一時の休息 【月夜譚No.160】
洗濯物の白色が、風に揺れている。それを見るともなしに眺めながら、彼女はぼんやりとしていた。
穏やかな昼下がり。冷たさを含みつつある秋風に、燦々と陽が降り注ぐ窓辺が心地良い。
毎年のことだが、夏が終わった途端、急にどこか淋しさを覚える。あれやこれやと騒がしい子ども達の夏休みが終わって新学期が始まり、気が抜けてしまうのも、要因の一端だろう。
これから年末に向けてまた色々と忙しくなるのだろうが、まあ、秋の一時くらいはゆっくりとしてもバチは当たらないだろう。
そういえば、夏休みの旅行で買ってきた土産のクッキーがまだ残っていたはずだ。後で紅茶でも淹れて、のんびりティータイムを楽しもうか。
脳裏でそんなことを考えている内に、少しずつ瞼が重たくなってくる。今日はまだ家事が残っているのだが、頭に靄がかかって、それ以上はもう思考が回らなかった。
抗い難い睡魔に負けた彼女は、少しだけと言い訳を呟いて、温かな気持ちで昼寝の体勢に入った。