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キセキの反乱少女  作者: 華山
始まりの呪音
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いつもの夢日常

誰かが聞いたらありえないというだろう。

でも、ここも現実の一つなのだから存在すると言う、思う。

わたしの目の前に広がっている町、世界は中にあるのだから。

今日も、ある男を待っている。

いつもの店のいつもの時間にで待ち合わせ。

あざやかな夕日、静かな夜その二つしかない。

本当に不思議だ。

夢なのに現実みたいだ。

・・・・・・・。

そんな事はどうでもいいのにね。

あの朱色のコートは…きたか。


「遅い。」


言うと申し訳なさそうに笑いながら


「ごめん、ごめん。」


彼はルカ、ファミリーネームがないらしい。

いい奴だとわたしは思っている。


「やっぱり…怒っているよね?。ごめんな。」


イケメンらしいけど、わたしにはどうでもいい。

幼い頃からよく会っているしね。

本当に反省しているのかな。

まぁ、


「怒ってないからいいよ。」


答えると困ったかのような笑い方をする。

解らない。どうして、そんな笑い方をするのかがわからない。


「席にどうぞ。」


いうと、席のほうを見る。

首が疲れるし、名案というものだ。


「はいはい、わかりましたよ。お姫様。」


形式的な言葉をわたしに返してくる。

座った。

さて、どうしようか。


「どういう話がいい?。」


けっこうの文化の違いで話が合わないのでこんな感じになっている。

だってここは夢の中なのだから、仕方がないのですが。

そして、思うからにたんに話のネタが無くなり出していたりもある。


「現実の…話がいいかな。」


遠慮がちに彼は言う。

眼をテーブルに向けて言う。

なぜかは、わからない。

彼とは、幼い頃から一緒に話をしたりするのが常だ。

なのに現実。

どうしてかが、理解ができないけどありえなくないネタだった。


「…現実かぁ。」


あんまり話したこともない。

あまりにも、プライベートすぎるネタだ。

でもわたしは、彼には芯がちゃんとある事に安心を覚えた。

うん、話そう。


「わたしの居る国は、やっと仮の平和に馴染めだした所。」


一言でいうならそうだ。


「それでも、裏の方じゃ未だに血生臭い話とかあるし、

ふつうに人体売買とかもしているよ。」


嘘ではない。

わたしのいる勝三区ではあまりないけど、

確実に横行している。

しかも、南の方では汚染が進行しており危険極まりない。


「良い所とかは?。」


的確な質問だ。

言うなら汚染が進んでない所だが、また聞かれると面倒だ。


「娯楽がそろっている事かな?。」


本当だ。

でも、裕福層位ではないとすべての娯楽を楽しめない。

わたしは普通だし。

ルカのほうを見る。あっ、目を逸らした。

ずるいよ?。

そっちから振ったくせに、変だよ。


「俺は、よくわからないな。」


…はい?。

とりあえずはいつも、注文しているメロンソーダを飲む。

この毒々しい真緑の液体がおかしくて好きだったりする。


「でってさぁー。外を眺めたり、お仕事ばっかで嫌だし

どうして、望んでもないのに柱として生きていかなきゃいけないのって話。」


それをノンブレスでいう。

かなりの鬱憤が溜まっているのかと納得する。

柱?専門用語だと推測する。

町とには出たこともないのだろう。

そうじゃないとおかしいし、前々から町の話を聞いこともない。

きっと、通る程度で買い物とかしたことは、ないのだろうと思った。


「本音で言うと

裏も表も同じな気がするし、どうこうとか解んないしな。」


わたしの方を向いている。

彼の目には、諦めとなにかが混ざり合っていた。

諦めた目自体はよく見ている。

なにかが解らない。


「生きたいっては思っているんだけどなぁー。」


困ったと言わんばかりに空を見る。

上を向いて空を見上げていた。


「こうして、エルデナと話したり買い物したいってのが本音かな。」


ぼやく程度に言う。

生きたいというのが本音だろうか。

わたしには何も感じない。

人を見ても、人が赤く染まっていても感じはしなかった。

わたしはどこかか壊れているのだろう。

ルカが羨ましく、感じた。


「ん…、明るくなってきたね。」


んーー!と背伸びする。

ふたたび、わたしと目が合う。


「こうやっていると思い出すねー。」


何のことだろうか。

考えても、思い当たりがない。

あの銀色鎖のブレスの事なのか、それとも短剣の事なのか

この二つしか思い当たりがなかった。


「何を思い出すの?。」


彼、ルカとの思い出はかなり濃いいから、どれか思い出せないと言う素振りをする。

ゆっくり思い出すとかなりの数が出てくる。

印象に深いのは

銀色鎖のブレスの事、短剣の事位だ。


「ん?、始めて会った頃だよ。」


にこりと笑うが眼には光がなかった。

あの時のわたしは、かなり病んでた風だったと思い出した。





たしか、あの時は殴られたよな。

エルデナがほかの男にね?。

覚えてる?。

やたらと、不思議そうに殴られた奴らの顔をみていたよねー。

んでさ、俺がそいつらを切り刻んでどっかに置くと

エルデナは聞いたよね?。


『なぜ痛いの?。』


って感じでさぁ。

くわしく、言えだ?。

無理無理、思い出しなよ。

で、次の言葉を思い出せそう?。

・・・・・・・・・。

はーい、タイムアップ。

答えは


『夢だったら、痛いわけがないじゃん。』


でしたー。

俺のセリフだぜ。

え?。なんで昔の事を覚えているかって?。

唯単に印象深くってアルビノじみたその容姿だからだよ。

しかも面白くってさぁ、どうしてそんな事を聞くのかなって思って

答えたらまたとんでも発言してさぁ。

俺はね、その時に確信したんだよ。この子と居れば退屈はしないってさ。

んで、脅すと誘って、マジで驚いたよ。

本当に笑えた。




「しっかし、まぁーよく続いたわけですよねー。」


本当にそう思うよ。

ルカってどこか可笑しいし、わたしもおかしい。

空のような気がするし、話とかしなきゃ空気と思えそうな感じがした。


「そうだね。」


実のとこ、絶妙なバランスでなりたっている。

こうやって、ルカと話をして居たい。

いつまでも、夢を見たいとわたしは思う。

現実のような夢。

ルカの贈ってくれたこのブレスも、この場所もどかしている。


「また、明日ね。」


ホントは、『このままだといいのにね』と言いたい。

なのに、言わない、言えない、答えない。

夜が明けて、また朝になる。

なぜか、ルカに色んな景色を見せたいと思う自分が居る。

自由じゃないと、言うなら自由にしたい。

そう思う自分が嫌だった。

もう夜明けだ。


「うん、そうだね。」


今日も 世界は残酷です。

多分誰もが同じ夢を見ることはあると、思います。

そんなところを出会いとしてこの二人に提供。

大変な事になりそう。

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