綿菓子食べるんだよ!
……あれから数時間が経った。
(痛た……と思ったら、あまり痛くない……。なんでだろ……。ていうか、さっきの何だったんだろ……?)
『……て! ……っと! ……っば!』
(あれ……? すぐ近くに誰かいるな……。とりあえず……起きなきゃダメっぽそうだし……。目を開けないと……)
わたしは目を重い目、ゆっくりと開いた。すると目の前には涙目でも身体にもふもふした服を着て、ふわふわした白い髪の女子がこちらを見つめながら、声掛けをしていた。
『ねぇっ……!? 大丈夫……!? 意識ある……!? 頭蓋骨凹んでない……!?』
(ぅん……? さ、最後の問いはなんだろう……? わたし、奇跡的に無傷ですけども~……。喋れない……。もふもふの割は……結構な圧力が強かったみたい……)
目は開けられたものの、喋る力がない為、どうしようもないと思っていた時だった。
『ほら! これ食べて! すぐに元気になるはずだよ!』
そう言うとわたしに綿菓子をくれた。
(えっ……? 綿菓子? なんで……? まぁいいか……。この際、どうにでもなれ……。)
と思っていたら、女子は無理やり綿菓子を口に詰め込んできた。
(ちょっ……!? モゴモゴ……!?)
『目を覚まして~! 意識を取り戻すんだよ~!』
女子は無我夢中で詰め込んでいた。
わたしは心の中で悟ってしまった。
(や、やばい……。助けられる奴に殺される……)