信仰
あの後…俺は別の場所に連れて行かれ、部屋で休むように言われた、綺麗な部屋だったが特に何も感じる事はなかった
そこでは何もしなくて良かった、何もせず、ぼーっとしているだけで運ばれそのまま回収される食事、それでも…やっぱりアルマさんとの暮らしの方が…そう考える度に罪の意識が俺を襲った…そして1日に何度か人が来るのだ、やっぱり今日も来た
「何か欲しい物は有りませんか?」
その問いに対して
「鋭い物か縄を下さい」
と、答える、これが日課になりかけていた
「それは出来ません」
1度、アレを生き残った人は居ないのか、と聞いたが、俺以外1人も、賊さえも生き残って居なかったらしい、普通ならばおかしく思う事も今の俺には無かった
「何か欲しい物は有りませんか?」
「鋭い物か縄を下さい」
また、それは出来ません、と返されるのだろう、そう思っていたが…
「着いて来て下さい」
違う答えだった、そして俺は久し振りに外へと出た、空は俺の心境に反して明るかった
部屋から出ると教会へと連れて行かれた
「貴方、神に仕えるつもりはありませんか?」
突然そう問われ返す言葉が思いつかなかった、…彼女だろうか?それは話を続ける
「我らが信ずる神は廻魂神アビス様、魂を司る神です、貴方が貴方の為に死んだ人々の為に苦しんでいるのならば、アビス様は然るべき方法で貴方を赦し、救ってくれるでしょう」
俺は…訳がわからなかった、神なんている訳が無い、俺は言葉を発そうとするがその前に、それは話を続ける
「アビス様を信仰している人達の多くは死者の弔いや償いの為にその身を粉にして生きています、そして徳を多く積んだ者は…アビス様を通し死者の言葉を聞く事ができます」
死んだ人の言葉を…!?まさか…本当に…神様っているのか!?
「私も…ここまで来るのに長い時間がかかりました…が…ようやく、死んだ恋人と話す事が出来ました…!」
フードを深く被っていた彼女の顔が上を向いた事により露わになった、彼女は薄く涙を流していた
「…すみません、取り乱しました、では、貴方は償い、赦しを乞う事を選びますか?」
俺の為に死んだ人達に償えるのなら…そう思い俺は大きく頷いた、すると彼女は微笑んだ、そして、俺の頭の中で
『称号:廻魂神の加護を獲得しました』
「死者に償おうと、そう考えた者は皆アビス様の信徒です、貴方も死者の声が聞けるようになるまで…頑張って下さい」
「はい、ありがとうこざいます」
そうして俺は罠にはまってしまった、奴の脚本通りに、奴を信じてしまった、裏切られるとも…知らずに…
見てくれてありがとうこざいます
アビスがどんな奴かはこれを見れば明らかになります
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本編です、ものすごいはっちゃけて居るのでこっちとの差で爆発四散するかも知れませんが作者は一切責任を取りません