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交わる世界

 総合pvが90000を突破しました、どうもシファニーです。最近は本当にたくさんお方がこの作品を読んでくださっていて、嬉しい限りです。ただ、最近は小説を書きすぎて課題が出来てないとか言う。落ちはありません。


 第百九十六部、第六章第三十五話『交わる記憶』です。どうぞ!

《報告:目標スキルの獲得を確認――》

《報告:目標スキルの獲得を確認――》

《報告:目標スキルの獲得を確認――》

《報告:目標――》

《報告――》

《報――》

《ほ――》

 

 数多の改変された記憶の中で、司は幾つものスキルを得た。そしてその度、死ぬような経験を繰り返した。その度に司は強くなり、その精神帯は修復されて行った。それに伴い、その精神は削がれ、摩耗していったが。

 そしてそんな連鎖する記憶の果てで、司は一人街を歩いていた。


「んあ? なんだ、危ないな」


 ブンッ、と豪速ですぐ隣を通り過ぎて行った車に文句を言いつつ、重い足を引きずる様に歩いていく。相も変わらず思うのだが、こんなに朝早くからわざわざ出向く必要があるのだろうか。服を決められ、時間を決められ。義務と言われちゃ仕方ないのかもしれないが、その義務で得られる恩恵は望んでいたわけではないのだけどな。


「はぁ……言っても仕方ないか」


 両手をポケットに入れながら歩く俺は、大きくため息をついた。


 中学二年生にもなって毎日のようにまじめに勉強するやつらの気持ちが分からない。勉強なんてしなくても受験は出来るしテストで点も取れる。それなのに自分の知識を蓄えて学習? 意味分からない。必要ないだろ。

 勉強ってのはさせられるもんじゃない。目標ってのは与えられるものじゃない。夢ってのは追いかけるもんじゃない。


 その時目の前にある現実に、忠実に全力で取り組み続けることの大変さを、あいつらは本当に知っているのだろうか。所詮は社会に出なかった、一生学校暮らしの大人達に何が分かるとも期待はしていないが。

 俺は正直言ってこの人生に飽き飽きしている。中学生の分際で、と自分でも思うが俺が飽き飽きしているのは人生のすべて、と言うわけではなく中学生として生きる今の俺にだ。親は家と金を残して俺を捨てた。頼るあてもなく一人ぼっちで生きる人生はもうウンザリだ。


「ああ、怠い。兄弟の一人でもいれば、そいつ守るために頑張れたのかもな」


 意味のない呟きを漏らす俺は、渋々ながら学校へと向かう。

 そして始まった退屈な時間。何が楽しいのか知らないが必死にノートをとる連中を横目に、俺は一人茫然と虚無を見つめる。


「ええ、それだからこの時代は――」


 聞く気がなくても聞こえてくる教師の声が、そんな言葉を紡いでいた。ああ、今は歴史の授業だったか。歴史にはある程度興味はあるが誰もが知っているような一般常識には興味ない。誰が世界的に有名な戦争の話を聞かなくちゃならないのだ。正直言って意味がない。

 どっちかと言うと各時代、各地域の上層部の人間の思考回路を知ってみたいね。世の中の独裁者とか政治家を知るのは必要だと思うんだよね。


「まったく、詰らんな」


 話は聞けば頭に入る。理解しようとしなくても理解はできるし、そもそも理解できないやつの気持ちが分からん。思考回路が鈍ってるんじゃないか? ちゃんと話を聞いて噛み砕けば分らないような話じゃないだろ。ちゃんと中学生に理解できるレベルの内容のはずだが。

 記憶力の良い悪いは日々の頭の動かし方に寄るのだし、食べ物によっては記憶力を上げてくれる栄養素を取ることも出来る。そんでもって色々な常識をネットでもいいから覚えておけば頭は柔らかくなるし記憶として定着するはずなのだが。


 俺は嫌いだね。碌に努力もせず出来ないって言うやつとか、努力の仕方すら知らないような奴らは。


 そんな時間が過ぎ去って一日が終われば、チャイムと同時に学校を出るのが俺だ。面倒なことは適当にやっておけばいい。失敗したって謝れば済むんだし、無駄な努力はしない。今日もさっさと帰って飯食って寝よう。

 そう思っていた、その時。俺に向かってきた一台のトラックは、その速度を緩めることなく引きにかかってくる。


「ああ、そう。俺を殺そうってか。どんとこいだが、死ぬのはそっちだぞ? 《無崩の幕》」


 突っ込んでいた右手のひらをトラックへと向ける。減速することなく向かってきたトラックに俺の手のひらが触れると同時、紙屑の様にくしゃっ、と潰れた。

 

 ゴンッ――


 と鈍い音を立てるそれは、動くこともなくその場に落ちた。


「って、あれ? 誰も乗ってなかったのか。暴走車なんて本当にあるんだな」


 なんて適当に呟きながら、俺はその場に鉄屑を残して立ち去った。なんだったんだろ、さっきの。なんもないのに無人車が突撃とか、あり得ないだろ。

 なんて他人事のように思っている暇はないらしい。続いて襲い来る危機のようにコンクリート製の塀が崩れ落ちてきた。すぐ左で倒れてきたせいでこのまま何もしなかったら死んでしまいそうなものだが。


「《ショートジャンプ》」


 転移して躱す。なんてことはないが、不運が続くと不気味なものだな。


「ん? と言うか、あれ? なんで俺、こんなことできてんだ? ちょっと待て、なんで俺死んでない?」


 今さ、ナチュラルに変な力を使ったけど何なんだ? 俺、何に覚醒した?

 だって、あれ? なんだか、おかしくないか? なんで俺平然と能力的なもの使ってるの? この世界の、常識だったっけ? な、なんだかおかしな気分だ。どこか意識が、朦朧と……記憶がこんがらがって――


「あーれ? な、んなんだ? 頭痛い……いや、痛くはないか。本当に、何が――」


《報告:記憶領域の錯綜が確認されました。これより修正のため再始動します》


 しんさん? って、誰だっけ――


 俺の意識は、暗転した。

 もうそろ春アニメの時期ですね。皆さんは何かアニメを見ますか? 私ですか? 2007に放送された『機動戦士ガンダムoo』の録画を消費する予定です。元々ガンダム好きだったんですけど、改めて見たくなって。え? 春アニメと関係ない? 何の話ですかね()


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