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エルフとの夜

 今日は雪がすごくてすごかったです。え? 小説家として情けない語彙力だって? 私もそう思います。今日で定期テストも終わり、三連休に入るのでたくさん書きたいなって思います。そして今日は600PV越え。投稿を開始してから今日で十日目なんですけど、たくさんの人に読んでもらえました! ありがとうございます。

 第十二部、第一章第十一話『エルフとの夜』です。どうぞ!

 夜。この世界の夜空は澄んでいた。星空が綺麗だった。


「――――」


 リリアが何か声をかけてきた。ベランダに出て夜空を眺めていたのだがもう寝る時間だろうか。時計がなく、体内時計も信じられないので時間はわからない。だがまだ十時にもなっていないはずだ。

お風呂は木でできている湯船に温泉が張られていた。効能なんかはわからなかったがとても気持ちがよかった。晩御飯もまた野菜だけかと思っていたが、かなを見たからか肉が出た。かなはものすごい喜んでいた。

 俺も野菜だけの料理よりはずっと嬉しかったので満足だ。出来れば米やパンが欲しいが、欲を出すのは良くないよな。俺はあくまで奴隷。今のところいい待遇だがこれからどうなるかなどわからない。

 従順で素直な子でいなくては。


 リリアに手招きされたのでついて行く。階段を上り、二階に。物置部屋の隣だった。そこには大きめのベットが置かれており、ベットの上にかなが鎮座していた。服装は薄手のパジャマ。ワンピースタイプでひらひらしている。リリアが着せていたのでリリアのものだろう。かなの服がどこから来たかはわからないが他に服を持っている様子はなかったしな。


 大きく口を開いてあくびをする姿はとても可愛らしかった。そんな空間に、リリアは俺を押しては入る。ここが俺の寝室なのか? とも思ったが絶対に違う。そもそもかながいる時点で俺の部屋ではないだろうし、この部屋はかなり使い込まれている節がある。リリアが普段使っている寝室だろう。そんなところに俺はどうして招かれたのだろうか。


(主様、こんばんは)

(ん、疲れは取れたか?)

(元気。お風呂って気持ちいいね)

(だろ? 風呂嫌いの猫はもったいないと思うんだよ)


 そんなたわいのない会話を交わしつつ、ベットに腰掛ける。


――――(待ってて)


 リリアはそれだけ言って出て行ってしまった。これから何が始まるのだろうか。まあ、何をされるにしても俺に抵抗手段はないんだ。なるようになれだ。


(そういえば、かなはどうやって森に来たんだ?)

(えっとねぇ、目が覚めたら森の中だった)

(そうなのか?)


 結局ここまでゆっくり話しては来なかった。かながどうやってここに来たのか問題。有益な情報があれば現状の確認ができるかもと思ったが、あまり期待はできなそうだ。


(目が覚めたら森にいた。知らない臭いばっかりでびっくりしたけど、それより体が変な感じだったの。手とか足を見てみると人間の体だったからもっとびっくりした)


 まあ、自分の体が変わっていれば驚くよな。そう考えると俺よりも不運だったのかもしれない。


(それに、なんだか知らない力も感じた)

(精霊のことか?)

(うん。でも、使い方はわかったの。自分に何ができて、どうやるのかがなんとなく。だから、それを使って頑張った)

(ん? 何を?)

(頑張って知ってる臭いを探したの。最初は迷子だと思ってたから。でも世界? が違うからもう戻れないんでしょ? だから無理だった)

(なるほど)


 それは猫の本能からきてるんだな。自分のテリトリーに戻ろうとしてたわけだ。


(それでも歩き回って、そして主様を見つけた)

(それであの再会に至るってことか。じゃあ、魔法とかが使えたのは?)

(爪を出したりしまったりするみたいに、意識しなくても出来ちゃうの。これができるからやろうってすぐに)


 これもまた本能に近いものだろうか。野生に近い感性を持つかなが自分の能力を勘で当てても不思議ではない。だが、それはずる過ぎるのでは? いや、そもそも俺に魔法を使う力などないのだが。


(でも、やっぱり主様に会えてよかった。一人じゃ不安だった)

(元野良猫でもか?)

