第六話 魔法都市カルク
5歳になった。
誕生日にはささやかな家族パーティーが開かれた。
この国には、誕生日を毎年祝うという習慣は無いらしい。
だが、一定の年齢になると、家族が何かを送るのが通例なのだそうだ。
一定の年令とは五歳、十歳、十五歳。
十五歳で成人であるから、非常にわかりやすい。
ジルからお祝いに剣をもらった。
片手剣だ。
五歳児が持つにしては少し長い。
片手剣はきちんと鍛造されたもので、刃もついていた。
子供が持つようなものではない。
「もうすぐシルフィーが行く学校は、迷宮があるからな剣の一本でも持っていた方がいいからな」
迷宮があるのかなんだかオラわくわくしてきたぞ。
サラからは一本のロッドをもらった。
30センチほどのスティックの先に小さな青い石のついた、質素なものだ。
「シルフィーは魔法が使えるからきっと役に立つわ」
「お母さんもお父さんもありがとう。こういうのが欲しかったの」
そう言うと、両親にぎゅっと抱きしめられた。
翌朝
サラとジルが荷造りをしていた三つも。
「お母さん、なんで三つもあるの?」
私は疑問に思っていることを率直に聞いた。
「私達も着いていくからよ」
「子供一人だけに一ヶ月の旅はさせられないからな」
「え、一ヶ月も掛かるの?」
「あぁ、本当はここから2日で行けるところにもあるがシルフィーには退屈だろうと思ってな」
「そこの学校には上級魔術師までしかいないから高い金を出してまでいく必要はない所だ」
あぁ、上級までなら使えるから私にとっては退屈だな。
「シルフィーが行く学校には聖級、王級魔術師がいるからな退屈はしないだろ」
なるほど聖級、王級は魅力的だ是非とも見てみたい、使ってみたい。
ちなみに魔術の強さはこんな感じだ。
初級
中級
上級
聖級
王級
帝王級
神級
の七ランクだ。
以上魔術入門の提供でお送りしました。
「それに、学費は変わらないしな」
「お父さん、いくらくらい掛かるの?」
つい気になって聞いてしまった。
聞いてよかったのだろうか。
「ん、六年間で金貨二枚だ」
金貨二枚っていくらだ?金貨だから高いのか?わからない。
「お父さん、金貨二枚っていくらなの?」
「ああ、すまんシルフィーにはまだお金のことは教えてなかったな、………」
ジルの話をまとめると
銅貨一枚 100リア銅貨が十枚で銅板一枚
銅板一枚 1000リア銅板十枚で銀貨一枚
銀貨一枚 1万リア銀貨十枚で銀板一枚
銀板一枚 10万リア銀板十枚で金貨一枚
金貨一枚 100万リア金貨十枚で金板一枚
金板一枚 1000万リア金板十枚で白金貨一枚
白金貨一枚 1億リア
リアは円と変わらないみたいだ。
「まあ、お金のことはシルフィーは気にしなくていい」
「シルフィーは学校に受かることを考えてればいいのよ」
ん、お母さん今さらっととんでもないこと言わなかった?
「え、受験があるの?」
「シルフィーなら大丈夫よ、読み書き計算が出来れば入学するのは簡単よ」
「え、それだけ?」
「あと、軽い面接があるわね」
大丈夫だろうか?
翌朝
家族で学校のあるアルバニア王国の魔法都市カルクに向かった。
幼少期はこれで終了です
これからもよろしくお願いします。