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強者は集う

 どうもシファニーです。更新です。はい、間章は終わりました。


 第二百十部、第七章第一話『強者は集う』です。どうぞ!

「ルナ~帰ったぞ~、って、リルはいないのか?」

「む? ああ、司殿、お帰りかの。リルならば、カレラ嬢と暇つぶしに出かけたかの」

「おう、そうか」


 リーゲンへと帰った俺は、ルナやカレラ、密かにリルが宿泊している宿を訪れていた。ちなみに、ソルは一緒にいるがかなと黒江は今回の邪神教による魔力なんたら症候群の一件を伝えるためにギルドへと向かった。


「暇つぶしって、まあ、どうせまた魔物でも倒しに行ったんでしょうね」

「だろうな。リルもそうだが、カレラもどこか戦闘好きって言うか向上心の塊って言うか、そう言うことに躊躇なさそうだし」

「大体正解かの。二人はギルドへ行くと言っていたかの」

「じゃ、間違いないわね」

「だな」


 開いた扉をそのままに、ソルが中に入るのを確認してから後ろ手に扉を閉め、念のため遮音魔法を発動する。内側のからの声を聞こえなくすると言う便利な魔法だ。


「で、だ。ルナに話があるんだが、いいか?」

「司殿が妾に話とは、珍しいこともあるものかの。聞かせてみるかの」

「ああ、俺のことについてなんだが……ソルは気付いているかもしれないが、どうやら俺は進化したらしい」


 精霊人、と言っただろうか。以前までの種族である精魔人の魔の要素が失われ、純粋な、と言っていいかは分からないが精霊核を持つようになったことによる変異の方が正しいのかもしれないが。しかし、強くなったことは間違いないので進化と言ってもいいだろう。


「ええ、そうね。私の持つ解析鑑定、と言うスキルによれば司は種族が精霊人となってさらに強力なスキルを幾つも習得しているみたい。ステータスだって、私たちに負けず劣らずのものとなったわ」

「ほう? それは、今の妾らに及ぶ、と言うことかの?」

「戦闘経験とか知識とか、後はスキルの使い方とか。諸々含めればまだ私たちの方が強いでしょうね。でも、スペックだけで言うのなら遜色ないはずよ。それくらい、精霊人は種族として強い、と言うことね」

「まあ、そんな感じだ。ソル、解説ありがとな」

「……まあ、ルナとは私の方が付き合い長いしね、話し方も理解してるし、私が言ったほうが効率が良さそうだっただけよ」


 それだけ言うと、ソルはそっぽを向いて離れて行ってしまった。まあ、ソルもソルで疲れているだろうし、休んでくれる分には問題ない。


「で、だ。俺、どうすればいいと思う?」

「……突然漠然とした疑問を投げかけてくるのは、どうかと思うかの」


 ルナは真顔でそう返してきたが、正直言って俺も今の質問はどうかと思う。ただ、俺も困っているのだ。


「いやさ、だって考えてみて欲しい。半年前まではただの人間だったんだぞ? お前らみたいに最初からある程度強かったわけでも、戦闘種族だったわけでもない。自分でも良く分からないうちに強くなりすぎて、混乱してるんだよ」

「それこそ、妾に聞くのはお門違いかの。弱きものとして生まれ、強く成長した先人に聞くべきかの」

「まあ、それはそうなんだけど。心当たりとか、ないか?」

「うーむ、難しいかの。妾の場合、あまりに強すぎてそもそも弱者が近づく余地などなかった。人間のように弱き存在で、妾達と同じ境地までたどり着いたものなど、居た前例が――」


 ない、と言うつもりだったのであろうルナの言葉は、部屋の扉がノックされたことで遮られた。


「む? 入るがいいかの」

「失礼します、カレラです。ただいま帰りました」

「おお、カレラ、お帰、りっ!? って、どうしたその恰好!?」

「あ、あはは……」


 足音が聞こえて振り返ってみれば、そこには全身に傷を負い、服も一部千切れたりして肌が露出しているカレラが立っていた。特に胸元が大きく切り裂かれていて視線をどこに向けようかと困る。


 カレラは苦笑いと浮かべたまま扉を閉めた。すると、カレラの足元から同じく傷だらけのリルが出てきた。しかもこちらはまだ止血すら終わっていない。


「おいおい、カレラとリルの二人でそんなにって、何と戦ってきたんだ?」

「ダンジョンへ赴いた。ついでに、ダンジョンマスターも葬って来たぞ」

「そうなんです。実は、ここから近くにあるダンジョンで修業してきまして」

「……おいルナ、確かダンジョンマスターってルナたちと同等かそれ以上って話じゃなかったか?」

「その認識で間違っていないかの」

「マジかよ……」


 かなり何でもない風に言われたが、俺からしてみれば理解が追い付かない。リルはともかく、カレラに原初の魔獣に対抗できるほどの力があるとは思えないんだが。


 と言うわけで解析鑑定だ。


種族:人類・不死鳥

名前:カレラ・オレアス:固有能力《成長する者:技術、知識の習得が人一倍早くなる》

レベル:34

生命力:209/4029 攻撃力:2093 防御力:1892 魔力:20/1809

状態:正常

スキル:魔術・炎鳥、魔術・自然Ⅲ、魔術・治癒Ⅵ、体術Ⅷ、属性槍術Ⅹ、剣術Ⅶ、宮廷作法Ⅹ、物理攻撃耐性Ⅷ、魔法耐性Ⅵ、状態異常耐性Ⅳ、魔力自動回復Ⅸ、不死鳥顕現

権利:基本的生存権、魔術使用の権利、自己防衛の権利、自己回復の権利


 ああ、なるほど。一目見て、俺はある事を察した。


「カレラ、さては何かに覚醒したな?」

「やっぱり、司さんには分かりますか?」


 俺が笑って言ってやると、カレラもそれに合わせて笑みを浮かべてきた。

 どうやら、カレラ・オレアスは不死鳥の力に目覚めたらしい。スキル《不死鳥顕現》、そして、種族不死鳥。どうやら彼女もまた、俺と同じく大いなる力に覚醒したらしい。もしこれが神の定めた必然でないのなら、飛んだ奇跡が起こってしまったのだろう。


 俺の身内、最強すぎるだろ。


「……これでは、前例云々とも言えなくなった、かの……本当に、飽きぬよ、お主等は」


 そんなルナの呟きは、俺の耳には届いてこなかったのだった。

 最近話題の推しの子を見ました。えっと、私は高橋李依、すなわちりえりーのファンなんですけど、一話からボリューム満点で期待値高めすぎてそんでもって泣ける、と言うか震える。正直言って、今期のアニメで一番の期待作です。皆さんも良ければご視聴ください。


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