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超短編

錬金術

作者: ミーケん

【Twitter企画7作目】

 あるところ。海がなく、空がなく、川もない。そんな場所があったという。そこには『村』という集落が点々と位置しており、それぞれの『村』で独自の文化が長い時間をかけてできていた。

 ある『村』では川のない大地から水を得るために地下から水を得るための「井戸」を造っている。しかし、別の『村』では水を得るために草を搾る。

 そんな『村』のひとつにとある少女がいた。

 まずはその『村』のことについてだ。その『村』では「錬金術」が発展した。水は土から造る。それにより、池を造り、他の『村』より発展していた。しかし、その『村』だけは周りに柵を設置し、外に出ることをなぜか厳しく禁止していた。

 そんな『村』の少女の名前は「ユーナ」といった。

 彼女は昔から人より好奇心が旺盛でなんでも周りの大人達に質問をしていた。

「なんでユーナのからだは大きくなるの?」

「なんでユーナは産まれてきたの?」

「なんでお空がないの?」

 そんな質問をされた大人達は答えるのに困っていた。

 彼女は大人達が質問の答えをごまかすとそれを察して再び同じ質問を答えるように迫ってくるのだ。だから適当に答える訳にはいかない。しかし嘘を吐こうにも『村』の規則でそれは禁止されている。

 そのため大人達はできる限り簡単にそれに答えてユーナを満足させてきた。

 そんなユーナがすこしだけ成長し、12歳になった頃、ある質問を大人達にしたのだ。


 「この『村』はなんで柵で囲まれてるの?なんで外に行っちゃいけないの?」

 

 それは大人達も昔から思っていたが、恐れ多く、どうすることも出来ずにいた質問だった。大人達はそんな質問に対し、それぞれで思っていた妄想を次々とユーナに話始めた。

「外には化け物がいる」

 とか

「この『村』は特別」

 とか。

 しかし、どれも彼女を満足させるには不十分で、大人達もそれが本当とは思っていなかった。

 そんな状況に嫌気が差した1人の大人が彼女に言った。

「長老に聞けばいい」

 と。

 ユーナはそれに賛成し、その大人に連れられ、『村』の奥の方。【祭壇】のある方へと進んでいった。

 長老はいつものように【祭壇】で祈りを捧げていた。そうすれば色々なものが作れるらしい。つまり【祭壇】は錬金術の道具なのだ。

 長老はユーナ達の足音に気づき、その儀式を中断して彼女達の方へ向いた。

 長老に対するユーナの印象は優しいおじいちゃんという感じだった。しかし、ユーナの初めて見た長老の儀式の姿はそれとは逆にとても不気味な姿だった。黒いマントのようなものを羽織り、赤いなにかを【祭壇】に捧げていたのだ。

 そんな儀式を中断した長老はユーナを見て一瞬訝しむ表情をしたが、悟られないように笑顔を向け、言った。

「ん?どうしたんだい?」

 長老のそんな質問に大人が答えた。

「ユーナが長老に質問があるのです」

 長老はそれを聞き、すぐに彼に言った。

「わかった。まずお主は帰れ」

 彼はそれを聞き、すぐに反抗した。彼もユーナと同じく好奇心が働いたのだろう。なぜ外に出てはいけないのか。

「なぜです!?ボクにも───」

「帰れ!」

 長老の怒鳴り声をユーナは初めて聞いた。

 帰れと言われた彼はすぐに来た道を戻っていった。彼の姿が見えなくなった頃、長老がユーナに言った。

「それで?なにが聞きたいんだい?」

 ユーナはすこしだけ恐いと感じたが、それよりも好奇心が勝り、質問した。

「どうしてこの『村』は柵で囲まれてるの?どうして外に出ちゃいけないの?」

 それを聞き、長老はすこしだけ笑った。

「本当に知りたいかい?」

 ユーナは答えた。

「うん!」

「そうかい。わかったよ。ついておいで」

「わかった!」

 長老のゆっくりとしたスピードに合わせ、ユーナは長老についていった。

 長老についていき、着いたのは長老の家だった。窓が割れ、壁は剥がれ、そう。言っちゃえばボロかった。

「ほれ。行くぞ」

 長老に言われ、ユーナはすこし慎重に家の中に入った。

 すでにドアがなくなった玄関を通り、奥の部屋に行くとそこはよりボロかった。ところどころにほこりがたまっているし、もう長老が住んでいるのか疑問に思うほどだった。

「ははは。悪いね。汚いだろう?」

 長老はユーナの考えていることを見通したように笑って言った。

 ユーナはただただ正直に答えた。

「うん」

 すると長老はまた笑った。

「うんうん。正直でよろしいぞ。おや、そういえばこの『村』について聞きたかったんだったね」

 ユーナは頷いた。

 それを見て長老はなにも説明せずに後ろを指差してこう言ったのだ。






「これが理由さ」

 そこには白い───。





 そこにはなにがあったのか。

 そんなことは誰も知らないし誰も知れない。

 






 その『村』は未だにそこにあり続けているらしい。

 しかし、ユーナはこれ以降『村』から忽然と姿を消したという。聞くところによると持ち物も消えてしまったため、外に出たんだという。







 ───あ、そういえばもうひとつ質問があるんだけどいい?





 あぁ、いいよ。





 ──なんでここには大人しかいないの?





 ふふふ。

 







 そんな『村』のお話。

ミーケんです!

2日も投稿できずに申し訳ないです!!

これからはちょっと事情があり、約1週間投稿ができなくなります!!

でも、それが終われば再び投稿再開しますのでよろしくお願いします!!

では!ミーケんでした!

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