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リーゲン

 お久しぶりです。どうもシファニーです。

 新人コンテストに向けて頑張っています。更新頻度が遅いのは、ご了承ください! 楽しみにしてくれている方、申し訳ありません!

 第百六十九部、第六章第八話『リーゲン』です。どうぞ!

「さて、リセリアルに着いたわけだが……カレラ、お疲れだな」

「い、いえ……なんの、これしき……」


 息を荒げたりしているわけではないが表情に疲れが現れているカレラを労っておく。何とかオレアスから最寄りのリセリアルの年に着いたのだが、その手続きになんと六時間も要したのだ。なんでも、サキュラの戦争の影響で移動が制限されているらしいのだ。オレアスではそんな話は聞かなかったが、リセリアルはサキュラに深く関わりでもあるのだろうか。

 そして、その手続きをカレラに任せきりにしてしまったので、カレラ一人に負担がかかってしまったのだ。俺たちは最悪、人でないとばれる可能性があるからな。結構本気で隠してもバレることがあるらしい。これはリル情報だが。


「あとで飯でも奢ってやるから許してくれよな」

「だ、大丈夫ですよ、本当に……あれ? リルさんたちは?」


 カレラは街の扉の横に置かれている監視所で手続きを終えて出てきて、今俺と合流したところなのだがこの場に俺以外誰もいない。まあ、それに対して疑問を抱くのは当然なんだがここで最初にリルの名前が出る辺り、やはりカレラはリルに対して何か思うところがあるようだ。


「あいつらならそこら辺で魔獣でも狩ってるんだろ。獣人も魔獣も、腹が減りやすいんじゃないか?」

「……そういえば、皆さん人ではないんでしたね。特徴的な耳や尻尾を隠しているので、忘れていました」


 俺の言葉を聞いたカレラはなんだか複雑な表情を浮かべて言った。


「さて、改めてだがこれからしばらくよろしくな。もしかしたらここでも冒険者として活動するかもしれない。その時は、また仲間としてよろしくな」

「ですね。お任せください」


 俺の言葉に、カレラは頼もしい笑みを返してくれた。

 そして俺とカレラがそんなやり取りをしている間に猫耳フードをかぶったかな、耳と尻尾を隠したルナとソルが帰って来た。リルはかなの影に隠れているようだ。


「おかえり。さあ、サキュラに行くぞ」

「やっとね」

「ん、行こ」

「ここは初めて故、多少は楽しみかの」

「お前ら、カレラに感謝しとけよ」


 なんて言いつつ門をくぐり、街に入る。そこはサキュラのオレアスに一番近い街、リーゲンと言う。なんでもかつては防衛都市とのことで、オレアスとの戦争を見越して建てられた城砦都市なのだと。ただ、完成する前にオレアスと不可侵条約を結んだので結局完成することなく、ただ少し外壁の厚い大都市になっているらしい。

 観光名所として有名で、冒険者もかなりの数いるらしい。そして、アリシアの情報だとこの街に黒らしき勇者がいるとのこと。


「まあ、まずは冒険者ギルドに行くとするか。挨拶ついでに黒が見つかったらいいけど、そんなに楽だとは思ってないよ」

「ん、黒見つける」

「妹さん、見つかるといいですね」


 右隣を歩くかなが小さく頷き、左となりを歩くカレラが励ましの言葉をかけてくれる。原初の七魔獣のお二人は俺たちの少し後ろを街並みを興味深そうに眺めながら付いてきていた。そのまま適当に街を散策し、二時間ほどかけて冒険者ギルドを見つけた。


「おお、これが。さすが、でかいな」

「はい、オレアス王都にある冒険者ギルドより大きいかもしれません」


 リセリアルは勇者の多く集まる国だ。どういうわけか、近年勇者が大量に現れているらしい。その影響もあってかここ十年で冒険者の数が急激に増加したらしいのだ。そのため冒険者ギルドはリセリアルにある施設の増設を図ったらしい。だからオレアスにあるそれより大きなものになったらしい。


 教会ほどの大きさがある冒険者ギルドの周りにはお粗末ながらも武装を付けた若者たちがたむろしている。ここで仲間と待ち合わせでもしているのだろうか。若干そいつらからの視線が向かってきていたが、俺は気にせず扉の前に立って、軽く開けた。


「たのもー!」

「たのもー」

「た、たのもーっ!」


 扉を開けて俺がそう言い、かなが平坦な声で復唱した後に、カレラも少し恥ずかしそうに流れで復唱した。そのせいかギルドにいた冒険者たちの視線が一気に俺たちに集まった。まあ、ここに初めて来た身だし、これくらいアピールして存在感をしてしておくのもいいだろう。

 なんて思っていたら、不意に懐かしい声が聞こえてきた。


「お兄ちゃん!?」


 聞こえてきたその声に、思わず驚きの声を上げてそちらを見た。


「え?」

「やっぱり!」


 視線の先で冒険者たちに囲まれながらも必死に腕を掲げて自己アピールする黒髪黒目の少女は、確かに黒江だった。

 はい、妹ちゃん登場です。妹ちゃんは司と同じく黒髪黒目、まじめな中学三年生ですが、その同顔のせいか若く見られがちです。活発で元気、司からは黒と呼ばれています。半ば育児放棄の親に代わって司に世話を焼いている可愛い妹です。司の影響を受けてか言動がかなりコミカルで、意外なボケをかましてきたりします。


 妹ちゃんのご紹介でした!


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