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2話 入学試験

2話 入学試験


「ここが入学試験場か」


目の前には国内最大である国立の学園がそびえ立っていた、建物は西洋風の城のようになっており、壁は白くとても威厳のかんじとれる建物だった


「入学受験者はここに集まってください、いまから教室を割り振ります」


音魔法をつかう男の人がそう言って、1箇所に集めるとテキパキと部屋に入れていく


「君、と向こうの彼女はちょっとそこで待ってて」


「あ、はい」

「分かりました」


なんで呼び止められたんだろう…


「君はなんで呼び止められたかわかる?」


そう言って同じ呼び止められた人に声をかける、その子は黒髪のロングで、瞳は透明感のある蒼をした少女だった


「わからないですね」


表情を崩さずに淡々とそう言う


「そっか、いきなり聞いてごめんね、同じ学園に入るかもしれないんだし、自己紹介しようか、俺は夏目春夜」


笑顔を作りながらそう言う


「その確率はかなり低いですが、まあ名前くらいなら、私は秋月 律です」


こっちを向いて、そういうとまた前を向いた、偉人の話をこのような公の場でするのは御法度である、最強の偉人例えばS級以上の偉人である場合は学園に入ると公に知られることとなるが、それ以下の場合は能力によっては有用と判断され外国の誘拐にあったりされるため、このような場所で自分の偉人の話をするのは御法度となっている。


そんなことを考えながら10分程度待っていると


「では、夏目 春夜、秋月 律の両名はここの部屋に入って試験を受けるように」


その教室にはざっと見る限り30席程度あり、そのうち10席が埋まっていた、空いている席の中で適当な席に座る。


そうして新たな監督官が来る、とても体が大きく、黒髪で日頃から鍛えているのがわかるような筋肉の付き方をした試験官だった。


「ではこれから学園都市の入学試験を始める」


そう言うと紙が配られるのでどうやら筆記試験のようだ


国語、数学、物理、化学、歴史


という順番にテスト問題は並んでおり、どれも簡単なものばかりではあったが、数学の最後の問題、それだけは異様に難し作られていた、積分の知識も使いながら、図形の知識も必要であり、この時間では終わらないような問題だ。


「《並行思考》」


小声でそうつぶやくと、素早い計算速度でその問題を仕上げていくと、終わった。


「終了だ」


監督の先生はそういうと後ろから前に問題用紙を流していくが、後ろの生徒の問題と違う問題が一つだけあったのを見た。後ろの生徒の問題には古代文字で書かれた難解で複雑な文章の読解問題があった。


そしてなんと、その場で監督の先生は採点していく、しかも1箇所のみを見て、それは各自違っていたが、明らかに難解な問題を採点しているのは明白だった。


そうして全員静かに10分ほど待っていると


「よし次はステータスの確認だ、全員ステータスを見せろ」


ステータスというのは他人の見られている状況下では、自分の名前、年齢、性別、偉人のみ見ることが出来る。


全員がステータスを開くとメモをすることなく、確認するように全員を見て回った。


「それじゃあ次の試験に行くぞ」


「「「「えっ!?」」」」


全員が驚きそう声を上げた


「全員一次試験合格ですか?」


そう声を上げたのはさっきの律という少女だった。


「そうだ」


監督官はそれだけ言うと全員に立ち上がるように指示した、そして別の教室に連れていかれた。


「次の試験は剣術もしくは魔術の試験をさせてもらう、全員どちらか選ぶように、ただしちゃんと適正に合わせて選ぶようじゃないと怪我をするからな、選んだものから、右の魔術の部屋、左の剣術の部屋に入るように」


それだけ言い残すと監督官は左の部屋に入って行った。


皆呆然と立ち尽くし、なかなか動き出すものはいなかった。


一番最初に動き出したのは律だった


「律は魔法と剣どっちが得意なんだ?」


歩き出す彼女の背中にそう問いかける


「もちろん魔法」


振り向きもせず、そう言うと中に入っていった


「じゃあ俺もやるか、待ってるからな」


後ろの10人の生徒にそう言って、俺は剣の部屋へ歩きだす


「君も行くのかい?」


茶髪の髪の少年が問いかけてきた


「もちろん、じゃないと始まらないじゃないか」


クスッと笑いながら、少し振り向いてそう言うと剣術の部屋に手をかける


「さて何が待ってるかな?」


そう言ってドアノブを回して部屋に入ると、周りが魔力障壁になっている部屋に剣を持ったさっきの試験官が待っていた


「よう、じゃあ、そこにある剣置き場から一つ剣を取り出してくれ、そして俺と戦って合格点もしくは、倒せた場合はおれの後ろにある扉から出れて晴れて三次試験に行けるってわけよ」


試験官はそう言いながら後ろを指で指した


後ろを見るとたしかに大きな扉がある、その扉を抜けると三次試験に行けるようだ


「わかりました、絶対勝ちたいので全力で行かせていただきますね?」


「そうしねえと、勝てないし、万が一にも死ぬからな」


そう真剣な表情で言うと、こっちに来るように挑発される


「《未来視》《並行思考》…ではいくぞ」


スキルを重ね掛けしてそう言うと試験官に飛び込むと剣を横薙ぎに払うと、《未来視》によって、相手が、横に飛ぶのを見ることができた。


「速さはだいたい5、6000ってとこか、それじゃ当たらねえよ」


そう言って素早く躱すと、《未来視》によって、その行動を予測していたのでさらに剣を横に振って畳み掛けるが、それも予想していたのか、なかなか当てることができない。

一旦距離を離す。


「次はこっちから攻めさせて貰うぜ」


そう言って、ちょうど態勢を崩した俺の方に向けて剣を振るう


「くっ……」


縦に振るってきた剣をなんとか躱しながら、《未来視》で相手の行動を見ながら《並行思考》で、次の手を考える、これで倒せると思っていたのか、甘い隙ができているのを俺は見逃さなかった

《並行思考》により躱してすぐに行動できたため、その隙をつくように突きを放った、普通ではかわせない攻撃に安堵を浮かべてしまうが、相手に目で見えないくらいの剣戟が与えられそうになり、ダメかと思う。


「こんなもんか」


そう言うと試験官は剣を首に当たるギリギリで止める。


「合格ですか?」


ニコッと笑いながらそう言う


「まあ、偉人も悪くないし、スキルもいいもん持ってるし、それを戦闘中に活用できてるからな、次が待ってんだ、さっさと行け」


そう言いながら後ろを指す


「はーい」


言いながら、後ろを目指して歩き、ドアを開けるとそこは都市国家の、学園の運動場だった。そこは、100m×100mの広さを誇っているようだった。


「おいおい、まじかよ…」


まさかあの試験会場と都市国家が繋がっているとは思わず絶句してしまった。

これは明らかに能力者がやったことだが、能力が強すぎる、そう思ってしまった。


呆然としていると、他の国の試験会場とも繋がっているのか、隣にも同じようなドアが複数あり、そこから二次試験を通過したらしき者たちがいた。そうしてこの光景を見た人はほとんど呆然と立ち尽くしていた。


「あれ?律さんじゃない?」


「ああ、あなたも受かったんですか」


若干嫌そうな顔をされながらも一応は褒めるようにそう言われる


「これからどうすればいいのかな?」


苦笑いしながらそう言うと


「だから、分かりませんよ?」


苛立ちを露にするように少し語彙を強めて言われる。


「ごめんね」


それを受け流すようにそういうと会話は終わった。

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