希望
そうして俺は牢に囚われた…今でも信じられない、俺を殺そうとした人達が自分で死んでいって、狂いながら、笑顔で死んで…俺の所為なのか?俺が…まさか…あんなのが俺の力…?
「あはは…面白くもなんとも無い…!」
…なぁ、ビスさん、教えてくれよ、俺は…どう償えばいい?
生きればいいのか?また多くの人達を犠牲にして!
「おい!君…!」
声をかけられた、見るとそこには日本人らしい人が居た…この世界では黒髪黒目は珍しいのだ、つくづく俺は恩人に恵まれるな…本当に…冗談じゃないッ!
「駄目だ…俺に近付いちゃダメだ…もし何かあったらお前も…みんなみたいに…!」
「…すまない、鑑定を使わせてもらった、不死、過去の文献にいくつも書かれた内の1つ、元々は邪龍に掛けられた呪いで、自身が殺害される場合に同種族、俺たちの場合は『人間』だ、それに運命を肩代わりさせる」
「それって…」
その声は彼の声に掻き消される
「この場合自殺も含まれる、君が空腹状態で死亡しなかったのはコケッコの卵を食べて居たからだろう」
コケッコにそんな力が…?いや、それより!
「お前…なんでコケッコの卵を食べて居たことを!?」
「言い忘れていたね、僕はアス…朝田 龍だ、異世界人を保護するのを目的としているんだ、このままじゃ、君は…新しい異世界人を呼ぶ生け贄になってしまう、しかも君の肉体を使う為にその『不死』をその人が担うことになってしまう…!だから、僕は君を連れて行く」
「…わかりました、でも、1つだけ聞いて良いですか」
「…うん」
「もう俺は俺のせいで死ぬ人を見たくない…どうすれば…良いですか?」
「…強くなれば……君が殺されないくらい強くなればいい」
「わかりました…!強くなって、誰も殺さずに生きる、それが…俺の償いです」
「…わかった、ここから出たら君に修行をつける、行こう、そろそろまずい、手を出して!」
手を伸ばす…これは償いへの第一歩、俺が生きて償う為の、みんなが死んだ事を、俺は忘れない、俺がみんなを殺した事も忘れない、全部背負えるように強くなる、それが俺の…生きる理由であり、償いだ!
「はい!」
身体を浮遊感が襲う…!これがテレポートってヤツなんだろうか、そしてそれを考えた次の瞬間に景色は変わり、鬱蒼とした森手前に出た
「龍さん、まさか…」
「さんは要らないよ、そうだね、この森を抜ける、抜けたら直ぐに…いや、不味い…!ちょっとごめんね」
龍さんは突き飛ばしていた…その後口に人差し指を立てた…静かにしろ、という事なのだろう、俺は手元で小さくマルを作った
その後カチャカチャと鎧が擦れる音と何かを引き摺る音が聞こえてきた、その直後龍さんは辺りを見回して地面の草を引っこ抜いたり木に成った木の実を採ったりしていた、それを鎧が擦れる音の音源が見ていたがすぐに行軍を開始していた、何かが擦れる音は龍を引き摺る音だった
「僕じゃないよ」
見てくれた人ありがとうございます!
クッソ遅れて申し訳ありません