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戦うこととは

 十万pv超えて早々更新さぼりました、どうもシファニーです。言い訳なんてしませんが、謝罪はさせてください。リリース直後のゲームが楽しすぎたんです、ごめんなさい。……言い訳なんてしない、と言うのは嘘です。

 第二百十五部、第七章第六話『戦うこととは』です。どうぞ!

 と言うわけで俺たちはリリアと合流できた。


「リリア、どうして人間に襲われてたんだ?」

「襲われた、と言うよりは勇者に対応してた感じね。隠密行動をとっている、とは言い難かったけど、こちら側に近づいてくる気配があってね。もしかしたら話し合いを希望してるのかな~、って飛んで来たら、人類の敵め、死ね! って襲い掛かって来てね」

「襲われてんじゃん」


 と言うかド直球な奴らだな。後、リリアの物まねは物騒なこと言ってる割に可愛かった。この人、中身は置いといて外見年齢も二十近いのだが、一挙一動に幼さが滲み出ている。中身と外見は似ても似つかぬものらしい。


「まあでも、本気で私を殺しにかかってたし、こうして助けてもらえて助かったわ。私って結局近接戦闘には向いてないのよね~、遠距離特化、って感じ? 司君たちが来てくれなかったら、危なかったかもしれないわ」

「いや、俺は何もしてないんだって……ってか、どうして俺置いていったんだよ」

「う~ん、私は二人の気持ち、わかるけどな」

「え?」


 俺が二人に、特にソルに若干の恨みの視線を送っていると、リリアがそんなことを言ってきた。


「だって、司君は人間でしょ? 同じ種族を手にかけるのって、結構心に来るものだし」

「……今更じゃないか? 今までだって、色んな奴とやり合ってきたし。確かに、人を直接、なんてことはまだ経験ないけどさ」

「そう言うものじゃないと思うんだけどね。二人とも、司君のことが心配なんだよ」

「ん、司、無理しちゃダメ」

「……同族殺し、なんて不名誉な称号もあるわ。今後一生信頼を失うでしょうし、もう少し慎重になりなさい。まだ、どうしてもってときじゃないから」


 俺の腕を両手でつかんで頬擦りしてくるかなと、そっぽ向いたソルがそんなことを言ってくる。


 こんな時、どんな反応をするのが正しいのか分からない俺は、相当毒されているんだろうか。

 冷徹者。人の心、と言うか道徳心とか情を一切捨てて合理的な判断を後押ししてくれるスキル、のはずなのだがどこまで自分をコントロールできるのかは怪しいところだ。別に自我を失うというわけではないのだから、曖昧でしかない。

 ただ、少なくともこいつが俺の思考に影響をもたらしているのは確かだ。今、一年前までの俺なら間違いなく二人の言葉に感激して感謝を即座に口に出来ただろう。しかし今の俺はどこかそんなことはどうでもいい、リリアの、そして自分自身の理想のためにならいくらでも――なんて考えている。


「……そうだな。それこそお前たちとか、俺自身がピンチになるまで、控えておくことにするよ」

「ん、それがいい」

「そうすると良いわ。命を奪うって、決して軽いことじゃないんだから」

「うんうん、その通りだよ」


 なんだろう、こういう時、お前たちだって、と突っ込むのが正しい気はしなかった。リリアやソル、かなのように元来より人ではなく戦う使命を持って生まれてきたからこそわかる死の重さって言うのがあるのだろうか。発言に軽はずみな雰囲気は感じられなかった。

 ただ、それでもあっさりと命を奪ってしまっている印象が強い。一体、彼女たちには何が分かっているというのだろうか。


「それじゃあみんな、付いて来て。この前の最前線基地、覚えてる? あそこに帰ろうか」

「あ、待ってくれ、リリア」

「ん? どうかしたの?」


 立ち去ろうと魔法を使いかけたリリアを止めて、俺は言っていなかったことを口にする。


「どうやらネルの方も何かあったらしくて、ルナとリルが向かったんだ。どこにいるか分かるか?」

「え? ネル様? ……ん~、でも、ルナ様とリルさんが向かったんなら、大丈夫じゃないかしら。あ、でも、ルナ様には会ってみたいかも。みんなから話は聞いていたけど、実際に会ったことはないし」

「……まあ、どっちにしても行ってみるとしよう。場所は分かるのか?」

「うん、じゃあ、案内するね」


 そう言って、リリアは今度こそ転移魔法を発動させた。

 

 転移した先は以前訪れた亜人国のお城の目の前だった。一応眼下に街が広がるこの場所なのだが、何と戦闘跡があった。そう、戦闘跡である。


「あら、これはリリア。そちらでもひと悶着あったらしいですね、お疲れ様です」

「いえ、国王に置かれましても、ご無事で何よりです。私の方は、ソル様たちが救援に駆けつけてくださいましたので」

「ええ、存じています。ソル、また会いましたね」

「……そうね、久しぶり」


 そしてそこで俺たちを出迎えたのはどこか楽し気なネルだった。相変わらずの綺麗な黒髪と、ルナやソルとは違った趣旨のセーラー服がよく似合っている。外見がそもそも高校生程度のなのだが、服装や髪形、装いも相まってお嬢様系高校生にしか見えない。まあ、猫耳が生えてるしそもそもお嬢様系高校生ってなんだよって話ではあるが。


「で? ルナはもう挨拶を済ませて、お城の中でお休み中?」

「はい。ルナさんはとても疲れているご様子でしたので。あ、後リルさんは散策に出かけましたよ」

「相変わらずどっちも自由だなおい」


 協調性はないのか、協調性は。しかも、リルに関しては報告くらいしろよ、一応俺の従者だろ。いや、もうそんな感じまったくしないけど。


「まあ、改めてよくお越しになりました。リリアの部下、と言う形にこそなっていますが司さんたちは功労者ですからね。リリアも疲れているでしょうし、しばらくはこちらで過ごしてはどうでしょうか。おもてなしはさせていただきますよ」


 そんな下らないことを考えていると、ネルはそう言って微笑みかけてきた。

 戦闘跡についてとか一応聞いておこうかと思ったが、後でリルから聞けるだろうし、まあ、どうせ呆気なく終わったんだろうから気にする必要もない気がしてきてしまった。


 まったく、俺は色々とこの世界に染まりすぎているのかもしれない。


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」

 前書きで嘘をついてしまってすいませんでした。ですが、小説家なんてファンタジー書いてる以上嘘の塊ですよね。あ、嘘の塊と言えば最近話題の『推しの子』ですよね。第三話を見たんですけど、いやー、面白いですね、あの作品。

 なんて感じで自然な導入での勧誘でした。皆さんは詐欺や宗教には気を付けてくださいね。意味分からない言葉を並べて、ではまた!


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