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異世界に来ました

初めての投稿です。書くのも初めてです。ちょっとでも気になっていただければ。

「あぁ、本当に来てしまった」


 目の前に広がるのは初めて見る景色。どこか懐かしい田舎道のような、整備などされていない土の道と所々に草花や木々が並んでいる。

 この道はどこに続く道なんだろう。


「……いや、私はどこに行けば良いんだよっ! てか、ここどこよ!?」


 私の問に答えてくれる人はいない。そう、答えを知ってる人などいない。だって、あいつは人じゃなくて神様だったし! まぁ、その神様もいませんけれど!

 そう、私はとある神様の願いを叶えるためにこの世界へと来たのだ。

 あいつの言うとおりであれば、ここは日本から遠く離れた海外などではなく、地球でもない、いわゆる異世界のはずである。


「いやまぁ、もしかしたら日本のどこかの田舎ということも……」

 

 可能性としては、ゼロではないはずだ。神様のおちゃめなドッキリ企画かもしれない。そうだとしたら、あいつをタコ殴りにしてやるけど。まぁ、とりあえず道なりに歩くしかないか。

 さて、バッグから取り出しますは百均で買った方位磁石。一応、N極は北を指している。ここが異世界と言うのなら合っているのかもよく判らないけど。私が今向いている方がおおよそ北西で、後ろは南東。どちらに進むべきなのか。


「悩んでても仕方がない、前に進もう」


 そんなこんなで、てくてくと道なりに一時間ほど歩き。木陰で休憩しようと腰をおろし、バッグからお茶のペットボトルと百均の折りたたみ式の椅子を取り出し、気づいたのである。


「自転車も入れてきたじゃん!」


 何故すぐに気づかなかったのか、ついついこの自然溢れる景色を堪能してしまっていたのか……。すんでしまったことは仕方がない。

 これから先は自転車で進むことにしよう。道は舗装されてないけど、歩いてきた感じ石は少なくしっかりしていた。人がよく通るのかな。未だに誰ともすれ違わないけど。風景もさほど変わった感じはない。村や街などはあるのだろうか……。いや、道があるということは人の行き来があるということだ。多分、どこかには着くはずだ。

 さて、一息ついたのでお茶や椅子はバッグにしまい、自転車を取り出し道なり北西方向へと走りだす。歩いていた時より、断然早い。


 一時間歩いて疲れたというよりも、寝不足で少し眠い。

 それもこれもあんな時間に来たあいつが悪いのである。こちらに来る時、日本での時間は深夜二時ぐらいだったのだ。ついた時こちらは明るかったが。まぁ、夜に来てたら街灯のない道なんて歩くのは怖いだろうし、不便だろうけども。人がすぐにいるところに出してくれても良かったんじゃないか。この世界に来た原因である神様ことあいつに苛立ってきた。


 そもそも、自転車で走りだし三十分ほど経ったのだが、未だに人を見かけない。この景色にも飽きてきた。つまるところ。

「……暇だぁ。暇すぎるよ」

 一応はスマホもあるから、入ってる音楽くらいは聞ける。だけど、流石にこの暇さで電池を無駄に消費したくはない。

「てか、どうしよう。このまま夜になっちゃったら」


 まだ日は高いままだが……野宿はさすがにしたくない。というか、あまり考えずここまで来たけど、ここが異世界だとしたら出てもおかしくないのである。いわゆる魔物というものが。今のところ人にも会えていないが、魔物らしきものとの遭遇もない。仮に野生の動物だとしても、犬や猫ならともかく蛇や熊とかだと困る。自転車で熊から逃げられるわけがない! 


「あ、なんかこういうの考えるのってフラグが立つとか……いやいや、まさかまさか」

 なんて考えて自転車でさらに三十分ほど走り続け、そろそろ休憩しようと考えていたその時、叫び声が聞こえた。

「え、なに? 誰? どこ?」

 小さな子供の声だった。そんなに遠くはないはず、自転車を漕ぐ脚に自然と力が入る。大きな木の横を通り過ぎた時女の子とその子に近寄る大きな犬が見えた。


「――そこ!?」


 幹が太いから見えなかった! てか、あれ犬かな? 結構大きく見えたけど、狼とか? いや、そんなことよりあの子大丈夫?

