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徹底的に

 どうもシファニーです。熱いかと思ったら寒かったり、本当に寒暖差が激しく、体調を崩しやすい気候となっております。皆さまもどうか体調にお気をつけてよい読書ライフを。


 第二百三十一部、第七章第二十二話『徹底的に』です。どうぞ!

 邪神。

 しんさん曰くそう呼ばれているし神性はあるが創造神、つまりソトは認めていない存在だという。色々聞いてみた予測だけど、アトラスみたいなソトが世界の暴走を防ぐために生み出した神の存在が何らかの形で地上でも生み出せるようになってしまったのだろう。

 簡単に言えば世界に生まれたバグだ。でも、そんなバグを何度も意図的に使わせるほどソトも無能ではない。だからこそ邪神教の連中は邪神を複製するし、より多くの力を得るためにこんなところでも活動をしているのだろう。


 いずれ、亜人国にも被害が出る。もっと言えばリリアやかな、黒江にだって被害を受けるかもしれない。そんな集団を放っておくのは、やはり俺には出来ないことだ。邪神が何体出てこようが、何回復活しようが、そのすべてを倒してやる。 

 そんな心意義で、挑んでいる。


「かな、まだどんなことをしてくるかは分かりきってない。さっさと終わらせるぞ!」

「ん!」


 今回の主力はかなだ。精霊完全支配を発動し、ステータスが大幅に上昇したかなの一撃で生命力を削り、そこから畳み掛ける、と言う作戦だ。慎重に戦おうと思えばもっと手間のかかることをして時間をかけることも出来るが、いつまでもそんな戦法ばかりだと、それこそ邪神が何体も同時に現れた時に対応しきれなくなる。

 今のうちに、邪神を倒すためのルーティンを考えておくべきだろう。


 相手が複製して何度でも復活するのなら、俺たちはその度に研究し、効率を高めるまでだ。


「《精霊完全支配》《闘志》《魔爪》」


 かなの体を魔力が勢いよく循環し始める。あの状態のかなは、拳だけで相当な強さとなる。その代わりに一発一発にかなりの魔力を籠めるので、魔力総量が多く、魔力回復速度も高いとはいえそこまで長期戦には向いていない。

 短期決戦用、と言ったところだ。


「《属性剣術・氷》」


 俺も、作り出したアイサファイヤロングソードにさらに氷を纏わせ、その威力を底上げする。魔力さえあれば無限に作れるこの剣は普段は耐久力を低くして魔力効率を高めているのだが、今回は耐久力と攻撃力を大きく高め、かなりの魔力を使って作った。

 もちろん威力は折り紙付きだし、属性剣術で上乗せした分も合わせれば並の剣じゃ相手にならない魔法剣の誕生だ。


「一撃で決めるぞ!」

「任せて」


 短く返事をして、かなは飛び出す。高速飛翔で空を駆け、一瞬にして邪神の顔の真正面までたどり着く。


「んっ!」


 魔爪によって強化され、どす黒い光を放つその爪が邪神の顔を切り裂いた。その手から漏れ出す黒い魔力は長い爪のような形となって実体を持ち、深くまで突き刺さる。

 続いて、俺も地上から一歩踏み込み、邪神の腹部目掛けて剣を振るう。


「《ハードメテオ》」


 重く、冷たい一撃だ。

 金属の砕けるような音と同時に、邪神の肉体は粉々になる。以前の様に全身が掻き消えるような消滅の仕方じゃなく、張りぼての崩れるような物質的な物。何かの代償を払って複製したものだということの証明だと思えた。


「あれ!? いつの間にかあのでっかいの倒されてるよ!」

「馬鹿、目の前に集中しろ」


 どうやらあの二人もこちらが邪神を倒したことに気付いたようで、さらに勢いずいて邪人たちの掃討を進める。


「手伝う?」

「ここは任せるぞ。好きに暴れて来い」

「ん、行ってくる」


 あいつらの相手はかなに任せる。そう決めてはいるので、かなの好きなようにさせておく。これはすでに決定事項なのだ。


 そこでふと、最初はいたあいつがいないことに気付いた。気配察知に反応がないことからあのフードをつけたままどこかに行ったのだろうか。もし逃げられたのだとすれば面倒だが、追う手立てもない。そこまで考えて、俺はこの空間へと続くすべての道を把握していることを思い出す。

 この空間から外に出るための一番の近道、なんていう考えは安直かもしれないが試してみないと始ま菜らないだろう。とりあえず、向かってみる。


「司?」

「大丈夫だ、すぐ戻る」

「ん、待ってる」


 向かうついでにかなに一言告げ、俺は一本道へと入り込む。あいつが超人程度の実力者だと仮定しても、俺の全力寄りは遅いだろう。見逃したのがいつからかもわからないからとっくに地上に逃げられていることも考えられるが……ひとまず向かってみる。


 ただ、そのすべては杞憂に終わる。進みだして数分、息も絶え絶えで穴を這い上がる邪神教司祭に姿が見えた。


「く、クソッ! 何なのだ、あの者らは! 邪神でも敵わない相手など、聞いてな――」

「っと、逃がさないぞ」

「なっ!?」


 司祭が前へと伸ばした腕を掴み、軽くひねってやる。それこそ赤子の手を捻るかのように簡単に折れ曲がり、そいつは甲高い声で悲鳴を上げた。


「がああああああッ!? きさきさきさ貴様! よくも!」

「騒いだって無駄だ。大人しく捕まってもらおうか?」

「そんなわけには!」


 かなとの約束でこいつを殺すわけにはいかないし、色々と聞きたい話もある。魔術・精神が使えるかなに、後で聞きだしてもらおう。そう思い、腕に込める力を強めたその直後、司祭は苦しそうなに顔を歪めた後で、狂ったように笑いだす!


「邪神教に、祝福あれー!!!」


 そう言って、首輪を強く握りしめた。

 そう言えば中間試験が近いらしいです。学生の皆様には頑張ってほしいですね。……私ですか? 最低限努力はします。結果? やる気についてきますよ、たぶん。

  

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