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魔力結晶

 どうもお久しぶりですシファニーです。ほとんど一週間ぶりですがいかがお過ごしでしょうか。私は元気です、たぶん。


 第百七十五部、第六章第十四話『魔力結晶』です。どうぞ!

「えっと、今何がいたんだ? よく見えなかったんだが……」

「え? 見えるわけないじゃん」

「は?」


 剣を鞘に収めて近寄ってきた黒江に、さっき何をしたのか聞いてみたら返答がこれだ。


「じゃあ、お前は何を切ったんだ?」

「ソウル・グリフォンでしょ? ……あ、もしかしてお兄ちゃんソウル系の魔物を見たことない?」

「え? あ、ああそうだな。聞いたこともないよ」

「ああ、だったら仕方ないね。ソウル系の魔物って目に見えないものなの。だから気配を頼りに倒すしかなくてね」

「何そのクソゲー」


 思わず漏れた一言は、対人戦に置いてセンサーには映るくせに見えない透明チート使ってくるチーターが出た時に呟くそれと同じだった。いや、実際今回はそんな感じだろう。しかも、そのチーターに勝たないと待っているのはゲームの敗北ではなくて死というのもふざけてる。


「で? そんなクソゲーモンスターがたくさん湧いてるところに、今から向かうわけか?」

「その通り。ま、安心して。お兄ちゃんは探知系のスキルを持ってるみたいだし、それを頼りにしてれば問題ないよ。ちなみに、私たちは探知の勇者であるリウスから能力の一部を借りてるから問題ないけど他の人たちは大丈夫?」

「あー、カレラ以外は、大丈夫だろ」


 リルもルナもソルもかなも、みな探知系のスキルを持っている。だからそのメンツに関しては問題ないが、カレラは確か探知系スキルは持っていなかったはずだ。そして、この中で一番弱いのはカレラである。それでも相当な実力者だからそこまで心配はしていないが、カレラの意見を聞いてみる必要はあるだろう。


 そういう意味も込めて俺はカレラのほうを見ながら言ったわけだが、カレラは苦笑いを浮かべながら返してきた。


「ま、まあいざという時は逃げるくらいはできます。それに、狭い洞窟の中なら気配を感じやすいはずですし。一応、戦力として数えられないほうが嬉しいですけど」

「だ、そうだ」

「うん、そういうことなら、まあ大丈夫かな。ソウル、って言っても完全な魂じゃないし気配はあるの。だから探知系のスキルで位置がわかるわけだし。その実態は肉体を失った精神生命体、みたいな感じかな? まあ、悪魔に似てるかも」

「なるほどな」


 黒江の説明を聞く限りだと、姿が見えなくなった悪魔や精霊、ということらしい。


《補足:個体によっては視覚によって認識できるものもいる。完全に五感の識別対象外になるのは一部の上位個体のみ》


 お、しんさんありがとう。ということなら、それこそカレラでも大丈夫だろう。彼女とて、ただの人間ではない。それに、一応俺たちもいるからな。いざってときは守ってやればいいだろう。


「さあ、そろそろだよ。魔物も増えてくるしね、頑張っていこう!」

「ちなみに、今回の依頼の目標って何なんだ?」

「まー、とりあえずたくさん魔物倒して、その素材を集める感じだね。ソウル系の魔物からもらえる素材って言えば魔力結晶とかかな。ほら、これ」


 そう言って黒江は足元にあった黒い結晶体のようなものを取り出した。


「ソウル系の魔物を倒しても肉体の部位が残ったりはないけど、それこそ最上級の種族にならないと完全な精神生命体とは行かなくてね。存在を安定させるためにこの魔力結晶を心臓の代わりみたいなものにしているの。それを集めて納品すれば、その納品した魔力結晶の価値に応じて報酬がもらえる、って感じ」

「なるほど。じゃあ狩りまくればいいわけだ」

「その通り!」


 なんて言いながら進んで行くと、切り立った崖が立ちはだかった。そして、その一部に大きな穴が存在していた。どうやら、そこがダンジョンの入り口らしい。確かに魔物の気配が感じられた。


「さて、この人数で行動するとダンジョン内は狭いだろうし、手分けしないか? 出来れば、交流もかねて今までと違うメンツで」

「いいねぇ、それ! はいはい! 私かなちゃんと一緒が良い!」

「それじゃあ、俺はテト君を貰おうかな」


 俺の提案に真っ先に乗っかった黒江に続いて、俺もそう言ってみんなの方を見る。特に嫌そうな顔をしている奴もいないし、大丈夫ってことだろう。


「えっと、お願いします?」

「ふーん、私は司と一緒で良いわよ」

「じゃ、じゃあ私はクロエさんとご一緒させてもらいますね」

「妾はどちらでもいいかの」

「右に同じく」


 テト、ソル、カレラ、ルナ、リウスの順で意見を言う。リルスとルナはどちらでもいいそうだが、まあ俺と黒江で交換すればいいだろう。


「よし、それじゃあ俺、テト、ソル、リウスのチームと、黒、かな、カレラ、ルナのチームで行こう。それじゃあ、早速行動開始!」

「おー!」


 そんなわけで、俺たちは二手に分かれてダンジョン探索を始めるのだった。 

 そう言えばそろそろクリスマスですね。クリスマスにちなんで何かショートを書きたいところではありますが、ちょっと頑張ってみますかね。

 

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