恐怖
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第百五十二部、第五章第十三話『恐怖』です。どうぞ!
司が堕天使と戦っているころ、堕天使の対となるような存在熾天使と争うものがいた。
「悪いわね、さっさと死んでもらうわよ」
金色の衣を持つ狐耳少女、ソルである。
種族:精神生命体・熾天使
名前:ラファエル:固有権能《不死性:自己回復における回復速度を上昇させる》
レベル:90
生命力:19820/19820 攻撃力:15028 防御力:12093 魔力:22019/22019
状態:正常
スキル:魔術・神聖Ⅹ、高速飛翔Ⅹ、自然治癒Ⅹ、魔力自動回復Ⅹ、物理攻撃耐性Ⅹ、魔法耐性Ⅹ、状態異常耐性Ⅹ、精神攻撃耐性Ⅹ、即死無効
権利:基本的生物権、自己防衛の権利、自己回復の権利、魔術使用の権利
ソルが自身の持つ解析鑑定で熾天使のステータスを確認する。確かに数値上は強そうだ、が。司が堕天使とほぼ互角、いや、翻弄しているのを確認しているソルは余裕の笑みを浮かべていた。いや、むしろ――
「と、言っても楽には殺さないけど」
――楽しそうな、笑みだった。
熾天使ラファエル。創造神ソトが生み出した最上位の天使だ。その再生能力はすさまじく、死ななければ無傷と言っても過言ではないほどの耐久力を誇る。しかし、それはあくまで身体的、物理的な場合だ。果たしてその耐久力は、精神面にまで影響を及ぼしているのだろうか。否、精神面は堕天使同様子どものそれと大差ないだ。
ソルからあふれ出る殺気に、おびえ切っていた。
頭にはわっかを乗せて、後ろからは二対の白鳥のように白い羽。幼い顔立ちと決して高くはない背丈。手に持つ薙刀だけが彼女が戦う者なのだと思わせた。しかし、今の姿を見ればそれすらも意味をなさなくなる。
尻もちをつき、顔を青ざめながらソルを見上げ、両手を後ろについて一歩ずつ後ずさる姿。その瞳はお化けでも見たような、悪魔でも見たような恐怖に染まっていた。
「あなたほど耐久力がある相手、そうそう会えないもの。ねえ、少しお姉さんの尻尾を触ってみない? ふわふわしていて気持ちいわよ」
優しい声でソルは熾天使にそう言った。熾天使は、首を小さく横に振った。それもそうだろう、ソルの尻尾は金陽が発動し、陽炎が起きているのだから。見ただけで熱いとわかるものを、自ら触ろうとする者がいるだろうか。そして、熾天使は回復力が凄まじい。いくら焼かれても焼かれても、端から修復するため終わりがない。拷問官もびっくりなあまりにも残酷すぎる生き地獄を実現できるのだ。
「冗談よ。あなたも理不尽に召喚されて理不尽に殺されたんじゃ報われないでしょう」
金陽を解き、優しく微笑みかけながらゆっくりと熾天使に近づくソル。それを見た熾天使は、わずかに希望を瞳に浮かべた。そして、小さく首を縦に振る。ソルはにこりと微笑み、そして――
――光すらも凌駕する速度で熾天使の胸を穿つ。
「だったら死んだと思う前に殺してあげるわ。これは慈悲よ。試験という殺されるための場に生まれた己を恨みなさい」
感情の起伏を感じない声で、ソルはそう告げてその場を去った。目元で小さく、何かが小さく音を立てて四散した。
そして、ソルが熾天使を倒したことにより試練は終わる。存在していたすべての天使が消え去り、天界は静まり返った。散り散りになっていた仲間たちは集まり、創造神ソトを待つ。そんな皆の下に、再び神は舞い降りた。
神々しい光が天界に漂うオレンジ色の魔力を割いて降り注ぐ。その光をたどるようにゆっくりと降りてきたその少年は神秘的な光をまとい、見る者を魅了するようだ。顔に浮かんだ笑みが魅惑的でみなも思わず言葉を失った。そして、鈴虫も口を噤むような美声でこう告げた。
「さぁてさてさて、それじゃあ第二ラウンドといこうじゃないか」
そして、神々しい光が上空へと引っ込んでいくのと同時に、少年自身も上空へと光速で帰っていった。彼が下りてきたのは、司たちの頭上約五十メートルほどまでだった。
「「「「「……」」」」」
沈黙が走る。そして、司が口を開いた。
「あいつ、ビビってるんじゃないか?」
その言葉に、皆が同意した。
あまりにも文章力がなさ過ぎて絶望。練りに練ってこれだから自分の無力さを痛感します。……頑張ります!
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