魔王勇者×日本戦闘 前編
これは魔王勇者×日本戦闘の前編です。
後編のURLと「魔王勇者の無双の旅」「日本戦闘type1」のURLは下にあります。
そこは新宿の奥深く、区役所近くのマンホールから下水道に入りその中を北に200メートルほど行ったところだ。
そこには10人ほどの男達が集まっていた。
「クソっ! どうしてこうなったんだよ!」
その中でも大柄な男が声を張り上げる。
「あれだけいた人質たちも今やこいつらだけだ。これでどうしろって言うんだよ!」
大柄な男の足元には数人の人質が転がっていた。
「どうする、考えろ、考えるんだ。この最悪の状態を覆す方法を…」
「ぼ、ボス、あ、アレ」
「このまま下水道から逃げられるか? いや虱潰しに探されたら見つかる。クソっ、どうする…」
「ボス、アレ、アレを見てください!」
「んだようるせえな」
ボスと呼ばれた男の肩を隣にいた小男が叩く。それを鬱陶しく思ったボスが怒りの声を上げる。
「あそこに女が…」
「あ?」
小男が指さした先を見ると1人の女性が立っていた。その女性は長い黒髪を持ち、とても整った顔をしていた。そして黒いドレスに身を包み、こちらへと歩いてくる。そしてその女性の額には捻くれた角があった。
「てめぇ何者だ?」
「ただの通りすがりの淑女だよ。それより君たちに良いものを持ってきてあげたんだよ」
淑女だァ? と、不思議そうにする男達だがサリアが取り出したものを見て身構える。
「いやいやそんなに警戒しなくても大丈夫だよ」
女が取り出したのは紫色の薬品が入った試験管だ。ちょうど人数分ある。
「これは君たちの身体能力を上げる薬でね。君たちが生き残る可能性がグンっと上がるはずだよ」
女が地面に薬を置く。
「もちろん使うも使わないも君たち次第だよ。私は使った方がいいと思うけどね」
じゃあね、と言い残して女が去っていく。
「……」
薬を使うかどうかを悩むボスだったがどれだけ考えてもこの状況を覆す方法が思いつかない。
ゴクリと唾を飲み込み、ボスは薬を…………………
───────────────────────
「久しぶりですね。ライトさん」
そう言ったのはヒラヒラした白いドレスに身を包み、白い翼をはためかせ、錫杖を握った女神だった。
その目の前にいるのは黄色い軍服を纏った1人の少年とその腕に抱きついている青いドレスの少女だ。
「ああ、久しぶりだな、サーリア」
少年、ライトが女神サーリアにそう言った。
「俺の親友はいつも通り良い奴だったぞ」
「あなたは親友に彼女が出来たくらいで親友を殺せる悪いやつですけどね」
「そりゃ仕方ないだろ、彼女を作るやつが悪い。俺みたいに一生独り身のやつもいるってのに」
そのセリフを聞いて少女、エリザベスが絶望したような顔を見せる。どうやら自分が彼女ではなかったことに衝撃を受けているみたいだ。
「それで俺たちに何をさせる気なんだ?」
「あなた達にはですね。」
説明はカットである。まあ、長いしな。
と言っても完全になしだと話がわかりにくいので要点だけを纏めると
・知り合いの女神が担当している星で化け物が現れたので倒してほしい。
・その世界は地球のように科学が進歩しているが、魔法や神が信じられていないので女神が干渉したあとの後片付けがめんどい。
・なのであまり魔法を使わずに倒してほしい。
との事だ。
「なるほど、だからレンじゃなくて俺が選ばれたんだな、銃を使える俺が」
「その通りです」
レンというのはライトの知り合いの魔神だ。戦い方がファンタジーなのでこのミッションには適していない。
「それで、なんでエリザベスまでここに居るんだ?」
「いえ、そろそろ女神らしいこともやっておこうかなと思いまして」
「どこが女神なんだ?」
ライトは疑問に思っているみたいだがエリザベスは膝を付いて女神に感謝していた。
「(女神様、ライトと2人きりになれる機会を作って下さり感謝します)」
だがライトは気付かない。
「まあ、それはいいとしてそこにある棺桶はなんなんだ?」
