外伝、わたしのおもう所
解らない、解らない。
感じれない、この人たちの痛みなんて解る訳もない。
聞いて下さい。
聞いて下さい。
わたしは国を一つ潰しました。
肉の焼ける匂いも叫び声も聞いています。
なのになのに、何も思いません。
感情の欠落した人間でしょうか?。
今の自分ってどんな顔をしていましたか?。
笑っていましたか?。
怒った顔でした?。
無表情でしたか。
血に濡れるのはルカやコウ、銀。
わたし以外の家族が汚れます。
わたしも汚れている。
わたしの我が儘で国を壊しているのですから。
ルカを傷つける事は許せません。
だから、わたしは壊すのです。
容認していた、黙認していたこの国の人たちを殺すのです。
まるで、氷のような感じがします。
心が氷のようで、汚れているわたし。
誰かに復讐されも仕方がないと解っています。
それでも、わたしはこの鎖で払います。
邪魔者も復讐者も、わたしたちを殺すもの、阻む物はすべて壊します。
「だから、死んで。」
また、逃げ回る子供を殺します。
単純作業と化した復讐劇。
ふー、朝も昼も夜も殺してばっかだね。
仮眠を取るぐらいしか能が無い。
あ、最近はお肉も食べれる様になりましたよ。
生肉は牛肉とか馬肉が好きですけどね。
だって、毎日が殺し、赤の日々ですもん、お肉はちょっと食べれなくなります。
「この辺り一帯は死滅した、次にいくぞ。」
赤、銀の髪が白い髪が赤に染まっている。
大量の血の匂い。
慣れてしまう。
でも、慣れない。
矛盾しているなぁ。
「うん、ルカ、コウ、行くよ。」
私の眼の先にはルカとコウがいる。
二人とも獲物が赤く染まっていて顔にも血飛沫が付いている。
コートは赤を通り越して黒の色。
「はーい。了解っと。」
笑顔でわたしの元に来るルカ。
ニコニコの上機嫌だ。
コウは無言で戻ってくる。
ルカの顔を凝視している。
驚くよね。
わたしもちょっと驚いた。
「ねぇねぇ、エルデナ。」
嬉しそうに笑顔で言うルカ。
わたし的にも嬉しいけど、何に喜んでいるのか解らない。
わたしは最低な事を言ったんだよ。
殺しなさい、と言ったのに笑っている。
「これから、ずっと一緒だよね。」
「一緒だよ。」
少なくても、今は確実に一緒だ。
言うと、答えると、極上の笑顔に変わる。
本当に嬉しいだね。
「そうだよねぇ、そうだよねぇ。」
嬉しそうにクルクルと回る。
剣を手にまだ持って左手で眼を覆い回る。
狂ったように回る。
「そうだよ。」
今はね。
いずれかは、誰かと死別をするかもしてない。
そんな時が来ても、わたしはわたしらしく居よう。
たとえ、わたしがルカがコウが銀が死のうとも、わたしは笑って済まそう。
それが一番、わたしらしいはずだから。
「お前等はオカシイな。」
独り言に等しい声がコウから響く。
誰にも返事もされずに響いてく。
せめて血の跡と匂いを壊そう。
その方が、良いに決まっているからね。
「つぎは、どこを壊そうか。」
また、血路を作っていく。
衝動に駆られ壊すのがこの日々の日常。
白が赤に染まるなんてあっと言う間。