(最近は人と一緒にいることが多かったから。それに、知らない場所は怖いの)

(まあ、それは人も一緒だな。俺も知り合いと会えてうれしいかったよ)

(よかった)


 かなは満足そうな顔だ。その笑顔があるのも、俺と出会えたからだって言ってくれるのなら、それ以上に嬉しいことはない。

 制約・隷属を結ばせて入るが、これだって一緒に話す手段であり、命令権を使ったりするつもりは基本的にはない。この危険な世界で独りぼっちじゃなくてよかった。そう思えるのだから、俺はまだ幸せなのだろう。


 ……どうしても頭の中を巡るのは黒江のこと。俺やかながこの世界に来てしまっている。つまり、俺がいた周辺で異変が起きてるってことだ。俺の家からかながいた学校までは数百メートル空いているので、最低でも半径数百メートル単位での異変ということになる。

 黒江やその他の人が被害にあっていてもおかしくはない。絶対、無事でいてくれよ。どっちの世界にいても、幸せになってほしいと願う。


 まあ、そんなことをしても意味がないのはわかっている。この世界に来ているか、もしくは元の世界に戻る方法を見つけるか。どんな方法であれ必ずまた会いに行くからな、黒江。


(主様、かなたちはこれからどうなるの?)

(俺にもわからない。でも、しばらくはここで暮らすことになる。俺の主のリリア様次第だな。まあ、リリアは強いからそこまで危険な目には合わないはずだ。無駄に怖がる必要はないぞ)

(うん。リリア優しいし)

(そういう意味じゃなかったんだが……)


 まあ、なんだっていいか。かなが信用できているのなら問題はない。それにいざというときに戦えるだけの力がかなにはあるだろうからな。それに比べて俺は、と考えると虚しくなるな。やめておこう。

 

 で、結局俺たちはどうしてここに連れてこられたんだ? 本人が帰ってくるまではわからないのだが。寝室に連れてこられた時点で俺性奴隷を提唱したのだがかながいるから違うだろう。リリアが同性と異性に挟まれる3Pが好きな変態でない限り。多分あり得ない。そのはずだ。


 そんなことを考えていたら、廊下のほうから足音がしてきた。どうやらリリアが戻ってきたようだ。


「な!?」


 その格好は先ほどまでの洋服ではなく、かなとお揃いのものだった。だが、その巨乳が着ると胸の分が膨らんで、その大きさがくっきりと分かるというか。あれでまだ、着やせしてたとかマジ? 正直に言って俺みたいな童貞にはモンスター並みの恐怖なのだが。耐えられるだろうか、俺の理性……。

 しかし、パジャマに着替えたということは寝るということだよな?


 なんとなく想像できます。一緒に寝るってことですね。


―――――(ねるー)


 やっぱり。


 なんとなくリリアの思考が読めてきたぞ。行動や顔に出やすいタイプで助かった。そうでなかったら基本的に相手の意図がわからない。あとはリリアが度々命令を使ってくれるのも大きいな。どんなことをしてほしいってだけでも伝わってくればそこから色々と想像できる。最初は正直ハードモードすぎると思ったが、そこまで難しくはないかもしれない。それに今はかなという話し相手もいるし、そこまでひどい状況ではないのかもしれない。


 そしてリリアだが、俺とかなを両脇に抱えたベットにダイブしてきた。さらにその顔をにへらと緩めて俺にほおずりしてきた。あの、何とは言わないけど当たってるんです。その柔らかくて大きいものが……。むにゅと潰れて……。


(かなもー)


 今、不吉な声が頭に響いてきた。視界の端でリリアを超えてくる黒い影。それはリリアとは反対の俺の隣に来ると、抱き着いてきた。


むぎゅう


 かなの体はとても柔らかく、それに頭の毛がもふもふで気持ちがいい。俺の首に手を回して抱き着いてきたかなは俺の背中にほおずりをしてくる。


 あの、お二人とも、俺にすりすりしてもいいことないよ。それと、女の子の匂いってやつだろうか。甘いような香りに包まれていて変な感じになってくる。持つかな、俺の理性。まあ、精神強化Ⅴがあるから大丈夫だろ、多分。


 ふと、寝息のようなものが聞こえた。声は聞こえずとも、呼吸の音は聞こえるのだ。そんな寝息だが、両脇から聞こえてくるのだ。


「ま、まさか……」


 二人とも、本当に寝ていた。おいおい、嘘だろ? 俺にこの左右から挟まれた状態で寝ろと? ……ちょっと無理。

 この作品ではいかがわしい行為はできるだけしないことにしています。なぜかって? 私が少し苦手だからです()

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