遺書
父さん、母さん。お元気ですか。
母さんへ。
バイトの面接にいって来ると出かけたのは、今朝のことでしたね。
苦しい家計なのに、なんとかハイスクールを卒業させてもらったのに。就職浪人。
「今度こそ、決まるといいね」
「うるせぇ ばばぁ」
心無い言葉を投げかけて家を出たこと、謝ります。
家の外壁を壊したこと、謝ります。
本当は、お弁当をもたせた母さんの優しい言葉が心に染みたのです。照れ隠しで暴言を吐いてしまったのです。
正直でないぼくを許してください。
まさかあれが、別れの言葉になるとは。
これまで育ててくれてありがとう。
もう、二度と会うことができないかもしれません。
恩返しできないのが心残りですが、元気で長生きして過ください。
ニートは卒業です。
オレは今日やっと仕事が決まりました。
とんでもなく遠くへいく仕事です。
バイトではありません。
生きて、家に帰ってくることはできないでしょう。
でも心配しないでください。
オレは元気でやっていきます。
ルゼェと言ってごめんなさい。
壁壊してごめんさい。
サンドイッチ美味しかったです。
父さんへ
50歳にもなって「ビッグになる」は卒業してください。
二次元アフィリは時代遅れです。
P.S
友達もできました。
可愛い彼女ができました。
となりのお姉さんも一緒です。
オレは今、宇宙にいます。