龍と道でのはなし
「やっと、気づいたか。さっきから呼んでおったのに一人事をぶつぶつと言ったり、急に叫んだりと、狂ったのかと思ってみておられんかったぞ。」
「すいません...。ってしゃべってるー！！ 」
(ドラゴンってしゃべれんのかよ。知性をもつドラゴンって古竜とか神龍のクラス...、ん？)
「あなたが神様の使いですか？」
神様に言われたことを思いだし、目の前にいる竜に問いかけると、口を歪めながら、
「ほう、もう気づいたか。そうだ私は神の使いと呼ばれている神龍ジルゴニアだ。」
神の使いということがわかったが、神様になんと言われて来たのかわからないので聞いた
「神様に、いろんなことを聞いておけと言われたんだが聞いてもいいか。」
「ふむ、そういわれたのか。私は領域に人が来るから向かってくれと言われただけだ。」
「え？それだけか。ほかになにかいってなかったか？」
「ほかにか？...あぁ、すまんとはいっていたな。」
「そうか...。」
「私に今まで何があったのか教えてくれないか。転生者のカイト ヤマグチよ。」
自分の名前と称号を言われ驚きながら、龍の顔をみると、目が光っており笑い声が聞こえた。
「くくっ、驚いたか。分かったわけはお前をこの眼でみたのよ、この龍眼でな。称号をみてわかったが色々あったんだなお前...、ほれ私に話してみろ。」
俺、龍にまで同情されるのかと思いつつ、事故から神と会ったこと、この森で叫んだことのほとんどを話した。
「...そうか、大変だったな。だが、創造神様はお前をここに送ってから、慌てて私に念話を寄越したみたいだしな。」
「そうだったのか。しかし、あの痛みと気持ち悪さはわざとだろう。」
「いや、忘れていただけだろう。多分喜んでいて、送ってから気づいたからメモを書いたんだろう。あとこの世界にお前を送るのに地球神と話す必要があったようだからな。」
(そんなに面倒なのか。そういえば文字が見えない称号もあったな。)
「なぁ、称号が見えたんならこの？？に目を付けられた者の文字化けしているのは見えるか？」
「...いや、見えないな。多分神の文字だからだろう。さてなにか聞きたいことはあるか？ないのなら、出口まで送っていくが。」
少し考え、聞きたいことが浮かばなかったので森の外へ送ってもらうことにした。
「いや、今はないな。そうだ神様に伝言をたのでもいいか？」
「あぁ、いいぞ。だが私の背中に乗ってからだ。」
そういいながら、道の真ん中に降りると羽根を俺に向けそこから乗れと言った。俺はそこに乗ると、
「よしのったな、ではいくぞ。」
「おお！スゲーでかい森だな！空もきれいだし、空気もすんでるし！もう来てよかったかもな！」
「くくっ、そうかそうか。で伝言とはなんだ。」
「あぁ、伝言か！色々言いたいけどこの世界に送ってくれてありがとうってつたえてくれ！」
「わかった、伝えておこう。
もうついたぞ。」
５分もたたないうちに森が終わり、広い草原に出た。
「速いな！もうついたのか。そういえば周りに風が来なかったな。ジルゴニアがなんかしたのか？」
「ああそうだ。私も急いでいたし、私は森の奥からあまり離れられんのでな。ほら降りろ。」
乗せたときと同じように羽根を伸ばし滑り台のようにすると、俺はそこから降りた。
「ありがとう、ジルゴニア。」
礼を言うと、
「いいさ。私から教えることは、お前はまだスキルをみていないのだろう。スキルの量が多いのでなポイントを使って隠蔽スキルと鑑定スキルをあげるがいい。
この道をまっすぐいくと街に出るはずだ。そうそう私に会いたいときは、冒険者ランクを上げてからこい。この森は、制限がついているはずだ。
(スキルの量？...あ、あれか。最後に言ったやつ。隠蔽スキルで隠せるのか。この森制限ついてたのか。)
「本当にありがとうな、この森そんな危ないとこだったのか？そういえばあの鳴き声って...。」
「ああ、私はそうでもないが、人にとって最低でもCランク以上の魔物がいる。あの声は、私だぞ？お前に魔物が近づかないようにしたのだ。」
(本当にやばかったのか。)
「でもな、魔物相手に躊躇うなよ。これは忠告だ、魔物もお前を襲ってくる。殺すのにためらえばお前は死ぬからな。
さて、私はもう行く。嫁が怒りそうだしな...。」
そういい残し、ジルゴニアは飛んでいった。
(お前嫁さんいるのかよ！！)
「ありがとなー！ジルゴニア！！」
─────────────
「いやー、けっこう森から歩いてきたけど、何も見えないな。でもメニューに地図があってよかったよかった。なかったら進んでいいか悩んでたしな。」
神龍ジルゴニアと別れてから、一時間ほど俺は歩きながらメニューの改造をしたり、アイテムを袋にいれたりしていた。
(メニューのオプションに、地図がなかったらあとどのくらいかもわからなかったな。あそこ魔の森って書いてたし、周りにも村とかが無くて今向かってる「ファローズの街」しかないんだもんな...。
えっと、今半分まで来たからあと半分か。このメニューに時計とアラームがあってよかった。あっちで持ってた電化製品は持ち込めないって言われて、スマホとか時計もコピーしてもらえなかったもんな。)
「しかし、このからだ疲れにくいな。ステータスの高さもあるのかな？あとはスキルか...。今のスキルでさえこの多さだもんな。」
ステータス LV5
隠蔽中
HP150 (800)
MP30 (700)
筋力40 (580)
防御力20 (550)
敏捷力20 (560)
知力30 (700)
器用値20 (800)
運10 (520)
【残りステータス520ポイント】
言われた通り、隠蔽スキルをとってステータスを隠せてるな。次はスキルだ。
スキル一覧
戦闘スキル
剣術ＬV3
【隠蔽中】
体術ＬV8(柔術, 格闘術,護身術,術etc.) 武術Ｌｖ5(剣術,刀術槍術etc.) 純粋魔法
補助スキル
計算 投擲LV1 生活魔法 言語理解
【隠蔽中】
鑑定ＬV10 隠蔽ＬV10 空間把握ＬV3
水泳LV5 料理LV8 投擲LV5 言語理解
全魔法耐性LV10 (火魔法,水魔法,闇魔法,光魔法,土魔法,風魔法etc.)
状態異常耐性LV10(毒,麻痺,眠り,気絶,混乱,呪い,恐怖)
回復速度LV5 環境適応 高速計算
残りスキルポイント 510→400ポイント
(ほとんどのスキルが前から持っていたスキルで、メニューが見にくいから混ぜられないかと思ったらできたんだよね。)
「それでもこのスキルの多さよ。」
(混ぜたらレベルが上がって最大レベル10になったのもあるけど、そのクラスだと勇者とかに近い...俺、勇者か。)
この世界はスキルのレベル上げるのにレベル1だったら１ポイント、レベル2で２ポイント、３レベルで３ポイントで上がっていくみたいだ。
「ん？あれが街か！やっとついた。さっさといって飯を食おう！二時間歩いたし腹へったよ！」
小山を上りきったとき、高い壁でおおわれた街の姿があった。俺は今まで歩いていたので落ち着けると思い走り出したとき、
「「グキャギャ、グキャ」」
「なんだ！？あれは...ファンタジーの定番スライムじゃない...、ゴブリンか。ふぅぅ、はじめての魔物が人型だけど、この世界で生きるために殺るしかないか！
お読みいただきありがとうございました。
