表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

163/352

王との謁見

 お久しぶりです、シファニーです。とりあえず更新です。


 第百六十三部、第六章第二話『王との謁見』です。どうぞ!

「話をつけてきたわ、さっそく行きましょう」

「本当に早速だなおい」


 かなと話ができるようになった喜びを共感していると隣でソルが突然出発を告げた。というか、ネルとソルは念話で繋がれているというがだったらもう直接ルナに繋いで交渉してもらうのうはどうだろうかと思ったが……。


 ソルがすごく楽しみそうに目を輝かせていた。


 …………。


「じゃあ、行くか。俺、ルナのところまで転移できるぞ」

「そう? じゃあお願いね」

「一応、ルナに行くことは伝えておいてくれ。目的地は人間のお城だからお前とかかなが急に行くと大騒ぎになるぞ」」

「もうしてあるわ!」

「……おう、じゃあ行くか」


 なんだろう、ソルは本当に楽しみにしているようだった。うん、言わないでおこう。


 交渉終わったらすぐ帰ってくるつもりだなんて。


「《テレポート》」


 俺はかなとソル、いまだ宿ったままのリルを連れてアリシアのいる城へと転移した。


「お待ちしておりましたよ、司」

「アリシア、出迎えてくれてありがとうな。でも、待つというより、急すぎて碌に準備もできなかっただろ。ごめんな」


 城の前に転移してすぐ、門番に止められそうになったところで城から金髪碧眼の美少女、アリシアが現れた。相変わらずその佇まいは高貴で可憐、若さの中の美しさを持つ彼女の姿は姫として相応しいものである。そんな彼女はこの国オレアスの王族、王女様である。以前ここを訪れた時は彼女と決闘なんてことになったりしたが、最終的にはそれなりの関係を築け、そしてリリアが属する国であるミレイヤとの交渉まで取り付けた。

 そしてこの国にルナを残し、俺たちはリリアの下へ帰ったわけだ。そこから始祖竜やら神やら色々いたが……急にきて迷惑じゃなかろうか。なんて小心者の俺は思ってしまうわけだ。

 

 そんなアイリスがお辞儀をしながら出迎えの言葉をかけてくれた。それに対して俺はひとまずの謝罪をしておく。俺からの謝罪にどれだけの価値があるかはわからないが。


「いえいえ、私たちはずっとあなたたちを迎える準備をしていましたので。父様と母様もお待ちしていますので、どうぞこちらへ」

「アリシア自ら案内とは、俺たちの境遇はどれだけ恵まれてるんだか。まあ、ついて行くさ。この二人もいいよな」

「はい、もちろんです。かな様も、そちらの魔獣様も、どうぞご一緒に」


 アリシアは小さくお辞儀をしてから背を向け、城の中に戻っていく。俺はそれについて行くように歩き出し、振り向いて二人に言う。


「ほら、行くぞ」

「わかってるわよ」

「ん、行ったら寝てもいい?」

「まあ、あの姫様ならダメとは言わないだろうさ」

「ん、行こ」


 そんなこんなでアリシアの後について俺たちは進んでいく。華やかな廊下を進み、すれ違う人たちにはビビられ、なんだかんだあって謁見の間とやらにたどり着いた。そういえば前回は結局こういう王様との謁見らしい謁見はしたことがなかったな。


「では、こちらで国王と妃、まあ父様と母様が待っています。こちらが持て成す側なので、どうぞお気楽に」

「いきなり来て持て成してくれるのは、君たち寛大過ぎだよね。あと、そういえばルナは?」

「ああ、ルナ様なら寝てます」

「おいあの野郎何やってんだ」


 ついさっきソルから連絡したはずだろう。それをアリシアたちに伝えてくれたのだろうから仕事はしてくれたんだろうけど、寝るな。迎えに来たんだぞ。


「まあいい、かな、ルナのところ行って一緒に寝てきていいぞ。たぶん、ここから先決して楽しくないから」

「ん、わかった……」

「あ、いいよな」

「あはは……大丈夫ですよ。その、ありがとうございます」


 たぶん大丈夫だと思うけど、念のため聞いてみるとアリシアはお礼を言ってきた。かなを見送ってやった後でアリシアに向き直る。


「えっと、どうして感謝?」

「いえ、こちらを気遣ってくれたのかと思いまして」

「……全然そんなつもりはないよ」


 俺がそう言いなおすと、アリシアは苦笑いを浮かべながら言った。


「そうですか。ではどうぞ」

「ああ。ソル、行くぞ」

「わかってるわよ」


 ソルに声をかけてから謁見の間の扉を開いて中に入る。するとそこには見覚えのあるおっさんとどこかアリシアに似た女の人がいた。俺の記憶が正しければこの二人が王様と女王様だ。まあ、俺的にはアリシアの印象が強すぎてほとんど覚えてないけどな。

 俺たちが来たことに気付いた二人は背筋をピンと伸ばして改まった。……いや、俺たち相手に気を遣うのは分かるし緊張しちゃうというか怖くなっちゃうのも仕方ないけどこっちは見た目子供二人だぞ。王様たち、しっかりしてくれ。


 謁見の間を進み、王様たちが腰かける王座の前まで行く。アリシアは俺たちの横を通り、王様たちの隣にある小さな、それでも豪華な椅子の前に立つ。たぶん、アリシア用の王座的な奴だ。

 そんなことを考えていると、王様が口を開いた。


「此度はよく来てくれた。我こそは――」


 たぶん自己紹介してるんだよな。でも、背筋がまっすぐ伸びすぎだしせめて座れよ。王様たちは胸張って座ってればいいと思うし、あと、俺たちまだ膝ついてないけどいいのだろうか。アニメやゲームだとそういうシチュエーションだと思うのだが、実際は違ったりするのだろうか。

 でも、確かにネルの前では立ったままだったな。ネルは座ってたけど。


「――というわけで、我々は歓迎するよ」

「ああ、ありがとうございます」

「気遣い感謝するわ。あと、前置きはいいから。私たちは交渉の件で来たけど、こちらから言いたいことはほとんどないから。全面的にあなたたちの要望を受け入れるつもりよ」


 なんだろう、急にでしゃばるのやめてもらっていいですか? ねえソル、君が面倒くさがりで端的で直感的に動く奴だってのは分かってるけど頼む、せめてまじめな話くらいしっかりさせろ。なんてったって国家間のやり取りだぞ。


「ソル、待て。お前もう喋るな」

「何よ。私の何がいけないのよ」

「ここいる間のお前今んとこ全部態度に難ありだ」


 俺が言ってやるとソルはむすっと頬を膨らませ不満そうな顔をしたが口を噤んでくれた。


 とりあえず、まともな会話を出来る状況にはできたな。

 五章は戦闘に力を入れようとして表現が下手になっていた気がする……? のでこれからはキャラを前面に出す感じで頑張りたいと思います、はい。


 ブックマーク登録、いいね、評価、感想等頂けると幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