第一話 目が覚めたら異世界で女の子
温かい水の中から強烈な圧迫感がかかる
(痛い!いたい!なに!!)
温かい場所から放り出されて冷たい針が肌に突き刺さる
(いだだだだ!いたいって!!)
温かい水に浸けられるさっきより痛みは和らいだ
(なに!なんなの!!。)
目を開けると、銀髪の女性が私を見ていた。
正直言ってかなりの美女だと思う。
(誰だ?看護師?)
女性の隣には、金髪の男性が満面の笑みで私を見ていた。
優しい真面目そうな男だな。
「―――・・・・―――・・」
女性が笑顔で私を見て男性になにかを言っている。
なんだか聞き取りにくいし、なんて言ってるのか全然わからない。
日本語じゃあないのか?英語?はどっちにしろわからないな(英語の成績は下から数えた方が早いし)
「――・――・・・――・・」
男性は少し不思議そうな顔をして女性と話している
さっきまで満面の笑みだったのになんだ?
「―・・・・―・―・・」
どこからか複数の話し声が聞こえる、姿は全く見えない。
私は起き上がろうとした。
体が動かない、手や指先は動くでも起き上がれない。
(もしかして下半身不全?)
「あ、ああう~?」
ここはどこ?って聞こうとしたのに聞こえたのは赤ちゃんの声だった。
(ん?赤ちゃん?)
「あうあうあ~?」
ここはどこ?あなたたちは?って聞こうとしたのに聞こえたのはまた赤ちゃんの声だった。
(もしかして、私が赤ちゃん?)
「――・―・―・・・―・―」
女性が心配そうな顔で私を見てなにかをいっている。
「―・・――・―・・―――・」
なんだろう?と思ったらいきなり女性に抱き上げられた。
抱き上げられたおかげで全身が見れた。
(どうやら本当に赤ちゃんみたいだな~)
と物心ついた初日にそんなことを思っていた。
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1ヶ月後
どうやら最初に見た男女は私の新しい両親みたいだ。
男性の年齢は30後半辺りだと思う。
女性の年齢は20の後半か30前半辺りだと思う
言葉は相変わらずまだわからない、ただここが地球じゃあないことだけは分かった。
母親がどう見てもエルフだからだ。あとどこかファンタジー系ゲームみたいな服装をしているのも理由だ。
最初のころは家電製品も陶器の皿もない物凄く貧乏な地球の家に転生したのかと思っていた。
ちなみに私はどうやら女の子に転生したらしい。
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半年後
言葉は半年も聞いていればかなり分かってくる。
赤ちゃんのせいか、物覚えもかなりいい。
この頃にはると一人でハイハイができるようになった。
一人で移動が出来るのはいいことだ。
「目を離すと直ぐにどこかに行っちゃうの」と母がこの前父に相談していた。
移動が出来るようになって分かったのだがどうやらここの家はかなり裕福だ。
建物は木造の二階建て、部屋の数は8部屋でメイドを二人雇っている。
家族構成は父名前はジル・ロア・ブリュケッド、母サラ、私シルフィー
立地はハッキリ言って田舎だと思う、この家の窓から見た光景は綺麗な麦畑だった。
他の家はかなりまばらだが窓から見えただけで3~4軒程度だった。
かなりの田舎だな。
などと思っていたら、バランスを崩して椅子から落ちてしまった。
「うわぁ!!」
落ちた瞬間叫び声が聞こえた。
見てみれば父親が真っ青な顔で私を見下ろしていた。
「シルフィー大丈夫か!!」
父親は慌てて駆け寄ってきて、私を抱えて調理場にいる母のもとに私を運んで行った。
母は父から事情を聞くと母は真っ青になったっていたが私を見て安心していた。
「一様念のために……
神なる力を糧とし、力を失いし者に再び立ち上がる力を与える
『ヒール』」
母の手が淡く光ったと思ったら頭に感じていた痛みが一瞬で消えた。
(え、いまのなに?魔法?)
「これで大丈夫よ」
「良かったな、シルフィー母さんが治癒魔法を使えて」
(魔法か…私にも使えるかな?)
期待を胸に私のは父の書斎に行くことにした。
人物紹介
父
ジル・ロア・ブリュケッド
人族
母
サラ・ロア・ブリュケッド
エルフ
私
シルフィー・ロア・ブリュケッド
ハーフエルフ
これからもよろしくお願いいたします