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となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい  作者: usi
となりの宮川さんは人気Vtuberになりたい ストーリー版
12/29

合宿をすることになった

前回のあらすじ 宮本と川上さんが少し仲良くなった。


 僕は今電車に乗りながら昨日の事を思い出していた、


 昨日は宮川さんと川上さんが海を通して少し仲良くなった気がする。それにしても宮川さんの水着可愛かったな。写真でも撮っておけば良かったが見つかったら殺されるかもな。多分。


 僕は今日学校に行くのが珍しく楽しみだ。なぜならば今日は終業式だから。つまり明日から念願の夏休みなのだ。やったー。


 「明日からたくさんゲームしよー」


 僕は家にある溜めていたゲームを思い出す。明日からゲーム三昧だ。


 と思っていたのだが。


 「ぴろん」


 宮川さんからメールが来た。画面を開くとそこには


 「終業式の後、話があるわそのまま学校にいなさい」


 と書かれていた。


 「ふー」


 僕は息を吐いてそっと画面を閉じた。


 そして終業式が終わった後。教室には宮川さんと僕の二人きりではなく、川上さんもいる。


 「なんであなたがいるのよ」


 宮川さんは嫌そうな顔で川上さんを見る。


 「私を省ろうったってそうはいかないわ」


 川上さんは自慢げに 僕の前の席に座っている。


 「はあ。まあいいわ。来週から合宿に行くわよ!」


 「合宿?」


 宮川さんはにやついきながら僕を指さした。合宿?


 「そう。たまには家じゃなくて別の場所で配信することで刺激を得ようというのが今回のテーマよ」


 言ってることがめちゃくちゃな気もするけど。


 「まず場所はどこなの?」


 「私の親戚がやってる旅館よ。安くしてくれるらしいわ」


 それは結構お得かも。だが、


 「そもそもパソコンはどうするの?僕ゲーミングノートPCなんて持ってないけど」


 「私の予備のやつを貸してあげるわ」


 予備とかあるのかよ。宮川家の財力はすごいな。


 「じゃあ私の分は?」


 川上さんが机から乗り出して聞いている。


 「あるわけないじゃない」


 「なんでよ!まあ自分のがあるからいいけど」


 川上さんも来る気満々らしい。


 「はあ。しかたないわね。親戚のおじさんには私から言っておくわ」


 「やったー!ありがとう!いいとこあるじゃない!」


 「うるさいわね!取り消すわよ!」


 川上さんはすごく嬉しそうにジャンプしている。なんとなくだけど二人は前よりは仲良くなったみたいだ。


 でも楽しみだなー。合宿。というか女の子二人と合宿?緊張してきたな。


 そして合宿当日。僕たちは駅に集合した後、宮川さんの車で旅館まで連れて行ってくれることになった。


 駅に着くと、先に川上さんがいた。


 「おーい!タマ!こっち」


 「公共の場でタマはやめてよ!呼ばれたら無性に行きたくないよ!」


 川上さんの今日の服装は白のワンピースに麦わら帽子を被っている。小柄な彼女にとても似合っているが、文字だけ見るとどこぞの海賊王だ。とりあえずお母さんが女子の服装は褒めろって言ってたし褒めよう。


 「川上さん。その服似合ってるよ」


 「な?!あ、ありがとう」


 川上さんは帽子で顔を隠しながら振り向いた。かわいいなこの人。あまり褒められ慣れてないみたいだ。自分の事かわいいっていう割に言われたことは少ないのかな。


 次に宮川さんが少し遅れて到着した。


 「ごめんなさい。そこで「狐山 コン子」ですか?ってサイン求められて」


 「嘘だよね!本当だったら身バレしてるよ!ライバー人生終わりだよ!」


 「とにかくこっちよ。ついてきて」


 なんかうやむやにされた気がするが。宮川さんについていくといかにも高そうな黒い車があった。


 「え?宮川さん。この車相当高いんじゃ」


 「よく知らないわ。子供のころからこの車だし。いいから乗って」


 宮川さんは助手席に乗り込む。やっぱり宮川家は相当なお金持ちのようだ。僕と川上さんは後ろの席に乗り込んだ。すると


 「初めまして。宮川家専属のお手伝いのじいやでございます。今日はよろしくお願いします」


 運転席に座っているいかにも執事みたいな老人が話かけてきた。でた!この人が噂のじいやだ!


 「こちらこそ今日はよろしくお願いします。じいやさん」


 「よろしくお願いするわ!」


 僕たちも続けて挨拶する。するとじいやは僕を睨んで


 「あなたにじいやと言われる筋合いはありませんが」


 と優しい声で言った。こえーー。目が笑ってないよ。


 「じいや。はやく行きましょう」


 宮川さんがじいやに早く出発するように促す。ふー。助かった。


 「失礼いたしました。お嬢様。出発いたします」


 そうして僕たちは旅館に向かって進みだした。


 何事もなければいいけど。僕はただそれだけを願っていた。





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