思いの行く先
考えるとキリがない。
幸福に制限が無いように、不幸にも制限が無い。
わたしたちは、次の目的地に向かう事になっている。
考えると、アレは血管に毒を送り込む行為だ。
でも、ルカや銀、コウ、わたしを排除しようなんて
許せるわけも無い。
なら、世界なんて、死んでもいい。
この世界の住民なんて敵だし、
いずれかはカレルも敵になるんだね。
そのときが来たら、殺せば良い。
ただそれだけだ。
「どうかしたの?。」
うーーん、ルカってこう、純粋さが感じて
胸キュン?する。
優しい、笑顔とか、たまらない。
ルカ本来の笑顔なんだよ。
「なんにも、さ、早く準備しよ。」
お泊りの準備。
洞窟で、一晩過ごす事になった。
銀とカレルが食料で、
わたしたちが乾燥した木の枝を拾う係り。
「了解!。」
本当に、楽しそうに笑っている。
わたしと大違いだ。
わたしは、馬鹿だからかな。
一緒に居るのに意味がある。
そう思いたい。
この時間がわたしたちにくれた贈り物。
木の枝を拾う。
この木の枝のように、
本来朽ちる物を自分の物のように手にする。
普通なら、集まるわけも無い、枝。
普通なら、会う筈の無い、わたしたち。
そして、この枝は、燃やす。
そのために拾う。
「ねぇ、この蔦で拾ったコレを束ねない?。」
一回ずつ持って行くより、束ねて持っていたほうが
効率が良い。
「いいと、思うよ。」
もし、もしだ、わたしという紐が切れたら
ルカやコウ、銀はどうなるのだろうか。
「ん、じゃ、束ねるよ。」
・・・。
というか、さ。
コウの空気、気配の無さにはわたしが困る。
「お前らって幸せそうだな。」
コウの疑問もしょうがない。
わたしも、
こんなにニコニコ幸せそうに笑っているルカを
見たことは無いからね。
「当然じゃないか。
なんせ、エルデナの傍なんだぜ!!。」
キャホーイという勢いで集めた枝を束ねて
抱え込む。
ルカの集めた枝が多い。
「わたしも、持つよ?。」
ルカの枝の量は異常だ。
わたしや、コウの集めた量より上。
「大丈夫だって、
あ、二人の分も俺が持つね!。」
見えない何かで、ひったくられる。
あれ、なんだ。
「ふふふ、すごいでしょう。
コレって便利だぜ。
手の代わりなるし、盗聴とかもできそうだし。」
すっごい良い笑顔で言われても、
その答えには返答が困ります。
盗聴、すごい。
というか、乱用してていいの。
「エルデナ、声に出てるよ。」
!!。
嘘だ、嘘だよ。
声に出した覚えも無い。
「ほんとだよー。」
ななななななな、なんですと。
今も、ニコニコしているに間違えない。
あぁ、もう、どういう事態になってんのよ!。
「可愛いなぁ、もう!。」
あのね、ルカが幸せなら、わたしは構わないよ。
構わないけどね、
ああああぁぁぁぁあ、何を言おうと思ってんの!!。
言おうではなく、思ってんの、が正しいか!。
「早くしたほうが、いいと思います。」
たしかにね、ご飯。
ご飯だもんね。
ある意味、まずい飯なんて食えないもん。
「そうしよ、ルカ、はやく行こうね!。」
抗議の声がルカから聞こえたけど、
駄目なモンは駄目。
「無駄口をたたかないの!。」
つ~~、なんで、ルカに調子を崩されるのよ!。
まったく!。
「はーい。」
なんか、わたし、どうかして来てる気がする。
浮かぶ、沈む。
自覚するのか、してないのか、解らずじまい。
今は、先の、未来のifを考えても無駄に等しい。
未来は、まだ、定まっていない。