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9話 最強

9話 最強


-残り時間30分-


「ピピピピピ ピピピピピ」


「今何時だ?………8時か」


着替えてご飯食べてもまだ……そういえば、昨日スピカが朝ごはん作りに来るって…

あと30分でホームルームなんだ、さすがにいるわけないよな、と思いつつも玄関に行ってドアを開けると。


「おはようございます春夜さん?」


怒りを滲ませたようなスピカがそこには立っていた


「今から支度ですか、学園までは歩いて15分ですよ??15分で準備できるんですか?」


「わかりました、今すぐ準備します…」


「私は朝ごはん作るので春夜くんは顔洗って着替えててください」


そう言われれば否応なしに頷くしかなくて


「スピカはいつからいたんだ?」


着替えながら、朝ごはんを作っているスピカに声をかける


「7時半からですよ?」


笑顔で言うが目が笑っていなかった


「すみませんでした」


「謝っててもしょうがないので着替えてくださいね?」


「分かりました…」


スピカが料理をしているのを着替えながら見ていると、料理はすぐ出来たようで、俺が着替え終わると同時に出来たようだった。


「「いただきます」」


「今日も美味しいな」


「嬉しいんですが…ホームルームまであと15分ですよ?早く食べないと」


「走ればなんとかなるよ」


「はぁ…」


「まあスピカを無理矢理走らせる訳には行かないしなぁ」


そんなことを言いつつも食べ終わる。


「「ごちそうさまでした」」


-残り時間10分-


「さて走るけど、スピカは平気か?」


「はい、平気ですよ」


「じゃあ行こっか」


走り出そうとした瞬間、何かにつまづいたのかスピカが転んでしまった


「っ…」


このままじゃ間に合わない、ほとんど俺のせいだし、じゃあ…


「しょうがないか…スピカ、俺の背中に乗ってくれ」


俺は恥を捨ててそう言った、おんぶして恥ずかしいよりも学園に間に合わないリスクを取った。


「は…はい…」


スピカもどことなく恥ずかしがっているようだった


「こ…こうですか?」


そういうと、背中に乗っかり体重を預けてくれたようだった


「それでいい、足を前にしてくれるか?」


「わかり…ました」


そして立ち上がると、女性特有の胸の膨らみが感じられてしまい恥ずかしくなってしまった。


「じゃ、じゃあ行こうか」


そんなことを考えないようにして走って学校に向かう。


「スピカ大丈夫か?」


全力で走っているため、スピカの全身が揺れて痛くないかと思って


「平気ですよ、もっと飛ばしてください」


そう言って元気に振る舞うと、首に回していた腕が力強くなる


そうして走るとなんとかホームルーム開始の1分前に校門に着くと、周りはかなりどよめいていた


「あれって春夜様…?」「スピカさんが…」

「まさか、春夜様とスピカさんが……?」


その日学校中に大々的にニュースに取り上げられるとは2人は思いもしていなかった


「よし、ぎりぎり着いた」


そう言って汗を拭うと教室のドアを開こうと手をかける


「あっ、春夜さんダメ…」


そうスピカが忠告しようとした時には既に扉は開かれてしまっていた


「え?」


「あ、春夜おは…」


そうシリウスが声をかけようとするが、後ろで背負われているスピカを見て全員固まってしまっていた


「春夜さん…下ろしてください」


溜息をつきながら下ろすように言ってきた


「あ、ごめん…」


降ろすと全員からの視線がこちらに集まり、全員が全員面白そうにこちらを見てくる、特にカウストなんかは腹を抱えて笑っていた


あとで懲らしめておこうそう思った春夜だった


「えっと、道を歩いていたら、スピカが足をくじいていて…」


「お前ら2日目から面白すぎ」


この教室でまとめ役であるはずの担任ですら、腹を抱えて笑っており、一向に収集がつかないでいた、そんな状況を助けたのはシリウスだった


「とりあえず2人とも座ろうか?」


「「はい」」


2人して落ち込んだ様子で返事をする


「ははは…はぁ…はぁ…笑い疲れた、じゃあホームルーム始めるか…はぁ…はぁ…」


(((((((((いい加減落ち着けよ)))))))))


心中では全員そう思った


「じゃあ、はい、授業について説明します、基本的に授業は自分で取りたいものを取ってもらいます、Sランクにいる限りは憑依の授業は必ず取ってもらいますが、それ以外は取らなくても平気です、つまり、憑依の授業さえ取れば他は取らなくてもいいということです、ちなみに、憑依の授業は毎日一限の授業だから遅れるなよ、それとSランクの場合は他の授業は飛び込み参加が基本だ」


「ちなみに憑依の授業の遅刻や、欠席のペナルティは?」


最悪、寝てて欠席なんてのもありそうだなと聞いてみる


「憑依が完成している場合には何も罰則はないが、まだ完成していない場合は学校に来てからその時間分だけ憑依の授業をこなしてもらう」


(なら平気そうだな)


「じゃあ、今日も早速一限からその授業だ、これから3時間くらいは憑依についての基礎的なことを覚えてもらうための座学だ」


「まず憑依について知っている者はいるか?」


全員が手を挙げる


「全員知っているのか、珍しいな」


「いえ、違うんです、橘さんが昨日憑依状態を発動したので僕がみんなに説明したんです」


そうしてシリウスが事情を説明すると納得したように先生は頷く


「お前もう、決めてしまったのか…」


「はい、ダメでしたか?」


「憑依の偉人を1度決めてしまうともう変更は効かないだから基本的に全員3人の偉人を見てから決めるのが鉄則なんだよ、もしほかに欲しいやつがあとから出てきたら困るだろ」


「すみません、あまりにも負けたくないと思ったら出てきてしまって…」


「そう、この強く願うということで憑依というのは発動することが出来る、みんなよく覚えておくように、ちなみにお前が憑依に成功したって言うのは、操られた状態か?会話はできたか?」


「操られた状態でした、会話は…少し出来ました」


「そうか、この憑依によって操られないで、自力で体を動かすというのが憑依が成功できたという事だ、それにしてもお前の偉人は誰だっけ?」


「宮本武蔵ですが…」


「つくづくお前はあいつに似てるな」


「あいつとは?」


「学園最強生徒かつ現治安部長ポラリス・シャウラ、まあ学園最強と言っても時と場合によるがな、お前はあいつとよく似てるよ」


「そうなんですか…」


「じゃあ今日の授業はこの辺で終了だ」

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