依頼完了
お久しぶりです。更新間隔最長記録更新しましたどうもシファニーです。
あまりにも不名誉すぎる記録更新をした私は今原神にハマってます()
第百七十八部、第六章第十七話『依頼完了』です。どうぞ!
《恐らく、個体名リルから発せられるダンジョンマスターの気配に怯えているのかと》
ダンジョンマスターの気配? リルから? 確かにあいつはダンジョンに住んでいたが、それはすでにダンジョンマスターがいなくなったからだよな? ダンジョンマスターではないはずだけど。
《ダンジョンモンスターにはダンジョンマスターの気配を強く感じるという特性があり、長時間ダンジョンで生活していた個体名リルに残っていたダンジョンマスターの僅かな気配に反応していると予測できます》
まじか。影の中にいて、リウスからでさえ気配を隠しているリルの、僅かに残った残滓のような気配を感じ取り、怯えているというのか。想像もできないが、しんさんが言うからには本当なんだろう。本当に、まだまだこの世界には不思議なことがたくさんある。
そしてますます気になってくるのは、こんなことまで知っているしんさん自体、つまり、森羅万象について。確か世界の書とやらを閲覧できる、みたいな説明だった気がする。まあ、これに関しては深く考えたところでどうしようもないだろうし、一旦後回しにするとして。
「テト、素材は足りてるか?」
「え? あ、はい。足りていると思いますよ。これ以上狩りをする必要はありません」
「そうか。じゃあ、もうしばらくして黒たちが来なかったら、帰るとしよう。黒の強さなら俺たちより極端に遅かったりはしないだろうし、遅れたとしてもそろそろ来るだろ」
「そうですね。もう少しだけ待ちましょう」
ここにいる四人の中で最も気軽に話しかけられるテトと話をして時間を潰していると、四人分の気配が近づいて来た。どうやら黒江たちが来たらしい。
ちなみにその間もリウスとソルは一言も喋らなかった。ソルに関しては普段は割と接しやすい奴だと思っていたが、特に理由がなければやはりそこまで確かな接点があるわけでもない。距離感としてはこんなものと言うことだろうか。
まあ、元はといえば神の子どもと一般人だ。こうして一緒に行動できるだけで光栄とでも思うべき事案なのかもしれない。今更過ぎて尊敬も何もないが。
「あ、お兄ちゃん! 早かったね」
「まあな。と言うより、黒はもっと早く来ると思ってたぞ? やっぱり敵の位置がわからないと難しいのか?」
「え? ああ、違う違う。ちょっと遅れちゃったのは私がカレラさんに無理言ったからで……」
「いえいえ、私も勉強になりましたし」
少し申し訳なさそうにカレラの方をチラ見した黒江に、カレラは何でもない風に笑みを浮かべた。
どうやらうちの妹が無理強いしたらしい。
「で? 何があったんだ?」
「いやぁ、その。ソウル系のモンスターの場所はね、かなちゃんが教えてくれてたんだけど……」
「ああそっか、かなにも気配察知があったな」
と言いつつルナに寄り掛かって眠そうに目を擦っているかなを見る。ちなみにルナは満更でもなさそうだ。同じ獣どうし、通じるものでもあるのだろうか。
「ただ、私はカレラさんがどんな戦い方をするのか気になってたから、相手をお願いしちゃって」
「ああ、お前に足りない優雅さを教えてくれただろ」
「うん……あれ? 今貶された?」
「気のせいだ。で、カレラは相手の位置が正確には分からないし初めての相手で少し苦戦してしまった、と。なるほどな」
「あはは……申し訳ありません。ご迷惑をかけてしまいました」
苦笑いを浮かべながら謝るカレラに、軽く手を振りながら言う。
「いやいや、迷惑なんてことはないさ。別に俺たちが早かっただけだし。気にするな」
「ありがとうございます。私としても未知の相手と戦うことが出来て良い経験になりました。これからは不可視の相手でもうまく戦えるかもしれません」
「ははっ、そりゃよかった」
冗談めかして言うカレラに乗っかって俺も笑うと、黒江もさらに乗っかって小さく笑う。
そんな風に会話を楽しんでいると、ソルが不機嫌そうに言ってきた。
「ほら、そろそろ帰りましょ。日が暮れるわよ」
「ああ、そうだな。帰るとするか。お前らも素材は集まったか?」
「うん、目標数以上はあるはずだよ。みんなでやった初めての依頼、無事達成だね」
「だな。よし、街に戻るぞ!」
そう言って俺たちは街を目指して、帰りも数体の魔物を倒しながら帰ったのだった。
執筆以外の趣味を持つというのは気分転換が出来るということで良いとは思うのですが、本来本当にやりたいものであるはずの執筆すらも疎かになっていたのでは本末転倒ですよね。
ま、それでもやります。アプデ来たばかりですしおすし()
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