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10話 ゲーム

10話 ゲーム


担任が出ていった少し後


「なあシリウス、お前このあとの授業とる?」


「ああ、今日はフルで取るかな」


「まじで?ちなみにどれ?」


「2時間目の教養、3時間目の基礎体力、4時間目の剣術(上級)、5時間目の家庭科、6時間目の音楽かな?」


「お前、家庭に音楽って…」


「幼い頃からバイオリンはやってるから取るだけだよ、それに家庭は一人暮らしするんだから当然だよね、それとも何か君は料理できるのか?」


「すみません、出来ません…」


自分のことを的確に当てられドキリとしてしまう、そして自分の取る授業を決めたのだった


「そっそう言えばスピカは何を取るんだ?」


話をそらすようにスピカに話しかける


「は、はい、なんですか?」


「ごめん話し中だったか?」


スピカの妹ベガと話し中だったようですぐに謝る


「平気ですよ、大した話はしてませんでしたから」


そう言って笑ってくれた


「スピカはどの授業とるんだ?」


と聞いてみる


「私は2時間目の教養は高校の内容は一通り済ませてあるので取らないで、3、4時間目の魔法の授業、5時間目の家庭科で帰りますよ、もちろん春夜さんも家庭科取りますよね?」


顔は笑っているが目が笑っていなかった、取らざるを得ないようだ


「も、もちろん…」


なんとか言葉を捻り出す


「よかった、家庭科は2人1組で料理を作るらしいので私と組みましょうね?」


「わかった、スピカと組むなら安心だしな」


「ということで、ごめんベガ、一緒には作れないんだ」


そう言ってスピカはベガの方を向いて謝る


「いいよ、いいよ…楽しみなよ」


最後の方はベガはスピカに耳打ちしていったようでよく聞こえなかった


「春夜さんはそれ以外は何を取るんですか?」


「俺も数学できるし2時間目の教養は必要ないかな、3時間目の魔法の授業は細かく学べないから、4時間目の魔法(上級)かな」


基本的に3時間目の魔法の授業は魔法の知識を深めるために行うために魔法士を志すものは全員受けるためあまり深いところまではやらない


そう言って答えると何故か落ち込んでいた


「そうですか…4時間目の魔法の授業は魔法(回復)をとるのでほとんど違いますね」


自嘲するように言った


「まあ俺とスピカだと魔法の属性が全然違うもんな、しょうがない、でもさ次の時間まで1時間もあるんだから2人で遊ぼうよ」


スピカを励ますようにそう言って笑う


「そうですね、でも何します?」


「そりゃあもちろん…」



-ゲーム中-


「あっ、そこダメです」


「いいだろ?勝負っ…なんだから」


「だめっ…です…もう」


「次はここがいいのか…?ここか…?」


「そこはっ…だめ…です…もう、何も出来なくなっちゃいますっ…」


「ここがいいんだろ?」


「ダメです……」


*ゲーム中です


「はい勝ち」


「春夜さん意地悪です、そこ置いたらもう何も出来なくなって負けちゃうのに…」


「ごめんごめん、ついつい可愛くていじめたくなっちゃったんだよ」


「もう知りません」


スピカはプイッという効果音がでそうな感じでそっぽを向いた


「スピカもあんなに目をうるうるさせて、こっちみてくるからいじめがいあったし、負けず嫌いだなんて思わなかったぞ?」


そう、ゲームの途中スピカは負けそうなところで可愛らしく目をうるうるさせていた


「このゲームでは誰にも負けたこと無かったんです」


事実スピカと俺は序盤ほとんど均衡していたほど強かった


「とてもいじめがいがあって可愛かったよ」


茶化すように言いながら、ついついスピカの頭を撫でる


「絶対次は勝ちますから!」


-ゲーム前-


「ゲームと言ったらさ何かをかけるのが楽しいじゃん?」


「そうですね、緊迫感があって楽しいですよね」


「てことで何か賭けない?」


「いいですけど、例えば?」


「スピカの頭をなでなでする権利とか…」


「な、な、な、何を言ってるんですか?」


スピカはすごく狼狽えていた


「あれ?自信ないの?」


「わかりました、乗りますよその代わり私が勝ったら春夜さんの家の鍵を貰いますよ?」


「あれ?そのくらいでいいの?」


「逆にいいんですか!?」


「いや、まあ、じゃあ、それで行こうか」


それ以上に言われても困るなと思い直ぐにゲームをしようと持ちかける


-そして現在に至る-


「スピカの髪ってさらさらしてるよね」


そう言って割れ物を扱うように長い髪を触る


「もう、ゲームに勝ったからってこれみよがしに…」


スピカは怒りそうな感じではなく既に怒っている感じでそう言う


「まあまあ、これあげるから」


そう言ってポケットから部屋の合鍵を出しスピカに手渡しする


「いいんですか?」


俺はスピカが言う前に渡そうとは思っていた


「だって、俺が毎日寝坊するからだろ?」


「そうですけど」


苦笑いしながらそう言う


「じゃあ、有難くもらっておきますね」


「いえいえ、サラサラしてるなぁ…あ、そろそろスピカは授業だろ?行かなくていいのか?」


時計を見てそう言うとスピカは立ち上がる


「そうですね、ではまた家庭科の時に、ちゃんと来てくださいね?」


笑顔でそう言うと魔法教室の方に歩いていった


「俺にあんなに簡単に触らせてくれるなんて…他のやつにも触られてるのかな…」


と愚痴をこぼす者が約1名


-魔法教室に向かう廊下-


「はぁ…春夜さんだけなんですからね…他の人だったら寒気がします…」


とことん噛み合わないふたりであった。



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