邪神教の連中にしてみれば、そのような存在に当たる、と言うだけかの」


 ルナは俺を慰めるようにそう言って、名前も分からぬ菓子を口に放った。


「妾とて、気付いた時には話すかと迷ったかの。ただ、知っておくことは強みかの。司殿は、そなた自身が何を抱えているのか今一度、改めて意識しておくことがあると、そう言いたいだけかの」

「……何千年も生きても口下手か。人と関わってなさすぎるんじゃないか?」

「すべての真意を法則性ある言語で表現しつくそうとするのがそもそも間違いと言うものかの。それでも神が言葉を定めたのは真意が簡単に伝わっては面白みに欠けるからかの」

「厄介な神様だよ」


 苦笑いを浮かべて答えてやると、ルナはこれまた名の分からない洋菓子を俺へと差し出してきた。

 俺がそれを受け取って見せると、ルナは満足げに頷いて言う。

 

「だからこそ、言葉だけでなく行動や物で示す。それが大切なんだかの」

「当たり前のことをそれっぽく言ってるだけじゃないか。……でも、ルナらしいかもな」

「らしい、と言う表現も曖昧なもの――いや、今はどうでもいいかの。司殿。他に聞きたいことはないかの? 胸の中にわだかまりを抱えたままでは、真価は発揮できないかの」

「いや、特にないな。ルナの言いたいこともなんとなくわかった。俺はそれとただ事実としてだけ、受け止めておけばいいんだな」

「その通りかの」


 頷いて、洋菓子を口に放った。


「さて、これからどうする? みんないないけど、やりたいことないか?」

「妾は数千年の時を生きてなお、この世の真理に辿り着いてはいないかの。知りたいことも、やりたいこともたくさんある。だから、共に生きると頷いてくれる人を探していたのかの。今はもう、それだけで満足かの」

「そうかい。じゃあ、とりあえず服でも着替えてみたらどうだ?」

「は?」


 優しかったルナの微笑みが、一気に冷めた気がした。


「いやいや、待ってくれ。ルナっていつも服一緒だろ? たまには着替えて気分転換もいいんじゃないか、ってな」

「……言ってることの意味は分かった、けれど理由は分からない、と言うやつかの。……はぁ」


 俺の言葉に、ルナは一息ついてから大きなため息をついた。そして、ソファの立ち上がる。

 直後、ソルの前身は輝きだし、直視できないほどになった。


「え!? ちょっ、何!?」

「……これで満足かの? 神の知識を借りるのなら、これは幼女体に似合う服装と言うことらしいかの」


 そんな声が聞こえてきて、目を開けてみる。


 すると、そこにはいつもとはまるっきり姿の違うルナがいた。


「これでいいのかの?」

「いや、良いもなにも似合ってるし可愛いけども……予想の斜め上を行ったな」


 そこに居たのは似合い過ぎるほどに似合っている、ミニスカ洋風メイドのルナだった。カチューシャで銀髪を整え、フリル付きのスカートに白いエプロンを巻いた格好で、簡単に言うのならゴスロリ衣装の類であった。

 長い銀髪が白黒のシックな衣装の映えて、その幼女体と完璧にマッチしていた。


 それがコスプレそのものにしか見えないもので、一般的な服装でないことを果たしてルナは知っているのだろうか。


「斜め上?」

「いや、その恰好をするやつは中々いないんだよな……俺も初めて見た」

「神の知識故、当然のことかの。むしろ、知識としてだけでも知っているのは予想外かの。妾は一度も見たことがなく、ましてや知識としてすら知らなかったかの。どこでこの服装についての知識を得たのかの?」

「地元だな。うん、地元だ」


 と言うかあの神、さてはあっちの世界のことが相当好きだな。俺たちを連れてきたことや、ゴスロリの知識を知ってることと言いかなり熱心に探っていたのではないだろうか。


 いや、実は最近考え出していたんだが、この世界って結局俺の記憶の範囲内で構成されている気がしていたのだ。だって、獣人や亜人と言った存在や、それらの服装。人々の持っている力なんかもそうだが、想定外のことは多かったが想像外のことは一つもなかった。

 そんなのありか!? ではなく、そんなのがあったな! って感じのことしかなかった。


「ふむ。興味深い話かの。神の知恵は太古のもののはず。もしや、別世界の代物かの?」


 なんて考えていたら、ルナが確信を突いてきやがった。


 そう言えば今まで俺が異世界から来た、と明言したことはなかった気がする。一応、天界に行った時ソトの前でそんな感じの話をしたしソル達はなんとなく察していたかもしれないが、ルナに関しては全く知らないはずだ。


 いやまあ、想像は出来るか。今更、隠す理由もないか。


「なんというか、似たようなもんだ」

「なるほど……興味深いかの」


 そう言ったルナは、下を向いて服を見渡した。


「まあ、しばらくはこの格好でいるかの。司殿の言うような、気分転換になるかどうかは、その内分かるかの」

「そうだな。まあ頑張ってくれよ」


 ルナが知らなかったってことはみんなも知らないのだろうし、物珍しそうな目で見られることがあっても変な目で見られることはないだろう。

 今一応私が連載している作品は二つで、その片方はほとんど放置なんですけど、続きを書いてみようかなと思っているしだいです。と言うか純粋な疑問なんですけど、何作品も同時に出している人たちはどうやって連立させているんでしょうかね? 私は正直二足の草鞋すら履きこなせる気がしていないのですが、三つ四つ一緒に書いてる人もいますよね。まあ、まだしばらくはこの作品に集中しようと思ってはいます。


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