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衝撃

 お久しぶりです。一週間近く、更新できず、すみません。最近年のせいか、疲れが(16歳)


 第百六十五部、第六章第四話『衝撃』です。どうぞ!

「司様、ここが客間です。ルナ様もいますので、ごゆるりとお過ごしください」

「ああ、ありがとう。アリシアはどうするんだ?」

「私は……剣の稽古でもしてきます。最近は隣国が戦争中ということで催しごとも少なく、暇しているのです」

「隣国……サキュラか」

「はい」


 俺は今、ソルを先に客間の中に入らせ自分は扉の前でアリシアと立ち話をしていた。


「ご存じでなかったのですか?」

「いや、どっちかというと忘れてただな。俺の担当じゃなかったから」

「亜人国との戦争。長引いていますよね。我が国が派遣した使者たちから連絡がなく、情報が滞っているのですが、何かご存じですか?」

「え?」


 アリシアの言葉を受けて、思わず驚きの声を上げてしまう。アリシア今、なんつった?


 いや、戦争が長引いているって時点で、ん? とは思っていたがサキュラが敗戦したと発表してなければありえない話ではないと思っていたが……送った使者が帰って来てないってのは普通に問題だよな。

 人間の国同士でどんな制約とか条約があるかはわからないがサキュラが何かやらかしたのは確かだろうな。

 

 俺はサキュラがどんな国かは知らないが亜人国と隣接しているということで百年に一度くらいは外交問題のようなものが起きていたそうなのだ。それでも今回のような大きな戦争は歴史上前例はなく、ネルからちょろっと聞いたのは、ついに狂ったんですかね? という感想だった。

 そんなわけでかなり疑問が残る戦争だったわけだが……これはますます疑問が深まった。


 サキュラ、何かやらかそうとしているな。本来仲間であるはずの人間の国を敵に回してでも亜人国を潰したかったか、はたまたオレアスが亜人国と繋がっていると気付いて先手を打ったか。どちらにしても、放っておけることではないだろう。


 これから同盟国となるかもしれない、というか半ば確定で同盟国になるオレアスにはこのことを知らせておいたほうがよさそうだが……こっちはこっちでネルに確認を取ってからにしよう。今の俺には上司がいるからな。報連相ほうれんそうは大切なのだ。


「どうかしましたか?」

「ああ、いや。俺のとこにはまだ戦争が続いてるって情報すら入って来てなくてな、驚いただけだ」

「そうなのですか? ……ああでも、司様は外交官ですもんね。おかしいことはありませんか」

「まあ、そんなところだ。じゃあ、俺はルナに会って来るよ」

「はい。何かありましたら、訓練場のほうにいますのでお声がけください」

「わかった」


 何とか、誤魔化せたかな? アリシアは信用できるが、安易に色々喋るのはよくないだろう。

 そう考えた俺はアリシアを見送った後で客間へと踏み込んだ。


 中ではソファに丸まって寝ているかな。そのかなの横に座ってかなの頭を撫でるソル。そしてベッドの上で気持ちよさそうに寝ているルナがいた。


 ルナの銀髪は相変わらず特殊な輝き方をしており、昼間だというのに満月に照らされているようだ。背丈が小さく、童顔であることから子供に見えなくもないが、何千もの間生きている伝説の生き物、原初の七魔獣の一体である。

 今の俺の上司のネルと同じく神に仕える存在であり……俺が警備が薄くなっていたこの国を守ってくれとおいて行った奴だ。


 今考えれば殿上人のような存在に対して随分な扱いをしていたなとは思うが、ルナ自身人間の暮らしに興味があったようだし、問題はないだろう。


 しかし困った。こいつにネルへの伝言を頼もうと思ったのだが。そう思いながらルナの眠っているベッドへと近づく。

 

「あ、司。起こさないで上げなさい。その子、ずっと頑張ってたみたいよ?」

「え? どういうことだ?」


 横から突然ソルに声をかけられた。その声はいつもより数段ボリュームが小さかったが。どうやらルナを気遣ってのことらしい。

 ソルの発言が気になった俺はルナから離れ、ソルの座っているソファの裏へと回り込み、ソファの背もたれに腕を置いて体を預ける。

 それを見届けてからソルは視線をかなへと落とし、話し始める。


「なんでも、ここ数日外部からこの城だったり国だったりに侵入を試みる連中がいたらしくてね? 目立たないように極力力を押さえ、そして痕跡を残さないように対処していたらしいのよ。どこかの国の人間らしいけど、ネルと戦争してた国かしら。出来ればもう近場で戦争は起こってほしくないんだけど」

「そうなのか? ……というか、いつ聞いたんだ、それ」

「え? ああ、さっき念話で」

「おい、目瞑ってるだけで起きてんじゃねえか」


 少しイラッ、と来た俺は再びルナの下へと向かおうとして、ソルに止められた。


「寝てるわよ、ちゃんと。ただ、精神が活動中なだけ」

「……どういうことだ?」

「私たちは疲れ知らず、みたいに思われることがあるんだけど実は違くてね。肉体自体は活動を続ければどんどん消耗していく。そしてなぜかルナの肉体は消耗が私たちよりずっと早いのよ。そのせいか大食いなのよね」

「……そんな理由があったのか?」


 なんだろう。今日知った事実の中で一番衝撃かもしれない。

 なんだか最近、ギャグ要素多め? 長編って趣旨をブラさず書くの、難しいんですね。今まで数々の作品を生み出してきた数多の作者様に尊敬の念を送ります。

 

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