表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

00

ここは何処だ。


この建物はもしかして王宮か?


へぇ、近くで見るとこんなに大きかったんだな。学園から見るより何倍も大きくそして何よりキズ一つない純白の壁、見事なまでの彫刻が月明かりに照らされ神秘的な雰囲気を感じさせる。


授業で聞いた話によればこの王宮は物理的攻撃はもちろん魔法も一切効かないらしい。なんでもこのセレスティア王国の初代国王がかけた魔法により守られているらしい。試しに魔法をかましてやろうかと思ったがやめた。


見る限り警備の人は見あたらないのだが、もし見つかりでもしたら死罪は確定だろう。


まず王宮に一般人の自分がいる時点でおかしいのだ。


なぜここにいる立ってるのかすらわからないのに捕まりでもしたら大変だ。


だからといってこのまま帰る気はさらさらない。こんな機会は二度とやってこないかもしれないこの際王宮を探検してみよう。


自分でも馬鹿なことだとは思う。だが今はなによりも好奇心がまさっていて自分でも感情のコントロールが出来ないほど興奮している。


王宮は17年前の事件以来閉鎖的になっている。それより前は少しではあるが王宮内も一般公開もされ国王と直接話す場が設けられていたという。


王族は民と直接接することにより民の国に対する意見や感情を知りよりいっそうよい国に変えるためにという法律があったのだ。

今やこの国の王家の血筋もリファイン王子のであるため敵国の暗殺などが考えられるために教団側の助言により凍結された。


外見でこの美しさなのだ中は比べものにならないほどすごいに違いないというのが自分が導き出した答えだった。すばらく庭園を満喫して、ようやく長年の夢であった王宮内に侵入しようとした時突如静寂に包まれた王宮に爆音が轟いた。爆発が起き一拍をいて何十もの人影が王宮の塀を乗り越えてきた。見つからぬよう近くにあった生け垣に飛び込み身を隠した。


塀を乗り越えてきたのは教団の十字軍だった。なにが起きているのか解らない、もしかすると17年前のようなことが起きようとしているのかなどと思考をめぐらしているうちに隠れていた生け垣が消え去り炎の中にいた。


突然のことに驚きながらも急いでこの炎の中を出ようとしたが不思議なこと火傷どころか熱ささえ感じなかった。状況を把握しようと周りを見渡す。


そこにあった何百もの人の死体が転がっていた。ただの死体であったならまだよかった、腕がとれたモノ、臓物がはみ出したモノ、人としての原型すらとどめていないモノもある。


不意に吐き気がこみ上げてくる。死体を見たことがないわけでわない。今まで見てきたモノは完全な形であった。

こんな地獄のような場所から一刻も早く去りたかった。


少しずつ吐き気もおさまりあった。ふと耳をすませてみると金属がぶつかる音と声が聞こえてきた。そして音の方に歩き出していた。直ぐにでもここから離れたいと思っているのにまるで見えない何かに引っ張られているように歩み出す。


何かを問いかけるかのような悲痛な叫び声が聞こえる。それを嘲笑うかのように続いて金属音、魔法を使ったのだろうか地響きがおこる。


前には戦っている二つのシルエットが見えてきた。あと少し、あと数歩で見えてくる。心臓が早鐘のようになっている。まるで知ってはいけない何かがあるかのように本能がこれ以上進むのを拒んでいる。一歩また一歩と進みふいに視界が開ける。


そこには聖人を思わす雰囲気の男、そしてもう一人男を見ようとした瞬間に目の前が真っ暗になりそこで夢は終わりを告げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