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キセキの反乱少女  作者: 華山
第一の落下
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笑っていますか?

わたしの顔は笑っていますか?

安心するような穏やかな笑顔ですか?

上面は、笑っていますよね。

笑わなきゃ。


わたしは思う。


笑わなきゃ。


誰かに心配をかけてしまう。


笑わなきゃ。


せめて、この声が聞こえるところは、絶対に。


解らない。

武器を返してもらった。

町を火で囲む。


わたし達の


「邪魔をしないで」


また一人、殺す。

子供だけはと、命乞いをする親。

関係なかった。

盛大な口封じなのですから、当然。

羨ましい。

こんな親の元で生まれて幸せだね。

だけど、ゴメンね。

また、三人。


自由を


「奪わないで」


何処だろう。

彼の声が響いている気がする。

わたしの名前を呼んでいる気がする。

わたしを殺そうとする人がいた。

迷わずに、切る。

鎖に『破壊』を付与して、切る。

破壊とは、否定する力だと思っている。


人格を破壊。

精神を破壊。


置き換えても違和感は無い。


人格の否定。

精神の否定。


中々解りやすいよね。

わたしがルカやコウにした行為は、枷を外す行為だ。


世界と言う収容所があります。

住民は囚人。

枷は世界と住民をつなげる縁。

出入り口には、鍵がなくて世界の外には道が広がっている。

見回りさんは・・・世界の意思。

場合にとっては、無理やり外に出されたり、殺されたりもありえる。


「現実逃避みたい」


眼に映るものを全て切り伏せる。

人も動物も何もかも。

破壊活動をすれば、何処かの世界に吐き出されるんだろうな。


カレルを、どうしようか。

どうしようか。

どう、しようか?


「嘘」


急に吐き気が出る。

わたしは、カレルをどうしようと思った?


やっぱり殺そうと考えていた。

なんで、関わった人の命を軽々しく・・・

そうか仲間じゃないからか。

うん、なら納得。

雇ってるしそれなりに黙るはず。

不思議と堂々巡りする。

否定しても否定しても、また疑問が浮いてくる。


「わたしは、ここに居るのになー。

迎えに来て欲しいよ、って言ってみる」


寂しいな。

火の燃え盛る音。

人の気配が感じられない。

あ、悲鳴だ。

あっちに、誰かいる。

わたしの家族が居る。


「エルデナ!!」


わーいと駆け寄るルカ。

犬のような尻尾と耳が生えてるように見えた。

なぜに、あの朱色のコートではなく黒コートを着ているのですか?

可愛いなぁと和んでしまう。


「ごめんよ、抱きしめたいけど・・・

コートが血で汚れてさ。

今、着てるコートには一滴でも掛かってないけどね!!」


なにやらと衝動に駆られているらしい。

んー、わたしも、ちょっとねぇ。


「座って」


「ん」


忠犬!!

なんだろう。

凄くワシャワシャしたいです。

うん、撫でようか。



頭を撫でると、眼を細めて気持ち良さそうだ。

この柴犬な耳も撫で回したい。

コレって、幻視ですね。

なんだろう。

ルカが犬みたい。


「あのさ、コレつけて」


!?

首輪!!

慌てますよ。

そんな、首輪は!!

今さっきから犬みたいだなーって和んでいたのに、

冷水にかけられたようじゃないですか!


「駄目?」


なんで、そんなつぶらな眼でわたしを見るのかな・・・。

複雑です。


「いいよ。

もっと、近くに来てね」


にこーっと花が咲くような笑顔。

なんだろう、この可愛い生物は一体。

ルカが犬のようで可愛いです。

うん、可笑しい。

中々手間取ります。

首輪とか着けたこともないし、

わたしなんてこういう奴はベルトでも手間取るのにっと。

こんなもんかな。


「できたよ」


いうと、何度も首輪を撫でる。

ニコニコニコニコ、可愛いです。

癒されてしまう。


「エルデナ、えーっと」


「言わなくても解るから」


本当に癒されます。

こんな状況でも、本当に。


「生存者無しだ。

何をしているこんな状況で、本当に何をしておる?」


銀の言うとおりだ。

言うとおりですけど、ね?

睨まれても、わたしやルカが怯むわけもなく

銀が呆れている。

一部始終見られていたのですね。


「なぁ、銀。

奴らはバカップルか?」


失礼な!

わたしたちは


「どちらかと言うと、飼い主と犬な関係?」


それを言いますか!!

そんな趣味、わたしには無いです!!

そりゃあ犬みたいでかなり和んでいましたけどね。

この血の海の中で和んでいましたけどね。


「どうして、彼がいるの?」

赤の中でも喜劇。

それでも、彼女たちは日常に位置づけられる。

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