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別世界

 どうもシファニーです。今週もお疲れ様でした、金曜日の更新です。二千文字ちょっとですがどうぞ読んで行ってください。


 第二百二十八部、第七章第十九話『別世界』です。どうぞ!

「別世界って……またかよ」


 この前会った時も確かそんな感じだったはずだ。ただ、二階目だったのに気づけなかったのは今回はかなも一緒にいたからだ。学習したからなのかは分からないがこの前よりも分かりずらかった。しんさんに言われなかったら本当に気づけなかったかもしれない。


「まあ、前の感じでいいんならこいつ倒して本体倒せば解決だよな」


 邪神はステータスこそ高いが始祖竜みたいな高い防御力とか巨神みたいな圧倒的な体力があるわけではない。攻撃方法だって少ないし、ステータスの割に弱い、ってのが俺の印象だ。実際、俺一人でも勝てた。


「さて、さっさと終わらせるか」


 この前の流れで言うのならかなはすでに邪神を倒しているかもしれない。待たせ過ぎるのも申し訳ないからな。


「《アイサファイヤロングソード》」

 

 おなじみの氷の剣を取り出して、俺は邪神に切りかかる。


「っしょ、これで終わりかな」


 すでにこの戦闘では十数本目になる氷の剣を足元にある邪神の頭に刺してやると、生命力が0になった。無崩の幕と万全の期の圧倒的な防御力と魔力と分割思考のゴリ押しで叩きのめして、危なげなく勝ってしまった。

 それと同時に視界が一瞬ホワイトアウトして、再び目の前が薄暗くなったと同時に気配察知に無数の反応があった。


「ちなみに、ここは別世界じゃないよな?」


《その可能性はありません》


「そりゃあ良かった」


 こういう時、俺の知識だと別世界と見分けることが出来ないからな。しんさんがいて助かった。


「まあ、邪人たちの数は減ってない、か。邪神も当然残ってるし、あの司祭も残ってる。……あれ? かながいない?」


 俺が立っていたのは邪人や魔人が菱めく空間を見下ろせる位置にある通路の出口だった。ここから邪神の姿も見えるし、特徴的な格好をしている最高司祭とやらも確認できた。今回はいることが分かっているので、目視で把握できたわけだが。

 問題はかながいない、と言うことだ。かなが俺よりも邪神攻略に手こずっているとは思えない。だが、やはり別世界にいるのか思念の伝達も出来ず、状況把握が出来なかった。


「……とりあえず、こっちの邪神を倒せば解決か? 邪人や魔人も、まあ多少数を減らしておけば後が楽か。どうせいつか戦場で戦うことになるんだし」


 別空間でのかながそうだったように、恐らく本当のかなも俺が邪人や魔人とは言えあからさまに人間と似た外見を持つあいつらを倒すことを、快く思っていなかったりするのだろう。しかし、冷徹者を持つ俺に躊躇いなどないし、邪魔をされたら反撃するつもりでいる。

 とりあえず、邪神を倒せないか試してみるか。


「とりあえず《アイシクルアロー》」


 小手調べの意味も込めて魔法を放つ。

 さっき別世界とやらで邪神と戦った時は、あいつは終始動かないままだったからな。


 ただ、俺の魔法は思わぬ結果を見せた。

 氷の矢は一直線に進み、やはり無抵抗な邪神に命中したのだがダメージが発生しなかったのだ。


「ん? 流石に威力が低すぎたのか? でも、多少のダメージはあってもいいはずだが……」


 そう思い、見つかる危険性を込みで高威力魔法を使ってみる。


「《アイシクルメテオ》」


 人一人余裕で収まる大きさの氷を生み出して邪神に放つ。今度もまた無抵抗なままに当たったのだが、ダメージがなかった。


「あれ? 魔法を無効化するような能力は、なかったはずだけど」

「どうやらお出ましのようですね。お客様を――」


 さっきの一撃で司祭がこちらに気づいたようだが、今はそれどころではない。


「邪神に攻撃が効かない? いや、でも確か前も似た感じだったよな」


 ソルの話だと、邪神が生み出したすべての別世界が無くならないと本体には攻撃が効かない、みたいなことを言っていた気がする。だとすれば、かなが出てくるまでは何もできないわけか。

 ただ、かなは恐らく別世界の俺を守るために邪人や魔人を優先的に倒しており、まだ時間がかかるものと思われる。となると、あいつらに見つかって俺は逃げるのが最善かもしれない。


「かなとの約束を守るなら、そうなるんだけど……」


 かなは俺のことを慕ってくれているし、本気で心配してくれている。そんなかなに俺は今まで頼り切って来たし、ここらでやれるんだってところを見せてやりたくもあるが、そんなかなとの約束だからこそ守らなくてはならない気がする。

 ここは一旦逃げるか隠れているかして、かなが出てくるのを待つとしようか。


 そんなことを考えていたその時、背後から声が聞こえてきた。


「あ! やっと見つけた! この前は良くもやってくれたね!」

「あの獣人の娘はいないのか? しかし、ちょうどいい。借りは返させてもらう」

「げっ」


 双子(ペアレンツ)だった。どうやら完全復活を遂げたらしいお二人が俺たちが通ってきた通路を使ってここまで来たらしい。ただ、見つめ合った二人の顔はあまり明るくない。


「って言いたいんだけど、その前にここ、どこなの?」

「ああ、情報にはなかった地下空間だ。国家機密か?」

「二人も知らないのか? ってことは邪神教はこのことを秘密に? ……とりあえず休戦、ってどうだ? この先を覗いてみたらいい」

「え? 何かあるの?」

「馬鹿ッ! 迂闊すぎる!」


 そう言ってスーラがヘイルを止めようとするも、ヘイルはすでに俺の脇を通り抜けて穴の外を見下ろしていた。そして、叫んだ。


「なんじゃこりゃー!?」

 そう言えば珍しいことがありました。自分今高校生なんですけど、転校する友達が居まして。高校って転校するの簡単じゃなし、転校するのが隣の県ってことで驚きました。だから何ってわけじゃないんですけど、転校って大変そうですよね。


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