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二人で最強

 どうもシファニーです。今日、久しぶりにジョギングしたんですけど、右足首を捻挫して包帯巻いてます。ちょっと意味が分からないですね。


 第二百三十部、第七章第二十一話『二人で最強』です。どうぞ!

 二人で一人、なんて言ったら普通はとんでもない連携を見せて蹂躙するという風景を想像してしまうが、どうやらこいつらはそう言うわけではないらしい。相乗効果、と言うやつだろうか。二人でバラバラに動きながらも、そこに確かな共鳴を見せていた。


「《エナジーハリケーン》ッ!」


 巨大な竜巻が巻き起こり、百近くの邪人が巻き込まれ、朽ちるようにして落ちて行く。

 ヘイルの得意技は広範囲魔法。魔術・自然、って言う威力に優れた魔法の特性を存分に活かした戦術を行っている。魔力総量も勇者と言うことで相当だったし、魔力を回復するスキルを持たないが持久力はリリアほどではないが、即効性だけで言ったらヘイルもリリアに負けず劣らず。

 近距離戦闘も最低限出来そうなところを考えるに、単純な戦力だとリリアを上回るかもしれない。


「《アクセルパージ》」


 剣術Ⅹ、広範囲を一瞬にして切り裂く衝撃波を四方八方に巻き散らす大技だ。

 スーラもスーラで広範囲を一斉に薙ぎ払う攻撃を得意としているらしく、俺なら魔力とか攻撃力を考えたら効率が良いとは言えない剣術を使いこなしているようだった。

 

 まあ、ここで浮かんでくる疑問と言えば、こいつらのステータスは良くって俺の少し下だ。スキルの豊富さだって俺の方が断然上。それなのに俺以上に魔法や剣術を、それも大技を連発しているのにヘイルもスーラも疲れている気配はない。どうしてこいつらはここまでのことが出来るのか。

 それは、双子、って言う固有能力の力があるからだ。


 双子、と言うスキルを細かく分解していくとステータス、つまり生命力、攻撃力、防御力や魔力の大幅な上昇、所持スキルの共有、そして意識の共有だ。


 二人の間に明確な連携は無いと思っていたのだが、それはあくまで二人がその場その場で協力する、と思っていたこととのギャップでそう思えていただけらしかった。戦場全体で見渡せば、二人は確かに協力できている。

 ヘイルの大規模攻撃も、スーラの大規模攻撃も当然互いを巻き込むことはない。それどころか、二人の攻撃範囲が被らないようにすることで最大効率で戦っていた。要するに無双系ゲームの二人プレイのようなことをしていた。


 それを可能にしているのも、双子の効果ですべてのステータスが二倍以上に跳ね上がっていることや互いの優秀なスキルを共有できているからだろう。先程突然スーラが魔法を発動して驚いてたり、ヘイルの炎の剣がとんでもない技術で扱われていたりして驚いたが、どうやらこれが原因らしい。

 俺とリルの憑依一体のようなスキルの共有とは少し特性が違うらしく、一方が使用しているスキルを同時に発動したり、本来の性能のまま使うことは出来ないらしいが、使い方さえ工夫すれば二人分のスキルを二人とも使える、と言う状態に出来る。間違いなく強力な能力だと言えた。


「二人してお互いの考えることが分かるから邪魔しあわないし、能力を使うタイミングもずれたりしない。伝達不足のミスが起きない二人組。なるほどな、かなとの戦いであんまり強くないかもとか思っていたけど、あの二人、どっちかって言うと戦術級の兵士だったのか」


 二人で一人、みたいなものを想像していた俺はニ対一の状況を作れれば最強なのかと思っていたが、二対多で本領を発揮できるらしかった。


「こりゃ、本当に俺が入ったら巻き込まれかねなかったな。一応敵同士だし、容赦もないかもしれないしな。な、かな」

「でも、かななら大丈夫」


 そう言って、かなは俺の背後から空間を割くようにして姿を現した。僅かな気配を感じて問いかけたのだが、どうやら正解だったらしい。


「ん、遅れた」

「あっちで俺の偽物がいて、それを守ってた、とかだろ? 大丈夫だったか?」

「大丈夫。それじゃ、本物倒そ」

「そうだな、雑魚はあの二人に任せておいて、俺たちはあっちの本命を叩くとするか」


 かなは余計な時間を使わされたせいか、少し不満げな表情で邪神を見ていた。


 邪神、なんて存在は本来関わるべきじゃないんだろうし、ここにいるってことは俺たちと直接的な問題があるわけでもない。ただ、黒江との約束で罪無き命を奪わないで欲しい、なんて単純で重要なものがあった。

 ここでこの邪神を放置していたらどれだけの命が犠牲になるか分からない。ここにいる邪人たちだって、言わば犠牲者だ。これ以上増やすのは許せなかった。それに、この邪神を活かして置いたらいつか亜人国にも被害が来るかもしれないからな。


 と言うわけで、ここにいる邪神は討伐するし、被害を増やさないためにも邪人と魔人、ついでに最高司祭とやらもまとめて倒してやらねばならない。


「かな、行くぞ」

「ん、司とかななら、余裕」

「だな」


 本音を言ってしまえば今の俺とかななら単体でも邪神と戦えるのだが。

 そんなロマンのないこと言ってられない。せっかく二人で遠くまで来たのだ。一つや二つ、二人の戦いを経験しないとな。それこそ、初めてリルと倒した時のような感覚で。


「成長した俺たち、見せつけてやろうぜ」

「ん」


 勇者たちが邪人と魔人を相手にしているその横で、俺とかなは邪神に向かって飛び出した!

 さて、お久しぶりの司君とかなちゃんペアでのバトルです。最初こそ二人一緒だった司君とかなちゃんですが、最近までは司のペアと言えばリルだったり、かなちゃん最強すぎてソロ無双しまくってたりしていてなかなか見れていなかったコンビです。次回お楽しみに!


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