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吾輩の主人はホモ・サピエンスである

まぁ、1番は面白くないことは無いと思います。面白いかともまで言われるとそれは分かりかねません。ここまで見たならとりあえず、スクロールしちゃってください。旦那、奥さん、ご老体、ぼっちゃん、おじょうちゃん、学生さん。

吾輩の主人はホモ・サピエンスである。




飯を運んでき、住処を用意してくるものは主人(げぼく)であると(かかさま)から教わった。(かかさま)(ととさま)の主人は、この主人の父母であり吾輩は主人と共に空気が澄んだ静かな町からこの淀んだ、煩く人々が飛び交う街へと越してきたのだ。生き別れた兄弟たちは、主人の母の話では、主人の母の知人たちの家々で、のほほんと生きていることであろう。吾輩はこんなにも、空気が汚く、化け物が朝も夜も練り歩くこの街で日々忙しく生きているというのに。




吾輩の主人はなにやら部屋に籠り、なにやら自室に籠りなにやら開く物と格闘している。

主人が、格闘しているようだからたまに吾輩は、あやつの腹に登るのだが、パチパチ叩くのが癖になる。その感触は吾輩の本能に刻まれた灰色の薄汚い生き物'ねずみ'を叩くのに似ているのだろう。まぁ、温室産まれの吾輩はそのねずみなるものを見たこともないが。

主人はまだ、やつと格闘している。日も暮れたことだ。吾輩の祖先達は、日が暮れて狩りに出て獲物を弄んでいたようだ。

主人の獲物ではあるが、何しろ主人は狩りが下手だ。すこし手伝ってやるとしよう。


「なにしているの!レポートの提出遅れちゃうじゃない!」


なにを言っている。自然界では弱肉強食である。それが自然界の掟だ。主人が狩りが下手であるから吾輩に獲物を狙われるのであろう。まぁ、吾輩はこの獲物を弄びたいだけなのだがな。しかし、レポートとは何であろうか?しかし、この主人は単純な女だ。吾輩がすこし腹を見せ、高貴な声を鳴らすだけで、すぐ目を垂れさせ、鼻の下を伸ばす。人間というものはみなこうなのだろうか?いや、違う。主人の(つがい)であろう、あの男は主人とは似ても似つかないホモ・サピエンスだ。姿形こそ主人に似ているものの、吾輩が腹を見せても目を垂らさないし、吾輩が擦り寄っても鼻の下を伸ばさない。

しかし、主人は違う。単細胞だ。今でも腹を見せれば、すぐ吾輩を抱きしめる。なんやかんやこの猫生3ヶ月を生きてきて主人の温もりは好きだ。(かかさま)の温もりには通じないが。

猫ちゃんって余裕でこんなこと思ってそうですよね。まぁ猫'ちゃん'なんて言ったこともないですが。猫様ですよ。

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