6話 練習?
6話 練習?
「じゃあ行こうか」
カフがそう言うと、練習場に歩き出すまでにクラスでもある程度集団ができてきたのか、女子は2グループ男子は1グループできていた
「ねね、リーフェルはSランクの誰が好み?」
「やめなさいベガ失礼ですよ?」
「平気ですよスピカさん、そうですね、やはり夏目春弥くんとアルデラミン・カフくんは学年を通して顔立ちがいいですよね、あの二人は別格なのでは?」
「そうだね、やっぱりあの二人か」
「ですが、中身も大事ですよ?」
「スピカ姉は?」
「えっ?わ、わたし?私は…」
予想していなかったのか、突然質問され顔を顔を紅潮させ、下を向いてしまう
「あれれ?一目惚れ?」
茶化すようにそう言う
「………」
モジモジしながらさらに縮こまってしまう
「ベガさんやめましょう」
そう言うと、仕方ないというふうにやめる妹と助かったと言うふうに思う姉がいた
一方その頃、もう一個の女子グループでは
「へぇ…橘さんの偉人って宮本武蔵だったんですか」
「そう、だから二つ名は『剣豪』そういう、アルフォートさんは?」
シオンはニヤッと笑うと
「私は佐々木小次郎だ」
「へぇ、巌流島行こうか?」
ニコッと笑うとそう言う
「行こうか、秋津さんの偉人は?」
「私はまだ秘密です」
「でも魔法特化でしょ?」
「そうですね、ですが、魔法特化でもない夏目くんに負けたのが悔しいです」
苦笑いしながらそう答える
「まあ、彼はおそらくとてつもなく強いよ」
「アルフォートさんなぜわかるんですか?」
「うーん、なんて言うかね、彼は相手が次にどう行動するかわかってるような動きをするんだ」
「《未来視》か?」
「分からないな」
「そうですか」
「まあいつか倒せるよ」
アルフォートがそう言って励ましていた
女子はそれぞれ対照的な会話をしていた
男子はというと
「なぁ…春夜教えてくれよ〜」
「しつこい、けど、なんでそんなに知りたいんだよ」
「知らないのか?」
「何をだ?」
「まあ、知らなくていいよ」
「なんだよ、それはそれで気になるな」
「それじゃあ、こういうのはどうだ?これから練習場に行くんだし、負けたほうが勝った方になんでも1つ情報を教えるっていうのは」
「いいぜその言葉忘れるなよ?」
「はぁ、2人とも何してるんだい…」
「「勝負の約束」」
「ボレアリスもなんか言ってやってくれ」
「俺はアルデラミンとやりたいな」
「そっちか…」
「やらないか?」
「いいぞ?」
「よしそれじゃあ、成立だな」
「さて、着いたな」
各々のグループがそんな話をしているうちに大きな円形状の練習場が目の前にあった、そしてまさかこんなは早い時間から使っている生徒がいる訳もなく、すんなりと貸し切ることが出来た
「じゃあ、早速やろうか、春弥くん?」
「そう急かすなよ…」
「あの二人が早速やるのか」
これは橘さんで、他の全員も興味ありげにこっちを見ている
「剣はこれでいいか…」
練習場に置いてある剣の中からオーソドックスな長剣を選ぶ
「じゃあ、行くぞ」
そう言って前に駆け出すと、《未来視》を発動する。
「風よ-疾風となりて-打ち放て」
風が来るのは《未来視》により分かっていたため壁で防ぐ
「壁よ-我を守り給へ」
「風よ-疾風となりて-吹き荒れろ」
「お前も中級魔法使えたのか…」
「もちろん、さてどうする?当たったらひとたまりもないよ?」
ニコニコしながら言ってくる
「剣よ-我を守りし猛剣となれ」
剣に風属性を付与し、その剣で暴風となった風を切りつける
「それは聞いてないなぁ…」
苦笑いしながら頭を搔く
「魔法付与って凄いよな」
「そうだね、それなら、炎よ-殲滅せよ」
そう言うと、春夜から半径10メートルに20個程度火の玉が浮かびこちらに向かってくる
「ごめんね、僕どちらかと言うと魔力センスの方に長けてるんだ」
