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16話 陰と陽

16話 陰と陽


-7:00 S3-


「春夜さん起きてください!」


スピカは昨日貰った鍵で家に入ると春夜の肩を揺らして起こそうとしていた。


「起きます…眠い…」


そう言いながらも、いつもなら絶対に起きないような時間に起こされ少しイライラしていた。


「じゃあ今から朝ごはん作るので、着替えと支度してください」


スピカはそう言って制服の上にエプロンを着るとキッチンの方へ行った。

春夜は朝弱く頭が回らず、イライラしていたのもありスピカにイタズラをしようと思いついた。


「ス…ピ…カ?」


そう言って料理している後ろからスピカの腰に手を回して抱きしめる


「はっ春夜さん!?ダメです、手元狂っちゃいます」


スピカはちょうどオムレツを作っていたところでフライパンに卵を注ぎ切ったところだった


「少しくらいいいじゃん、もう付き合ってるんだし」


「そ、そうですけどそれとこれとは…」


顔を赤くしながらもそう反応する


そしてそのまま少し抱きしめて少しすると春夜はようやく寝ぼけから目覚めた。


「ご、ごめん戻ってる…」


「は、はい」


2人ともぎこちなく返事をした


(俺何やってんだよ朝から、しかも料理中にやっちゃダメだろ!危ないし、でもスピカの可愛い顔を見れたしプラスマイナスゼロだな)


そんなことを思いながら制服に着替えて支度し終わった。


「春夜さん出来ましたよ」


(なんか違うんだよなぁ…)


「呼び捨てで呼んでみて?」


「は、春夜…」


「そっちの方が恋人感でてるからそっちで呼んでよ、あと敬語もなし」


「わ、わかり…わかった春夜」


「なんか新婚ぽいね」


思いついたことを言ってみただけなのだか言っている自分ですら恥ずかしくなり顔を赤くしてしまう


「そう…だね、さ、食べよ!」


スピカも顔を赤くしながらもそう言って誤魔化す。


そんな穏やかな朝を送っていたのとは対称的に校門に着くとあちらこちらから視線が送られてきた


「号外みたか?」「奴が例の…」「まじかよ、3年だぞ?」「でも何人も見た奴がいるって言うし」


あちらこちらからこちらに視線送りながら話しているのがわかった


「これ、ですね」


スピカは生徒手帳を取り出しニュースを選択し、学園・学外のところを学園を選択し学園内の注目のニュース一覧を見ると1番上には『陰と陽 3年最強2人を倒した1年とは!?』という記事が1番上に上がっていた


記事の内容をまとめると1年Sランク1位のアルデラミン・シリウスが3年最強のクソ・ザッコーを1年Sランク3位の夏目春夜は3年2位の『鉄の処女』を倒したという記事だった。そして驚くべきことに学園の会議では夏目春夜を1年Sランク2位に格上げし、夏目春夜、アルデラミン・シリウスを学園ランキングの23位と17位に位置づけるということになった。この学園ランキングとは学年に関係なく強い順に並べたものを言う、ちなみに毎年1年生は二学期からの参戦となっている。


そして『1年Sランクの恋愛!?』という記事は上から8番目の人気を博していた。


「これはみんなこっちを見るわ…」


ため息をつきながらそう言う


「そうですね、さっさと教室行きましょう」


スピカも疲れたようにそう言うと俺達は足早に教室へ向かっていった



「おっ、春夜朝から大変だなぁ」


教室に入り1番に声を掛けてきたのはカウストだった。


「そうだな、しかもまさか入学2日目にして学園ランキングに載るとは思わないよ」


「はは、そりゃそうだ、そのせいでシリウスもそこで突っ伏してるよ」


カウストは笑いながらシリウスを指さすと本当に机に突っ伏していた。俺たちの声に気づいたのかシリウスは顔を上げると元気のないような声でこちらに声をかけた


「ああ、春夜か、お互い大変だな」


「まさかお前も同時刻に倒してるなんて思わなかったよ」


「しかも2人とも逆転勝利ときたもんだ、そりゃあ三権の方々は放っておかないでしょうね」


カウストはこちらを見て笑いながらそう言ってくる


「「あとでぶち殺す」」


2人が初めて協力して倒そうと思った人物であった。


「それにしてもシリウス、授業どうする…」


不安そうな顔をしてシリウスにそう聞く


「俺もそれを迷ってたんだ、憑依の授業だけ受けて帰ろうかと」


いつも真面目なシリウスがそんなことを言うのがおかしいのか後ろでカウストはさらに笑いころげていた


「俺もそうしようかな」


そういうとホームルームの鐘が鳴り、担任が入ってきた。


「ようお前ら、早速二日目にしてやらかした2人がいるそうだな」


先生は教壇に立ち俺とシリウスを見ると笑いを必死に抑えるような顔でそういった。


「まあ、そのまま精進してくれ…ぷぷ…」


最後は少し吹き出してしまっていたが…


「そういえば先生のランキングは何位なんですか?」


俺は少しでも対抗しようと先生にそう聞く


「ああ、俺は32位だ、公式戦はあまりやらなかったからな、そうだこの機会だからお前らに学園ランキングと学年ランキングの上げ方を教えてやろう、まず学年ランキングの上げ方は大きくわけてふたつある、同じ学年同士の正式な決闘によって勝つこと、定期テストでそれなりの順位をとることだ。そしてこの学園において最も重要視されるのが学園ランキングだ、そしてこの学園ランキングの上げ方は単純明快、公式戦で勝つことだ、学園内の公式戦は4回、学外の公式戦は4回ある、そこで勝てば学園ランキングをあげることが出来る、まあ学園ランキングと学年ランキングはほぼ連動してるがな、質問はあるか?」


アルデラミン・シリウスがすっと手を上げる


「では何故僕は3年のSランク1位に勝つことが出来たのでしょうか?」


先生は難しそうな顔をすると諦めた表情をして語り始める


「お前ら今の三権の長は何年生が占めてるか分かるか?」


みんなに問い掛けるようにそう聞くが全員もちろん知っている


「そうだ、全員2年生だ、この学園は弱肉強食だ、強いものが上に着く、弱いものは下になる、つまり今の3年は特に弱い、この一言に尽きる実際Sランクは1位と2位だったあの二人は学園ランキング、17位と23位だ。だからお前らが倒したからと言ってもあまり調子には乗らない方がいい、まだまだ上には強い奴らがいる」


その言葉にシリウスと俺はゆっくりと頷いた。

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