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7話 剣技vs剣技

7話 剣技vs剣技


「へぇ、やっぱり橘さんは二刀流なんだ」


「もちもん、そういうあなたはやはりその物干し竿を使うんですね」


「私の体ではまだ十二分に扱うことができなくてな、やはりスキルの《剣術》は佐々木小次郎頼りになっちゃうから、これがしっくりくるんだ」


「では…」


橘がそう言った瞬間、周りの空気が変わったかのように静まり返り、橘さんもアルフォートさんも隙がなく構えていた。


静寂の中で二人の剣士が構える姿を一言で表すならとても美しいと思った。


(アルフォート・シオン視点)


橘さんは私の間合いに踏み込み、縦に剣を振るう。

まずは力で私に勝ってみろという宣戦布告、負けるわけにはいかない。


「はぁっ」


それに呼応するかのように私も鍔迫り合いをするように剣を合わせる。

やはり、力の上では相手の方は1段上か


「くっ…」


私はそのまま2メートルほど後ろに飛ばされ、その隙を橘さんが見逃すはずもなく、直ぐに速攻を仕掛ける。


やはり、二刀流となると、手数が多すぎて受け切ることが出来ない


「はぁっ!」


右、上、左、下と全方向から同時に攻撃を受けるような体勢なってしまう。


「これでどうだ、《燕返し》」


「やっとか、待ってたよその攻撃を、二天一流【水之巻】」


その技は燕返しを完全に途中で阻止し、さらに横薙ぎに剣を振るってきた


「まさか、ここまでとは」


「これで終わりだ!」


「そうもいかないよ」


そう言うと、剣の柄の部分で相手の剣を止める。


「そんな面白いことまでできるんですね」


「そうだな、これでも佐々木小次郎だからな」


短い会話をして、直ぐにお互い距離を取る。


「【風之巻】」


そうして、橘さんは飛び込んでくるが、先程の二天一流とは全く流派が剣を使っていた。


「どう、これ面白いでしょ」


そうして楽しそうに笑うと他流の剣術をなんでもなさそうに振るってくるが、それに対応できない私でもない


「そうですね、他の流派か?」


「そう、当たり、でもやっぱり他流の剣術にすら反応することの出来るなんてさすが」


「これでもいっぱいいっぱいだな、それはあなたも同じでは?」


「やっぱり読まれてたか」


橘さんはそうして、その長い攻撃を止めて距離を取った


「その技は他流の剣術ということ、つまりなれない技を使うことですよね?なら体力が減らないわけがない」


「あたり、でも初見でこれを破るなんてさすがだね」


「剣を志す者なら当たり前ですよ」


「今度はこちらから行きますよ」


そうして橘さんの方に駆け出すと待ち構えていたかのように、左右から同時に攻撃をしてくる


「躱せるか?」


「もちろん」


そう言うと、左右の剣を見て、まず右の剣を横薙ぎに払い、左の剣を鍔迫り合いに持ち込む、なぜなら力が弱いから。


「はぁっ!」


一気に力勝負になると、二刀流で、しかも左の剣の橘をすぐに弾き飛ばす


「まだまだですよ」


そして、二刀流は守りに弱い1度漬け込んだらこちらの勝ち

そう思い、さらに追い打ちをかけるように走る


「この連撃あなたには防げないでしょう、【捌之剣 八岐大蛇】はちのけんやまたのおろち


八方向から容赦なく連撃が襲いかかる


「早いっ…捌ききれない」


「これで終わりです【漆之剣 雷鳴】(ななのけん らいめい)


その技は見ることすら出来ない速さで剣を振り抜くはずが、止まってしまっていた


「ふっ凄まじくはやい剣であるな」


「なっ…雷鳴が止められた」


そのことに関して驚きを隠すことは出来なかった、なぜなら今まで雷鳴がとめられたことは無く、破られたこともなかったからだ


「まさか、憑依状態?」


明らかに橘さんの雰囲気は変わっており、喋り方も変わっていて、さらに剣の力強さが段違いだったためそう予測した


「そのまさかだ」


「憑依状態なんて2年生でさえ、Sランクがかろうじて全員できるという能力なのに」


「まあ、この小娘との初の憑依だからの、時間はかなり制限されているが」


憑依状態になった、橘さんに万が一でも勝てるはずがない、剣術のレベルが違いすぎるのに


「おっともう、時間か、また手合わせしよう、佐々木の小娘よ」


「橘さん、あなた…」


「まさか憑依状態が既にできるなんて、私も驚いてしまったよ」


「でもここからはもういないし、私も疲れたこの1つの打ち合いで終わらせてもらうよ」


「ええ、私もその方がいいと思っていた」


静かに構える


「【漆之剣 雷鳴】」


「【二天一流 水之巻】」


橘さんと打ち合い、交錯する。


「チャリン…」


金属の甲高い音が響き続けてドサッという音も同時に鳴る


「勝者、アルフォート・シオン」


アルデラミンがそう言うとその勝負は終わった

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