ここに居る
自由を奪わないで
邪魔しないで
したらね。
壊すよ。
夜が開け、わたし達は町に着いた。
わたしは雑貨店を見ていた。
少しはいいだろうと、少しは離れてもいいだろうと思った。
ここではこの世界では殺しは罪らしい。
あの時、誰か生き残っていたのだろうか?
いや、誰かが見ていたのだろうか?
解らない事に考えても無駄か。
「水華。大丈夫?」
『だいじょーぶ、なの!!』
水華は体に宿っていて、気付かれなかった。
でも、でもだ。
武器を奪われた。
非常に困る。
指輪はすぐに返された。
普通の指輪らしい。
銀、いい仕事をしています。
ルカたち、来るかな。
来るでしょう。
なんせ、ルカは幼馴染?で腐れ縁??みたいな人だし。
一番付き合いが長い。
夢の中で会っただけ、そして、ずっと長い間傍に居て笑っていた。
今は、ちゃんと出会って笑っている。
わたしが居なくなれば、異常が無くなる。
だから、このまま死ねない。
さて、ここから出よう。
さて、檻を破壊しよう。
睨まれても関係ない。
貴方も死に逝くから関係ない。
「奪うなら、奪ってあげる」
命を。
命で、支払ってもらおう。
わたし達から自由を奪うなら
わたし達から誰かを奪うなら
わたし達の邪魔をするなら
殺す。
嫌な匂いだ。
でも、慣れた。
肉の焼ける匂いなんて、慣れた。
慣れって怖いね。
さて、水を被らせて、うん。
「水華、ご飯だよ」
『わーい!!』
皮を喰らい、内臓を食らう。
そして、心臓を喰らい出すだろう。
檻に触れる。
壊れろ。
念じるだけで、破壊できる。
ああ、なんて便利だろう。
外に出ようか。
そういえば、カレルは、味方なのかな?
敵なのかな?
関係ないや。
カレルに直接聞けばいいから。
慣れは怖い。
コレが彼女達の日常になるのか。
なんとも、思わなくなるまで近いのだろう。