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キセキの反乱少女  作者: 華山
第一の落下
15/22

異常だと気付いても後の祭り

理解はしていた。

だけども、魅入られた。

異常だ。

私がこいつらを見て感じた言葉。

この国では殺人は少ない。

族はまぁ、捕縛が主流だ。

なのに赤いのは迷わずに殺した。

異常だ。

そして、危険だ。

コレを自治軍に言えばこいつらは捕縛され、裁判にかけられる。

かけれたらの話だ。

その前に私が殺されるだろう。

そう予感させる。

言わなければ良い。

言わなければ、何も無い。


「どうかしたのか?。」


もしだ、私が言って自治軍がこいつらの捕縛に成功したとしよう。

そしてだ、裁判で死刑とか出たら、どうするんだ。

無理だ。

遭って欲しくも無い。

ましてや、こんな餓鬼でも死んで欲しくない。

だから、言わなければ良い。

それが罪になろうと私は言わない。

言わなければ良いんだ。


「何も無い。」


安い、格安の金で雇ってくれと言ってしまった私は従うしかない。

雇われた身なのだから当然の事だ。


「そうか、次も真っ直ぐか?。」


「あぁ。」


こいつらはツギハギな構成だ。


まずは、ルカ。

大柄で血の匂いすら感じるヤバイ筋。

本音から言っても関係を持ちたくないタイプ。


無表情なコウ。

細身で大剣を振り回すアンバランス。

表情と言うのが余り感じない。

腹の中は何を考えているんだ。


赤のエルデナ。

白くて、純粋とも言うべきだ。

だが、この中では異質さ、歪なあり方を感じる。

不安定な何かを感じる。

こいつからは強烈な赤の色を連想させる。

服装には白が多いが、それでもだ。


白い髪の銀。

子供なのに奇妙な色気がある。

こう、色っぽい。

ふとした時の仕草が大人っぽく可愛い、綺麗を感じた。


どれにしろ歪なんだ。

ありとあらゆる国の工芸品でも狭い部屋に置いてあるような混沌。

オカシイ、可笑しいぞ。


「本当に大丈夫か?。」


平気だと主張する。

それでも、頭の中が掻き回られるようだ。


殺せと言う声がした。


無理だと私が言う。


それでも、殺せと声がした。


一人も殺せるわけがないだろう。

無理だと言ったら、無理なんだ。


このぐらいは自分で何とかできる。

何とかできるはずなんだ。

何でココまで、幻聴するんだよ。

あぁ、嫌だ。

気持ち悪い。

きっと、高山病なんだ。

だから幻聴もするし、頭も痛いんだ。


「本当に大丈夫だ。」


大丈夫ではないが戦闘の邪魔にはならないと信じたい。

この小さな命を守ってみたいと思う。

小さい命、大人とも思わせる仕草。

どれもこれも、・・・。

ロリではない。

子供大好きとかではない。

ありえないありえない。

今の顔は絶対に真っ赤、そのものだ!!。

あぁ、俺はどうなっているんだよ!?。






「落ちてるね。あいつ。」


くく、面白い。

可哀想にね。

蜘蛛の糸に絡まれて、もう離れない。

引きちぎれない。

落ちる瞬間は、心地好いものがあるわけだし。


「同情はしませんよーだ。」


笑える。

こうしてはまだまだ、目的地には遠くも近くもないのです。


「ん?ってことは」


からかって遊ぶ事もありって事か!。

わーい、楽しみだ。

さてとお姫様の観察を続けますか。

目的地に行きたくないな。

着きたくないな。

気が付けば、その無限ループ。

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