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一話 生えちゃった!?

「これはどういうことだにゃぁぁぁぁ‼」


俺は猫宮ネコミヤ 多摩タマ。猫が大好きで、それ以外に好きなものと聞かれればゲームと答えるどこにでもいる高校一年だ。


さて、そんな俺が朝っぱらから全力で叫んでいるのか、そのわけは鏡に映る人物の姿が理由である。


「なんで、俺、猫耳と尻尾が生えているにゃ? それにどういうわけにゃ…… 語尾がおかしくなってるにゃ。」


本当に意味が分からん、なぜ朝起きたらこんな意味不明なイベントに自分がまきこまれてるのか。こんな非現実のイベントがあるのは漫画や小説の世界だけではなかったというのか……


あかん、動揺しすぎて頭がおかしくなってる。少し、落ち着こう。


「はぁ、どう見ても本物なんだよな。腰あたりに力を籠めると尻尾が動くし、耳も動かすことができる。これ本当にどうするにゃ?」


俺はしばらく鏡の前で悩んでいたが、何も思い浮かばなかったため、ある助っ人を呼ぶことにした。

その助っ人とはこういう非現実的なイベントにはめっぽう強い人物であり、それ故なのか、高校の部活もオカルト部という部活に入っていた。 ちなみに俺は帰宅部だ。 


「あいつ、起きてるかにゃ?」


俺はすぐさま持っていた携帯を開き、あるトークアプリを開いた。 こいつは結構優秀でな、ネット環境がある場所でならどこでも無料通話もでき、相手にメッセージを送ることのできるアプリだ。


そのアプリを使って俺は目的の人物にメッセージを送った。すると、すぐに既読マークが付き、返信が返ってきた。


『お前、起きてる?』


『起きてるよ~ どったの?』


『ちょい、まじで大変なことになった。部屋で説明するから、俺の部屋に来て。今すぐに。』


『あんさんがそんなに慌ててるなんてめずらしいね、了解、すぐ行きますわ』


『頼む。』


そこで会話はアプリでの会話は終了したが、本題はこれからだ。

さて、外からヤツの声がする…… どうやら来たみたいだ。


「入っていいぞ」


「うぃ~ おはよう、兄さん? どうしたの? 急に呼び出しなんて、めずらしい」


そういいながら俺の部屋に入ってきたヤツは俺の目的の人物でもある 、俺の双子の妹、猫宮ネコミヤ 芽久メグだ。先ほども言った通り、こいつは非日常的なこと、つまり、刺激を求めている、多少なりとも今回の件では力になってくれるはず。


「ねぇ、兄さん、布団にこもってないで出てきてよ~ 呼び出したの兄さんでしょ?」


「おい、芽久、おまえ、オカルト部に入って、たよな」


「うん、入ってるよ? なんで兄さんちょっと片言なの?」


「うるさい、まずは、俺の話を聞け、お前がその部活に入った理由は?」


やばい、気を抜くとあのへんな語尾が出てしまう。気を付けなければ、それに芽久がこの姿を見て、少しでも落ち着いてられるようにお膳立てはしておかないと。


「兄さんがそんなこと聞くなんて…… 本当にどうしたの?」


「いいから、はやく答えろ。」


「わかったよ、私がオカルト部に入った理由だよね。それはまあ、いくつか理由はあるけど、一番の理由は刺激を求めてかな? 今のご時世、学生がすることなんてたかが知れてるでしょ? だから少しでもみんなとは違う道を歩いて、新しいことを見つけるために入ったの。これだけ?呼び出しの理由」


「いや、まだだ。お前はオカルト部に入って、望みの刺激を得ることはあったか?」


「う~ん、本当に刺激的なことはまだないけど、この前、天体観測に行ったときに、UFOみたいなのを見ることができたのはうれしかったな?」


「そうか…… さて、ここからが本題だ。 お前の身内が非現実的なことに巻き込まれていたらどうする?」


ここまでは予想通りの答えが返ってきている。あとは、この本題に対して、こいつがどう答えるかだ。

芽久らしい答えを話してくれたら、俺はこいつに話してもいいだろう。


「う~ん、どんな?ってことが気になるかな?それで身内の誰かが本当に困っていたら手助けをする努力はするよ?身内だしね。 で? こんなことを聞くってことは心当たりがあるのかな?」


ああ、やっぱり、こいつは信用できるな。ほかの家族から見たら、どう見えるかわからないが、投げ出すって答えが考えにない当たり、信用できる。それに今俺の身に怒ってることはだれかに同行できる問題ではなさそうだしな。


「ああ、お前の言う通り、心当たりがある、というよりも今現在、それが俺の体に起こってる。」


「え、本当に? もしかして?とは思ってたけど…… マジですか?」


「ああ、本当だ。 そして今からお前にそれを見せる。覚悟は大丈夫か?」


「覚悟?そんなものはとっくにできてるよ。だから、早く見せて‼ さあ‼ 早く‼」


あれ? 予想以上に芽久のテンションが上がっている? 俺の予想ではもう少し戸惑うだろうなと思っていたのだが、芽久の心臓は思ったよりも強いみたいだ。


俺はそんなことを思いながら、自分にかぶせていた布団を取って、隠していた姿を芽久に見せた。


「これが、俺の体に起こっている異変だ……にゃ」


「え、猫耳だ…… それに尻尾も‼ うん? にゃ?」


「耳も、尻尾も本物だ。自分で触ったり動かしたりしたから嘘ではない……にゃ」


「そうなんだ‼ 私も後で触っていいかな? でもその前に、最後に付くにゃってどういうこと?」


「うるさい、黙れ、我慢しても口が勝手に言うんだ‼……にゃ‼」


ああ‼ くそ‼ なんでこんな変な口調で話さないといけないだ?神よ、俺は罰が当たることなんてしてないぞ!? たぶん……


それに見ろ‼ 芽久もあまりにおかしくて笑ってるよ‼ なんか身内に笑われるとなんか腹立つな……


「芽久、笑うにゃ‼」


「ふふ、だ、だって、あの兄さんが、にゃって、、だ、だめだ、おなか痛い……」


芽久はよっぽど面白いのかおなかを抱えながらうずくまっていた。


「仕方ないだろ‼ 俺だって、こんな…… 理不尽にゃ……」


そのあと、芽久はしばらくの間、ずっと笑いが止まらず、それになんだかムッとした俺は芽久が落ち着くまで布団の中に隠れたのであった。

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