 そう思いつつ急いでUターンし、女の子と犬の間に自転車で入り込む。犬は一匹だけであるが大きい。どうしよう、怖い。犬でも異世界の犬は怖い! 涎垂れてるし、牙見えてるし、目が赤い! でも、なんとかしなくては。

「えっと……お嬢さん、言葉が通じるならここに座って! 私に抱きついて!」

 自転車の荷台部分を指さし、目線は犬に向けたまま、女の子に話しかけてみる。


「は、はいっ」


 通じた! おぉ……この世界で初めての会話だ。って、そんな場合じゃなかった! この犬をどうするかである。えーっと、バッグには何が入ってたっけ? 女の子が荷台に跨がり、私の腰にぎゅっと抱きついてきた。あ、ちょっと惜しいけど、これとかどうでしょう! 取り出しますは、国産牛のサーロイン! 本当ならパックに入ってたはずだけど、お肉のみをイメージしたから、そのままですよっと! 犬の後ろ側にぶん投げると犬がそちらへ興味を示した。よし、このままとんずらしよう!


「ちゃんと掴まっててね!」


 自転車を全速力で漕ぐ、立ち漕ぎじゃないけど今までで一番の速度かもしれない。というかこの道ほぼ平坦で良かった。きつい坂道とかあったら今頃バテてたかも。というか、犬は振り切れたのか? 後ろを振り返ると犬はもう見えなかった。良かった、スピード落としてゆっくり行こう。しばらく走り続けると、女の子も安心したようだ。


「あの、ありがとうございました」

「いやぁ、なんとかなって良かったよ、すごく怖かったしね」

「お姉さんはすごい人なんですね」

「えーお姉さんって歳じゃないよ。もうすぐ、みそ……」

 あ、違う。今の私十五歳だった。あいつが若くしてくれたんだった。

「みそ? えっと……?」

「あ、いや、なんでもないよ。 まだ十五歳だったわ。というか、この辺で少し休憩してもいいかな?」

「はい」


 さて、凶暴そうな犬とかがいないことを確認して、木陰近くで自転車を止めた。バッグから未開封の水とコップ二つ、折りたたみ式の椅子も二つ取り出し、水はコップに注いで、女の子に渡す。

「はい、喉かわいたでしょ? ただの水だよ」

「え? あ、ありがとうございます」

 女の子は驚きながらも水を受け取り、こくりと飲んだ。

「わぁ。冷たくて、美味しいです! お姉さんは魔法がお上手なんですね! よくわからない物やこんな綺麗なコップは初めて見ました!」


 ん? 魔法とな……やはり、ここは異世界なのかぁ。女の子もよくよく見れば、緑がかった銀髪で瞳の色は金色である。これは外人さんではないよな。どうしよう、どう誤魔化そうかな。


「あ、すみません。助けてもらったのにこんな美味しいお水までもらって。本当になんて言ったら良いのか――」

 女の子は椅子から立ち上がり、頭を地につくほどの勢いで下げた。

「いやいや! そんな、気にしないで。ほら、座って。聞きたいこともあるの……えっと、私千歩と言います。お嬢さんのお名前も伺って良いかしら?」

「あ、エレナです。チホさん助けてくれて本当にありがとうございました!」

「本当に気にしないでエレナちゃん。それよりもちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「は、はい。なんでしょう?答えられることなら……」


 私はいくつか聞きたいことを質問し、エレナちゃんは答えてくれた。

「そっか、色々と教えてくれてありがとう。これで貸し借りはなしだね」

「そんな、こんなことで良ければ全然。もっと、何かお礼ができれば良かったんですが……」

「本当に助かったんだからこれで十分! あ、でもまだお願いがあるんだけど良いかな?」

「はい、もちろんです!」

「この自転車やバッグのこととか秘密にしておいてほしいの」

「ジテンシャっていうんですね、これ。分かりました。秘密にしておきます」

「ありがとう。じゃあ、エレナちゃんの住む街まで行こうか」

「はいっ」

 コップは後日洗うとして、出したものを全てバッグにしまい、先程と同様に自転車の荷台にエレナちゃんは座ってもらう。

「おしり痛くない? 大丈夫?」

「大丈夫です。歩くよりも早くてビックリしましたけど、楽しいです」

 エレナちゃんは可愛らしい笑顔で答えてくれた。



「よし、じゃあ出発!ちゃんと捉まっててね」

 さて、異世界初日。まだまだ始まったばかり。私がこの世界にいられるのは十五年。はたして神様の願いは叶えられるのか。頑張らなくては!

書き溜めていないので、次がいつかは分かりません。

初めて書き、初めて投稿するので、おかしいところもあるかと思いますが、

優しくご指摘いただければと。

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