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神殿

 夏休み、深夜逆転、不調です。というわけで総合pv47000突破です。

 第百四十四部、第五章第五話『神殿』です。どうぞ!

 聖域。そうネルは呼んだ。確かにアニメなんかで出てくる神殿とは少し違うかもしれない。けれど、そういわれるとそうかもしれないと思うくらいには、ここの雰囲気は変わっていた。神聖な魔力、と言えばいいのだろうか。聖気に近い、でも少し違うような魔力が漂っている。

 俺は半分精霊の体なので大丈夫だが、魔獣や亜人である他のみんなは大丈夫なのかと心配になったがなんともなさそうだ。ソルとネル以外は物珍しそうにあたりを見渡したり、実際に触ってみたりしている。ソルとネルも、懐かしむように目を伏せていた。


 俺も改めてあたりを見渡す。それなりの敷地の中にいくつかの建物があったようだ。かなり崩れかかっていたりひび割れていたりするところがあるが、突然崩れてくるなんてことはないだろう。苔が生えていたリ蔦が絡まっていたリ、神殿が自然と融合しているようだ。

 そう、忘れ去られた神殿、という表現が正しいかもしれない。


(それで? どうやって神様に会うんだ?)

(ああ、そうだ。その神様って呼び方、創造神ソトって改めてもらえる? 一応、あの神はそう名乗っているから)

(ああ、わかった。それで創造神ソトにはどうやったら会えるんだ?)


 ソルに問う。


(まあ、もうすぐ扉が開かれるから待ちなさい。ネルのところに招待が行ったのならもうじき、ネルに天啓が下るんでしょうね)

(そういうものなのか。そういえば、ネルはさっきから祈ってるようだな)


 ふと見てみれば、目を伏せて両手を胸の前で合わせ祈りをささげるような姿勢を、ネルは取っていた。あれは神殿に挨拶でもしているのかと思っていたが、神に祈っていたんだな。


(ソルは創造神ソトをどんな人だと思う?)

(急な話ね。まあ、どんなと言われたら適当な神よ。人々が信仰している、いもしない神たちとか実際に新たに生まれた神のほうがよっぽど神っぽいわ。何なら、邪神のほうがやってることで言ったが神業と言えるわ)

(散々な言われようだなだな……)


 神に対する最大限の侮辱をしている気がする。仮にもこいつの生みの親だろうに、酷いことだ。と言ってもソルは思ったことをそのまま口に出すタイプだからな、嘘ではないのだろう。少なくとも感覚的なところで、ソルにとっては創造神ソトはそういうイメージなのだろう。


(あとは、そうね。楽しいことが好きな神、面白いことをしたがる神、自分の幸福のためなら相手の都合は考えない神、といったところかしら)

(なんだろう、それこそそいつが邪神なんじゃないか?)

(まあ、流石に理不尽に殺したり虐殺が好きな神ではないけれどね。いたずらの神、ってところかしら。あれでも命は大切にする神よ。それ以外は気にしないし、それこそ人生を狂わせるようなことならいくらでもするけどね)

(あ、例えば?)



 少しだけ気になって聞いてみると、ソルは思い出すのも嫌なのか顔をしかめて言った。


(そもそも私をこんな風にした時点で駄目よね。あらゆる五感が広範囲で高精度に働いたり、巨大すぎる力を与えたせいで数千年もの眠りにつかされるし。きっと、七つの大罪の一つである悪魔の大量発生も神のせいよ。あいつが世界の管理を怠ったせいで、とも最初は思ったけど考えてみればあえて放置したようにも思える。この世に起こった七つの大罪の全部はあいつの仕業だと、私は思っているわ。あとで確かめるつもりよ)

(そ、そうなのか……)


 本当に散々な言われようだが、仕方もないような気がする。ソルの予想は聞いてる限りだと当たらずとも遠からずな気がする。ネルもなんだかいい印象を抱いていない感じがしたし、全部というのは大げさでも半分くらいは本当っぽい気がする。


(ん? ああ、そろそろ見たいよ。ネルが動き始めたわ)

(え? あ、本当だ)


 ソルに言われてみてみれば、ネルは祈りの姿勢を解いて神殿へと歩き始めていた。そして神殿の入り口の前で立ち止まり、こちらに視線を向けた。この場のみんなは、ネルに注視していた。


(お声がかかった。向かおう、天界へと)


 もともとまじめなネルだと思う。だけれど、いつも以上に真剣な表情でそう告げて――

 俺たちが動き出したのを確認した後で、神殿へと入っていった。

 最近めまいが……何とか生きていきます。


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