償いとは…
「それで…償うには…神様に仕えるにはどうすれば…どうしたらいいんでしょう!」
「ふふふ…別に丁寧に言い直す事は無いんですよ…そうですね、強いて言うなら生き続ける事でしょうか」
「…は?生き続ける…?」
生き続けるって…生きるって事だよな…?
「はい、生きるんです!」
「…何故生きる事が償いになるんですか」
「でも、貴方が償いたいと思っている人を殺していないのなら、死ぬ事は償いにはなりませんよ」
ーーありがとう、といえばいいとおもいます
「でも!俺を!…恨んでるかも…知れない…し…」
「でも…助けて貰ったのでしょう?」
ーーはやく…にげろ…!
「彼女らは貴方を助けたいから助けたのでしょう?」
ーーえいとさん!にげましょう!
「俺を…?」
「はい、だから、いえ、だからこそ、貴方は生きるべきです、少しの信仰心と死者を想う心さえあれば、アビス様は貴方の願いを叶えて下さります」
死者を想う心…か…
「ありがとうございます、俺、なんだか償いって事を勘違いしてたみたいです、これからは俺を生かしてくれた人達の為に精一杯生きようと思います!」
「はい!
……私達の為にも…ね…」
あれ…?今何か…何も…言ってない…か
「…では、国王兼教皇であるカルス・アビルに…様に洗礼を受けに行きましょう」
「えっと…洗礼…ですか?」
なんだろ…まさか…同じ杯の水を飲むとか?間接キスじゃないですか!
「あっ、そんな痛かったりはしないですよ、今になっては形だけですから」
「良かった……あ……なんでもないです」
「……」
そうして場所は王城に移る
「では、眼を閉じ、この水晶に手をかざし、アビス様に祈りなさい」
何も疑わず…手を乗せる、彼は気付いていないが、今、水晶には彼のステータスが投影されていた
名前:風間 瑛人
種族:人族
職業:なし
ATK:5
DEF:5
SPD:5
INT:5
MIN:5
DEX:5
LUK:5
HP :5
MP :5
スキル:不死
称号:廻魂神の加護 異世界人
辺りにはほくそ笑む者、声をあげる者、そして一番多かったのは驚愕である
「(ステータス全部が5だと!?ありえん!)」
それ程、全ステータスが5だというのは異常だったーーー
ーー低すぎるのだ、HP5なんて少し小突いただけで死んでしまう、しかし、多くの人間が眼を見張ったのは不死、である
「……はい、貴方は正式にアビス教信徒として認められました、これからは、弔うべき死者、そしてアビス様の為に生きるのです」
「……!…ありがとうございます!」
「さぁ、瑛人さん、今日はお疲れでしょうから、部屋で休んで下さい」
「はい、何から何までありがとうこざいます!」
そこには、1人だけ、教皇として国王が居た
「アビス様…神託を…神託を…」
『神託ですか?』
「はい!今日の不死についてで御座います!奴をどうするか…神託を…」
『では…貴方は何もしないでください』
「…は?何もでしょうか?」
『はい、余計な事はしないで下さい』
「そんな!私は!」
『今日の神託はここまでです』
「うぐぅ…私は…私は…そうか!これは試練なのですね!アビス様が私に課した試練なのだ!私は期待に応えなければならない!」
いつも見てくれてありがとうこざいます!