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突撃!

 総合pvが85000を超えました、どうもシファニーです。ここ最近pvが見るからに増えていて、意欲に直結し、楽しい執筆ライフを送れています。読者の皆様方、本当にありがとうございます!


 第百八十七部、第六章第二十六話『突撃!』です。どうぞ!

 襲撃、と言ってもやることは簡単だ。とりあえず入り口に向かって魔法を叩き込むだけだ。俺たちのことを恐れて逃げ出してくれるのなら、最終的にリーダーだけ倒せればいい。俺の目的としてはあくまでオレアスにテロ行為を起こしたこの集団の崩壊だ。解散してくれるならそれでいい。

 皆殺しを目的にしているわけじゃないし殺さなくていい命は見逃していいだろう。


 と、思っていたのだが。


「ど、どうしてこいつらこんなに向かってくるんだ!?」

「命知らずにも程がない!?」


 どういうわけか邪神教の連中は俺たちの行く手を阻む様にどんどんと向かってくる。しかも皆最低限度の強さを持っており、一般人どころか並の冒険者を軽く超える実力を持つ者しかいなかった。それどころか中にはオレアスの武闘会で戦ったデロイトとか言う拳闘士に匹敵する実力を持つ者もいた。

 しかしそれでも俺たちには到底及ばぬため、正直言って皆無駄死になのだが、何時まで経っても勢いは止まない。


「ッチ、どう見てもこれは洗脳済みね。解除してあげてもいいんだけど……この洗脳が信仰心から来ている物なら一度解除したところで意味がないッ! ああもうっ、焼き尽くすわよ!」

「ちょ、ソル!?」

「《燃え尽きろ》ッ!!」


 それは本来魔法でもなんでもないただの叫びなのだが、ソルの両手には炎が収束し、広範囲に放たれた。魔術・陽炎であることは一目瞭然だが、ちゃんとした詠唱すらしてないのになんという威力だ。

 しかしまあ、ソルが普通に魔法を使ったら建物ごと崩壊しそうだし、ありがたい配慮ではあるが。


「司、たぶんこれ、操ってるやつがいるわ。そいつを見つけて、止めて頂戴! 私はここでこいつら引き留めておくから!」

「りょ、了解! かな、黒、行くぞ!」

「ん」

「あ、ちょっと待って!」


 黒江とかなを連れて向かってくる邪神教信徒たちの頭を大きく飛び越えて奥の方へと向かう。そいつらは俺たちが奥へと行くのを阻止しようと踵を返すが、その背中を炎が焦がす。


「簡単にはいかせないわよ! 私に歯向かったこと、後悔させてあげるんだから!」


 そんなソルの頼もしい宣誓を背にしながら俺たちは人口密度が大分ましになった神殿の中を突き進んでいく。それでも命知らずの突撃して来るやつがいるが、この頻度なら行く手を阻まれる程ではない。


「ったく、何なんだこいつら。まさに狂信者だろ」

「それだけ、ここがやばいところってことだよ。頭痛くなるくらいに悪が渦巻いてる」


 顔をしかめながら並走する黒江は、そう言って前方へと立ち塞がった邪神教徒を切り伏せる。


「それに、こいつらもう人間じゃない。何か、と言うか悪魔かな。良くないものを宿してるよ」

「だな。状態:邪人化、か。こいつらは邪神に何を捧げているんだ」


 胸糞が悪い。日本にも宗教詐欺とかは色々あったが、ここは実害が多すぎる。人の命を無碍にして操り人形にし、人であることさえ辞めさせる。ま、今でこそ人間ではないとはいえ、元人間を容赦なく切り捨てる俺たちも大概だとは思うがな。


《『状態:邪人化』:人間に科せられたリミッターを解除する代わりに理性を失った状態へと陥らせる。精神面の耐性が著しく低下する》


 強くなる代わりに理性を失う、って感じなのだろうか。確かオレアスの武闘会で戦った相手に、狂える者、なんて能力を持っている奴がいたがその劣化と思えば良さそうだ。本来悪魔が持つような性質を人間に宿らせる、リスクだらけの能力だと思っていたが、知りたくもなかった使い道を示されたな。

 

 理性を失う代わりに自身を強化するスキルはそれなりにあるが、それらの共通的な弱点は純粋な力が増す代わりに単純な行動しかとれなくなり、他人と協力したり武器を使ったりが困難になるところだが、その理性を失った人間を誰かが操ればただただ強力な駒が手に入ることになる。

 まああれだ。リルの眷属たちはほとんど知恵がなかったらしいし、リルが狼を従えて対向してきた、と考えればその脅威度がなんとなく伝わってくる。


 それに一個人が本当にそこそこ強い。不意を突かれればこちらが傷を負う程度には実力があり、尚且つ手心を加えると倒し切れないがある。この先に待っているであろうボスを倒すために出来るだけ力は温存しておきたいが、加減を誤って足元をすくわれるのは俺たちの方だ。

 だって相手は、きっとこの教徒たちを失っても何の痛手にもならないのだろうから。


「はぁ……思い出したくもないがここの連中は悪魔を召喚出来たり人造人間を生み出せたり、人間爆弾を作れたりするんだよなぁ……何とか流って言う強そうな流派もあって、そこの人間はマジで有能そうだし」

「何それ、めんどくさそう」

「ん、かなにお任せ」


 俺の発言に黒江が心底嫌そうにそう言い、かなが自信満々にそう答えるのだが、まあ確かにかなに任せてしまえば問題なく処理できるのだろうが。


「なあかな、デストロイヤーたちも召喚しておかないか? 相手は数で攻めてくるタイプだ。俺たちも数で対抗したほうが楽そうなんだが」

「ん? 確かに、それもそう。じゃあ、次沢山出てきたら呼んどくね」

「おう、よろしく」


 さて、そんなこんなで神殿内部を駆け回ったのだが、一向に終わりが見えない。と、言うより。


「「これ、迷った(よね)」」

「ん?」


 どうやら魔法かなんかで小細工されてるっぽい。

 ちなみにこれからしばらくはこの四人でお話が展開されます。ソルと黒江についてさらに深堀していくつもりなので、お楽しみに!


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