「クソがっ…」
いいながらも《未来視》によって全方向わかるので、ある程度の数の火の玉を切るが、残った7個を直接体に受けてしまった
「もう春弥の負けはほぼ確実だぞ?7箇所に火傷をおってるんだから」
「実はな、俺も魔力制御得意なんだ」
そう言った瞬間、用意してあった魔法により、後ろから猛烈に強い風が吹き、春弥の背中を押すと、そのままカウストのところまで走る。
風のためにカウストは咄嗟に呪文を詠唱することは叶わず、首に剣を突きつける。
「これでチェックメイトだ」
「それでチェックメイトのつもりか?」
言った瞬間カウストの半径1メートル以内が爆発した、おそらくこれでお互いに限定効果魔法はもうない。
「魔術師が自分の近くに仕掛けないわけがないじゃないか、近接戦闘なんて出来ないのに」
咄嗟に避けたおかげで、軽傷で済んだが、さっきの傷と合わせるとかなり多くの傷になってしまっていた。
「かなり要心深いなお前」
「もちろん、魔術師において必要な要素だよ、さて、これで形勢逆転かな?」
悪趣味な笑みで笑いかける
「じゃあ、これで最後だ、この一撃を防がれたら負けでいい」
「わかった、どうせ魔法だろ?」
「雷鳴よ-轟け」
雷の中位魔法【ライトニング】詠唱のすばやさと魔法の効果の速さが他の魔法に比べて格段に早い魔法を放つ、そして俺は1度も雷属性の魔法を使っていない。
つまり、予測も何も出来なかった相手は…
「壁よ-我…」
何も出来ずに終わる
「ふぅ…ギリギリ勝てたな」
そう言って、倒れて、気絶しているカウストの方を見ると、次にシリウスの方を見る
「しょ、勝者、夏目春夜」
呆然としていたのかそんな感じになってしまっていた。
「いたたた…」
安心仕切ると身体中が傷んでしまい、そう声を上げてしまう。
「あっ、春弥くん、私回復魔法使えるから、治してもいい?」
そう言ってこちらに来るのはスピカで、どうやら回復魔法が使えるようだ。
「よくこんな傷で戦えましたね」
「いやまあ、かかってたものがものだしな」
「無理しちゃダメですよ?」
首を傾げるのだが、その姿に一瞬見とれてしまった
「………ありがと」
どうやら回復しきったようで、身体中の火傷が治っていた。
「スピカの回復魔法はすごいな、早いし強いし」
「そんなことないよ」
苦笑いしながら手を振る
「おまえらなぁ…」
何故だか後ろでシリウスが頭を抱えている
「それにしてもすごい魔法勝負でしたね」
これはリーフェルさん
「ああ、見ているこっちまでヒヤヒヤしたよ」
橘さんはそう返す
後ろでそんなことを話しているうちにカウストが立ち上がる
「ったたた、お前雷属性まで使えたのかよ」
その言葉に促されるように立ち上がる
「ありがとうスピカ。まあな、自然現象系の三属性が使えるんだよ」
「ああ、そういうことか、確かに魔法は偉人に依存するからな、もうお前の偉人全員わかったんじゃないか?」
「「「「「「「「もちろん」」」」」」」」
全員が全員わかるように言う
「ラプラスだろ?」
「そうだよ、どうせバレるしな、隠しててもしょうがないが、そういう、お前はなんなんだ?」
「俺はパラケルススだよ」
「てことはお前全属性使えるんじゃないか?」
「まあそうだが」
「パラケルススなら、あれだけの魔力量、魔法力は納得だな。スピカはなんで俺がラプラスだって分かったんだ?」
「やっぱり《未来視》ですかね、あんだけ未来が見えてるような行動取られたらそりゃ、それと最後の確信は自然現象系の三属性でもう確信でしたね」
「やっぱり、そうか」
「さてさて、私達もやる?」
橘はそう言ってアルフォートの手を引く
「さすがにあそこまでの魔法勝負を見せつけられたらあまり気は進みませんが、あなたとはやりたいと思っていたので、ぜひ承けさせていただきます」