「これですか?」
サーリアが黒に赤い十字の入った棺桶に手をかけると蓋がガバッと開いた。
その中には黒髪ロングの女性と顔に傷がある男が入っていた。
そして2人共青い軍服を着ていた。
「軍服多くね?」
「確かにそうですね」
エリザベスとサーリア以外軍服姿である。
そしてそんな馬鹿なことを言っているあいだに2人の青軍服が動き出す。
「ここは一体…」
「うう、どこかしら」
2人が棺桶から出て思い思いに話し始める。
「さて、皆さん揃いましたね。ライトさん、この人達は今から行く世界の警察のようなものです」
「ああ、案内人を頼むわけか」
「そうですね」
ライトに2人のことを説明したサーリアがさっきから惚けている2人に説明を始める。
「さて、あなた達に会うのはこれが初めてですね。女神のサーリアです」
「女神だって?」
「ええ、1度死んで肉体がなかったあなた達に肉体を与えたのが私ですよ」
「俺たちは生き返ったのか?」
男、川西 鋭が自分の体をぺたぺた触りながら女神と話す。
「生き返りましたね。とは言っても数日間の間だけですが」
「そうなのね。それで何かして欲しいことがあるみたいね」
「はい、あの人たちと一緒に化け物を倒してください。倒すのはあなたが死ぬ原因になった立てこもり事件の犯人たちです」
2人が苦いものを口に入れたような顔になる。
「トラウマにでもなっているような顔ですね」
「そりゃ殺されたからな」
サーリアが何処からか4つのリュックと木箱を取り出す。
「さて、ではそろそろ行って貰いましょうか。このリュックを背負ってください」
まず青軍服を着た女性、松本 エリカがリュックを背負い、みんなもそれに続いて背負う。
「あ? これパラシュートか? なら俺はいいや、資本主義製のパラシュートがあるし」
そう言ってライトがポケットから取り出したのはいつも携帯している筒状のパラシュートだ。大きさは小さめのペットボトルくらいだな。
「そうですか。あとその木箱には武器が入っているので好きなものを持って行ってください。」
青軍服の2人が好きな武器を選ぶ。
「俺はへカートとAKでいいや」
「私はこの刀ね」
「あ、アカギですか。いい刀を選びましたね」
そして武器をパラシュートと一緒に背負って準備を整える。
整ったところでサーリアがパンっと手を叩く。
「さて、ではあなた達が化け物を無事に倒せることを祈っています」
4人の地面が消え去る。
そして4人が地面の下に消えて行くその瞬間にサーリアが口を小さく開く。
「退屈させないで下さいよ」
それがギリギリ聞こえたライトが女神に指を向ける。
「──」
その言葉は風に遮られて届かなかった。
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4人が仲良く地面に向かって落ちていく。
そして青軍服の2人が同時にパラシュートを開く。
ライトもパラシュートを開くがエリザベスが開けていないのを発見する。
「クソっ」
ライトが上手くパラシュートを操ってエリザベスの腕を掴む。
「なんだこりゃ、旧式の自衛隊のやつかよ」
慣れた手つきでエリザベスのパラシュートを開く。
「おーい大丈夫か?」
ライトが声をかけるがエリザベスに反応はない。どうやら気絶しているようだ。
「うーん、やっぱり慣れてなかったか」
「まあ、見た感じいいとこのお嬢様みたいだしね」
青軍服の2人が色々言ってくるが全てを無視してお姫様抱っこに移る。
「うわぉ」
「へぇ、やるじゃんいいなぁあんな彼氏が欲しいなぁ」
本当に外野がうるさい。
エリザベスをお姫様抱っこしたライトが地面の方を見ると煙が上がっている。
「あれが化け物かね。随分と怖い顔してるみたいだね」
松本が川西に借りたへカートのスコープで覗いた感想を言う。
川西が親指で煙の元を指す。
「とりあえずあの化け物から殺しに行こうぜ」
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