7゜口口ーワ″
おしり
ーーーこれは夢、ずっと昔の小さなころの夢。
「ねえ、おにいちゃんどうして村に帰らないの?」
「いいから走るんだ!!!」
二人の年端もいかないような少年が草木を踏みつけながら、何者からか逃げるように森を走っている。
この二人は同い年のようだが身長が少し違った。
正確にはその何かから逃げるように走っているのは一人で、もう一人はその少年に手を引かれているので走っているだけだ。
その手を引いているおにいちゃんと呼ばれた大きい方の少年は息を切らし始めている。ハァ///ハァ///と呼吸し辛そうにしている。
しかしもう一方の手を引かれている小さい方の少年はまだまだ余裕そうでこの少年の兄(?)の後ろを走っていたが横に並んだ。
「パパとパパに怒られちゃうよ?」
実に子供らしい理由で自分の住んでいた村に、自分の両親が待つ家に帰ろうと自分の兄(?)に言う。
だが、その問いに答えられるだけの余裕がお兄ちゃんと呼ばれた大きい方の少年には無かった。
自分よりも小さく、また弟に体力的に負けているとは実に情けない少年である。がそこは触れて上げないほうがよさそうである。
小さい方の少年も大きい方の少年の必死さと両親から入ってはいけないといわれていた森に何があるのだろうか?という好奇心があり、大きい方の少年とともに森を走る。
また、帰ったら入ってはいけないと言われていた森に入ったことを怒られるという思いもあったがこれまた別の話。
ともかく大きい方の少年が小さい方の少年の手を引っ張り、森を走っているということである。
またこの二人は穴兄弟のようで大きい方が兄、小さい方が弟ということらしい。
また、今の二人の表情もだいぶ違う。
兄は何者からか逃げるように必死で泣きそうな表情で走り、弟は好奇心旺盛に無邪気に笑いながら走っている。
兄は弟ののんきさに多少苛立ちもするが、今はそれどころでもないため、また何が起こっているかも自分でもわけがわからないので、何も言わずにただ弟の手を引いてただ走る。
「どこまで行くの?」
弟の問いに兄は答える術を持たない。ただひたすらに悪夢から逃れようと走り続けているだけだから。
「あっ!?」
ここまで全力で走っていたからだろう、体力に限界が訪れ足がもつれ、兄は地面へと華麗に飛びこむ、そして地面と濃厚なキスを交わす。~ファーストキスは地面の味~
「痛っ!?」
地面に華麗に飛び込み、濃厚なキスを交わした兄は当然のことながら足を擦り向いていた。顔も傷だらけ+13だ。
「ヒッ!?」
その痛みは、足を止めてしまったことは、そして目の前に何かが現れたことが少年の必死に保ってきた心を砕くには十分だった。
「お兄ちゃん大丈夫?」
地面と濃厚なキスをして、その代償として体中を汚され、傷だらけ+10になった兄の顔を心配そうに弟は覗き込む。
けれども兄の視線は弟ではなくその後ろを見ていた。
「ケソア、ま、前」
兄は怯えたように弟に後ろを向くように言った。
そこにいたのは狼だった、別段大きいというわけでもなく普通のスモールウルフと呼ばれる少々小さめの狼だ。大人であれば一人でも対処できる相手だったが、子供であれば当然その術を知るはずもない。
狼はグルルルルと喉を鳴らし二人を威嚇する。
弟は怪我をした兄を庇うようにスモールウルフと兄の間に立つ。元々位置関係的にその位置に立っていたわけだが、そこについてはツッコミは受け付けない。
それとまだ年端もいかない子供がそんな行動とるわけねーだろというか言うツッコミもフィクションだから一々ツッコミ始めたらきりがないと言わせていただきます。
数十秒にらみ合ってからだろうか、スモールウルフは虚空に向かって吠えた。
それは対峙する二人においてスモールウルフの圧倒的な隙だったが、ケソアは動かなかった。
--------そこで僕の意識は急速に覚醒し、夢から覚めていった・・・。夢精していた・・・。
うんこ